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レベリング研修 出発は吹っ飛ばされて!?

ついにヒラノに他のスキル習得!?

レベリング先への移動は これ安全なんですか!?


スキル習得

この異世界にはレベルというのが存在する

レベルアップの過程で起こしたアクションや

経験から新たなスキルを習得する事がある。

スキルの分類は5種類

技能・魔法・固有・独創・特異と別れている


技能スキル

肉体を鍛える事で習得確率が上がるスキル

肉体強化や武器や肉体を使った技などが

技能スキルとして扱われる。

通常の攻撃とは威力が段違いだが

体力の消耗が激しく連発するには長い鍛練が必要となる。

慣れない内にスキルを連発すると身体が悲鳴をあげ

スキル性筋肉痛を引き起こす


魔法スキル

知識を蓄える事で習得確率が上がるスキル

杖や本を持って発動する魔術

蓄えた知識を持って呪文を唱える魔法

この二種類が魔法スキルとして扱われる。

使用しすぎると酸素欠乏に近い症状が現れ

無理に強力な魔法を使おうものなら

最悪命を落とす場合もある。


固有スキル

武器や鎧に付与されたスキルの総称

レベルに関係なく習得できる上に

適正に左右されないと言うメリットがある。

ただし固有スキルを身に付けすぎると

固有スキル同士で暴発し制御が利かなくなる

その為一般的には多くて1~4程度の

固有スキル装備が限度とされている。


この三種を基本スキル、と呼び

戦闘に一切役に立たない特異スキル

基本スキルを改良・統合したものを独創スキル


「・・・以上がスキル、についての説明になります」


異世界生活一日目、オッグさんとレフゥさんと共に

魔王様が朝礼や会議などを行う際に使用する玉座の間にて

スキルについて説明を受けていた。

<適正:荷物持ち>といってもlv1では何もできず

オッグさんとレフゥさん付き添いで

レベリングを行う事を最初の仕事として割り当てられた。


「レベリング・・・魔物と戦うんですか?」


「この世界のレベリングは戦う以外でも可能です

ヒラノさんの荷物持ちは他適正の中では

少し面倒なレベリング方法ですが

戦闘適正持ちのお二人に魔王軍領地外の

魔物を討伐して頂きヒラノさんの

専用バックパックに収納して頂く

これだけで経験値とスキルが習得できる筈です」


「おいおい秘書さん、筈ってなんだい?」


「珍しいよね、曖昧に言うなんて」


パタンとスケジュール帳を閉じると

少し困った顔をする秘書さん

どうにも荷物持ちの適正が

魔王軍に今までいなかった事と

人間側でも荷物持ち適正に関して

書類があまり多くない為

どうすれば荷物持ちが強くなるか?

効率の良いレベリングができるのか?

そう言った知識が魔王軍側でも不足しているらしい


「ご高齢の魔人や獣人

魔物達から聞いてはいたのですが

やはり荷物持ちはハズレ適正

という認識が強く根付いてまして・・・

得られた情報といえば専用バックパックに

物を詰め込んでたら何かスキル増えてた・・・くらいで」


「ごめんねヒラノ君

荷物持ちの最適レベリングが分からない以上

高いレベルを持つレフゥ君と回復を特異とするオッグ君に

協力を仰ぐ他ないんだ 二人ともヒラノ君を頼んだよ?

