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第1話『夢子、大地に立てるか』

本当にすみません

まずは説明せねばなるまい。

ここはワイシクル・デイエストと呼ばれる世界。

わかりやすく説明するのであれば『異世界』である。


この世界はわかりやすく危機に瀕していた。

魔王の出現である。魔王は突如このワイシクル・デイエストに現れ、世界を支配することを宣言した。


しかし、元よりこの世界にいた者たちが、素直に言うことを聞く訳がない。

ワイシクル・デイエストはいくつもの国があり、その代表が集まる世界会議で勇者召喚を行うことが決定された。

だが、どの国が勇者召喚を行うかで話が揉めた。

揉めに揉めた。

そうこうしているうちに、魔王は軍を率い、1つの島国を滅ぼし占領してしまった。


それに危機感を持った国々は、世界会議での結論を待たずに各国で勇者召喚を行ってしまう。

それにより、この世界は何十人という勇者が召喚されてしまったのだ。

結局、世界は歩調を合わせることができず、魔王の侵略に対し、バラバラな対応をとらざるを得なくなってしまったのだった…。


◇◇◇


舞台は移る。

ここは真っ先に魔王に滅ぼされてしまった島国である。

ここは元より、他国との交流にも消極的で、文明的にも他国に劣る国だった。


魔王軍の侵略に対し、有効な手立てもなく、瞬く間に首都を占領されてしまった。

しかしながら、島全土となると話は変わってくる。首都から離れた地方や、魔物や動物の住む自然には、まだ手は及んでいなかったのだった。

そんな、まだ穏やかな森での話だ。




肉食獣が食べた草食獣の骨を放置した。

その横に草が生えた。その側には糞があり、その先には食べカスとなった木の実が落ちていた。

そういった小さな物が集まり、森全体で1つの魔法陣を形成した。

そう、もうお分かりであろう。

異世界からの召喚魔法陣である。

各国が行う召喚とは形式の違う、古代式の魔法陣。

強化された異世界人を召喚するわけではないため、魔力もほとんど必要としない。

魔力を豊富に含んだ天然の果実程度で十分だった。

そして今、この大きな魔法陣の中央にそびえる大樹の枝から、1つの果実が落ち………


バリバリバリ!!!


魔法陣を形成した全ての物に魔力が走り、光を放つ。

そして、こことは異なる世界から、1人の異世界人を召喚した。



「へ…?」


金石夢子は学校から帰り、玄関を開けたはずだった。

すると景色は一変。

何やら高いところにいるような…そんなことを思った瞬間。


「うえ!?ああああええええ!?」


大樹のてっぺんから真っ逆さまに落ちていった…。


バキ!ガサガサ!バキバキ!!ガサガサ!!


ドン!!


こうして物語の主人公、金石夢子は17年の人生に幕を閉じたのだった。


本当にすみませんでした

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