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第11話 『本当に悪い奴は悪巧みしない』

すんません

ここは夢子たちが訪れた国の城である。


「そ、それは本当なのか!?」


突然の報告に驚く王様。

これまでずっと探し続けてきたスグル・カンザキの手掛かりが突然舞い込んできたからだ。


「外見は前に見せてもらった物と全く違いましたね。厳ついおっさんでしたよ?」


「なるほどな…。見つからんわけじゃ…」


やれやれと溜息をつく。

王様はスグルの規格外な力を知っているため、驚きはしない。


「スグル・カンザキについては、あり得ないと思うことを平然とやりおるからな…」


「レベルも48だった…。戦闘になったら勝てなかったでしょうね…」


「く、くれぐれも危害は与えないでくれ! 彼の頭脳は何物にも代え難い!!」


危害も何も、今のままでは歯が立たないって…と思う勇者くん。


「次また見つけたら王様があんたにご執心だって伝えますよ。まさか名前聞いただけで逃げ出すなんて思わなかったんでね」


「うむ。見つからないという現状に一石を投じてくれた事、感謝しておる」


そして、勇者は一つ聞きそびれていた事があったのを思い出した。


「すいませんがね、一つお聞きしても良いですか?」


「なんだ?」


「勇者のスキルによる鑑定が出来ない相手っているんですかね?」


王様は近くに控えている老人に視線を送る。


「お答えしましょう。スキルによる鑑定が出来ない者は現状確認されておりません。勇者のスキルは簡易的なものなので名前とレベルしか出ませんが、全く出ないという事はあり得ませんな」


王に変わって詳しく教えてくれた。

しかし、だとしたらあの女は一体何だったのか…。


「なぜそんなことを聞くのだ?」


「勿論、そういう相手が現れたからです」


「何ですと!?」


先ほど詳しく教えてくれた老人が驚きのあまり声を上げてしまう。


「そのスグル・カンザキと一緒にいた女ですよ。こちらの世界の言葉を使ってたんで、気になって鑑定したんですよ。でも、全然結果が表示されない。おかしいと思って一緒に座ってるおっさんを調べたら…って流れなんですよ」


何やらその場が重たい空気になり、余計なこと言ったなぁ…と反省する。

沈黙を破ったのは王様であった。


「あり得るとしたら、未確認スキルか…」


「しかしそうなると…」


「うむ…。スグル・カンザキが単独で勇者召喚に成功したということじゃな…」


王様達が完全に考え込んでしまい、身動きが取れなくなってしまった勇者くんであった。


「あの、俺もう帰っていいスかね…?」



◇◇◇



「…というわけでさ、彼が言った事が本当だとしたら、今頃王様に報告されてるなー。最悪の場合は、僕が単独で勇者召喚したと思われてるだろうね…」


「ご、ごめんよスグルくん…」


ガクガクと震えながら謝る夢子。

あの後店を出てから慌ててゲートの場所に行き、家に帰って来たのだった。

そこで何故こうなったかの検証が始まり、夢子が鑑定許可を無視していた事が発覚。

夢子も只者では無いと思われてしまっただろうし、恐らく行き着く先は召喚勇者という勘違い。

全くもって良くない状況であった。

そんな状況を感じ取って、素直に反省する夢子。

鑑定を無視していた理由も、肉に夢中になっていたからである。

救いようがなかった。


「まあ、次からは夢子も認識阻害装置を使おう。今回のことで夢子の情報も流れちゃっただろうしね」


「本当、マジですんませんでした…」


「でも、鑑定されるとバレちゃうしな…。そこも何とかできたらいいんだけど…」


そこでピーンときた夢子がバッと立ち上がる。


「それ、私何とかできるかも!!!」


それを見てスグルにもピンとくる。


「ああ!!!」


向かい合ってニヤリと笑う二人だった。

本当にすみません

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