このレベリングは荷物持ちの情報収集も兼ねてるが

怪我のないようにね?開始は午前10時から開始とするから

それまでに必要な道具をバックパックに積めておくと良い

足りない物や必要な物は領収書出してもらってね?経費で出すから」


レベリング、ゲームでは必須のこの作業は異世界においても

ましてや魔王の下で今後働く上でもかなり大事なようだ。


オッグさんもレフゥさんも、それぞれスーツの上から鎧を装着している

オッグさんは、鉄製のプレートメイル

右腕にはスモールシールドと呼ばれる鍋の蓋のような盾

手には十字架をあしらった杖という、なんとも不似合いな装備だ

曰く、人間など知性のある相手からすれば

回復や補助を行う者が布製の修道服では真っ先に狙われやすい

その為、魔王軍では回復・補助担当の者には

動きなど支障が出ない範囲での重武装を勧めている。


対してレフゥさんは動きやすいプレートメイル

武器はロングソードと、ショートボウ

身軽に動ける上に中距離・近距離に対応できる装備だ

今回は僕のレベリングに付き合う関係上

使い勝手の良い剣と弓にしてくれたのだとか

本来の適正である斧戦士にも関わらず、弓や剣を装備できるのは

彼女の持つ特異スキル<制限解除:Lv1>の効果で

付与スキルと魔法の施されてない武器に限り

適正をある程度無視して装備できるから


まぁ、僕と言えば動きやすいレザーチョッキとショートソード

それに専用装備のバックパック・・・普通に武装って感じの二人と並ぶと

いくらか浮いてしまうのは非戦闘職の悲しいところか


レフゥさんは先に僕ら三人のパーティー登録の書類を提出しに向かい

僕とオッグさんは購買部で買い出しをする事にした

ちゃんと領収書をもらってあるが・・・今回購入したものは以下の通り


中級回復薬:9999個

ロープ(30m)4本

着火のお札:30枚

魔物図鑑・初級編

植物図鑑・初級編

道具図鑑・基礎編

ランタン:3つ

名刺ケース:1つ

レインコート:一着

携帯食料(干し肉):およそ一ヶ月分

羽ペンとインク:1セット

白紙の地図(10枚セット):5つ

採取用ナイフ:1本

採取ケース(小):20個


回復薬が多すぎる気がするが

備えを余分にしたところで悪い事は起きない

魔物や植物、道具に関しての図鑑も購入したし

この異世界で魔王の配下として働くために

色々と勉強もしておかないといけない

白紙の地図は、道に迷った時に役に立つ筈だ

この世界では方位磁石がまだ存在しないとのことだから

出来ることなら白紙の地図を使うことがない事を祈ろう


「それにしても、多いですねぇ・・・

こう一度に一気に収納できたら良いんですけど」


「ははは、オイラも収納するの手伝うよ」


「じゃあまずは重そうな物から」


<特異スキル【指名収納】会得>


「・・・はい?」


今何か頭に浮かんだ・・・気のせい、じゃない!

何故かさっきの【指名収納】という言葉が頭から離れない!


「も、もしかして・・・これがスキル習得ってこと?」


「えぇ?まだレベリングしてないのにスキル習得かぃ?」


「今、頭にスキル会得ーって浮かんで・・・」


指名収納、沢山のアイテムを一々詰め込むのが面倒だなと

僕自信が思っていたら何故かポンと習得できたスキル

・・・え、もしかして読んで字のごとくな能力なのか?

試しに一番数の多い回復薬を視界に納めて

バックパックの中に収納するイメージを浮かべる


するとどうだろうか?

沢山あった回復薬がパッと消えてしまった

オッグさんも目を丸くして驚いている


僕と一緒にバックパックの中身を確認

ちゃんと瓶に詰まったドリンクタイプの回復薬が入っていた。

数まで確認するには時間がないので省略する

どうにも、このスキル【指定収納】の効果は

視界に納めたアイテムを任意でバックパックの中に

転送させるスキルのようだ・・・


「まだレベルアップしてないのにスキル習得かぁ

でもどうして急に習得したんだろうねぇ?あぁ、次は図鑑積めておくね」


<特異スキル:鑑定知識・初級を習得>

<特異スキル:鑑定検索・初級を習得>


「えっまた!?鑑定知識と、鑑定検索?」


「確か、手に取った物がどんな効果か

どの魔物の部位か分かるようになるスキルだよね?

アレェ、もしかして荷物持ちのスキル習得条件って

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のかな?」


「んー、でも最初は何も収納してないですよ?」


「スキル習得に必要なのは経験と実績以外に

こんなのがあればなぁ・・・ってイメージも材料になるんだ

君が最初に会得したスキルは、きっとそうやって

手に入ったスキルなんじゃないかな?でもスゴイことだよ!

このままアイテム詰めたらどんなスキルになるか

オイラちょっとワクワクしてきたなぁ!」


確かに、ただ収納するだけでスキルを会得できるのであれば

今購入したアイテムを収納した場合、どんなスキルが手に入るのか

ちょっと試したくなる気持ちがある・・・いや、かなりある!


「つ、次地図とか入れてみましょう!」


収納したアイテム

白紙の地図


・・・特に何も浮かばない?

