莉子@早坂家
そして、親父・おふくろ・ルリ・俺に加えて今日は莉子の5人の夕飯となった。
莉子は初めて見る親父とおふくろのバカップル全開に赤面が止まらない。それを見た俺は笑いが止まらない。
楽しい食卓となった。ルリはいつもマイペースでクールだ。
「莉子さんは司の部屋でいいよな」危うく聞き流すところだった。
「きちんと客室を用意しましょう」と俺が言うと、
「「「えーっ?婚約者同士だからいいじゃん」」」と家族からの攻撃。莉子赤面。
はぁ、仕方ない。話も聞きたいし。
とりあえず、莉子を俺の部屋に運んだ。
「俺はそこらへんに転がって寝るから、ベッドは莉子が使え。足、安静にしなきゃなんないしな。で、病院をあんなに拒否った理由は?」
「バカにしないでよ?病院ってどうでもいいところをベタベタ触るでしょ?」
――莉子にだけだと思う
「そういうのが嫌なのよ」
「うーん、莉子だから触るんだろうね。中年のおばさんにはそんなことしないだろうね。セクハラかな?でも医療知識がないと治療かもしれないって受け入れちゃうんだよね。俺も一緒に病院行こうか?俺がいたらSPみたいなことはできる。少なくともベタベタは触らせない。俺がケガさせたんだから、どの程度かもわかるし、柔道整復師みたいに神経とか筋肉の名前もわかる」
「頼っちゃっていい?」そう莉子に上目遣いで頼まれると、理性が崩れそうになる。
「そりゃもちろん。明日な」
「明日?」
「そういうのは早い方がいいから明日の朝一で整形外科だ」
「わかった。一緒に来てね。診察室の中まで」
「わかったよ。おやすみ」
「ありがとう。おやすみ」
――俺、二日連続徹夜は嫌だ。マジで拷問だ…。