次に、インクと羽ペンを入れてみる


収納アイテム

白紙の地図・羽ペン・インク

<特異スキル:自動地図作成(オートマッピング)を会得>


「なるほど、一つだけじゃ

スキル習得に繋がらないアイテムもあるのか

白紙の地図に、描くためのペンと

ペンに浸すインクが合わさって

はじめて一つのスキルに・・・覚えておこうっと」


今度は残る全てを一気に詰め込む

楽しみなのは楽しみなのだが、時間も押してるのだ

さて、残るアイテムを全部しまって何かスキルは・・・


収納アイテム

名刺ケースとヒラノの名刺

<特異スキル:名刺連絡>

名刺を交換した相手とだけ遠くにいても会話ができる


収納アイテム

採取ケース・採取用ナイフ

<特異スキル:安全収納>

収納した物のあらゆる悪影響を無効にする


<特異スキル:隔離収納>

収納アイテムは外側からの影響を受けず

内部でも互いに影響を受けない


収納アイテム

ランタン・着火のお札・携帯食料

<特異スキル:自動装填・灯火>

ランタンの灯火を、着火可能アイテムを自動で消費し

絶やさないようにする事ができる


<魔法スキル:弱火消毒>

僅かな魔力を消費し、着火のお札で

食料や道具を熱消毒することが出来る


収納アイテム

レインコート

<魔法スキル:アンチレイン>

発動中は術者の半径2mは雨に濡れない


「よぉ、待たせたねぇ二人とも・・・どうしたんだい?」


「戦闘スキルーーーーーーっ!!

魔法ですら戦闘には何の役にも立たない

スキルばっかりじゃあないあですかーーっ!」


この後、オッグさんが事情を説明してレフゥさんは爆笑した

そりゃあもう腹を抱えて大きな声で笑ってた

ひとしきり笑った後でもたまにゲラゲラと笑い出す

そこまで笑わなくてもいいじゃないか

色々試して見て魔法が使えると思ったら

熱消毒と雨避けくらいしか習得できなかったんですから

そりゃあショックも受けるというものでしょう?


「あーーっおっかしい!攻撃スキル覚えないから

あそこまで落ち込んでたのかいっ!!アハハハハハハ!!」


「レフゥ、笑いすぎだよぉ?ヒラノ君も早く役に立ちたくてぇ」


「ばぁか、何時役立たずなんて【誰が】いったんだい

ヒラノが戦闘スキルを覚えなくても他のことで頑張れば良い

ヒラノもあまり気にしてないで ゆっくり頑張っていきな」


「レフゥさん・・・」


「ほらほら、シャキッとしな!折角の初陣なんだからね

魔王軍の領土から外は巨人便を使うから 着いたらすぐ始めるよ」


「巨人もいるんですか?この世界」


「あぁ、巨人便をやってるのは魔王軍領地から半径400km

この魔王軍領土を囲むように12体の巨人と

今から利用する巨人便担当の巨人で合計13体いるねぇ

ホラホラ あれが巨人便担当の大巨人<ガンスト>さ」


そういって正面門から外に出てすぐ

レフゥさんの指す方向に果てしなく大きすぎる

体育座りしてる岩でできた男が一人・・・

口にはパイプのような物をを加え

のんびりと空を見上げている


凄まじい大きさに呆気に取られてるとオッグさんが

杖の先で地面をコツンと叩き球状の結界が僕らを包む

それを確認したらレフゥさんが胸元から

ホイッスルのような笛を取りだし息を大きく吸ってから


ピュィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

ピィッ!ピィッ!ピィッ!ピーッピーッピーッ!


高音の笛の音が聞こえたのか

ゆっくりと巨人がコチラに手を伸ばし

僕らを結界ごと拾い上げる

ゆっくりと左掌の上の僕らを口許に近づけると・・・


「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ」


息を、ただ吹く

それだけで僕らの結界は軽々と吹っ飛ばされ

あ、ダメだ冷静に説明している場合じゃない

慌ててショートソードを地面に突き刺して

落ちまいと必死にしがみつく


「これが巨人便ですかぁあああああああああああああああ!?」


「おうおう、初めてだからな

ヒラノはそのまましっかり姿勢を低くしてなぁ!」


「レベリング場所は辺境の土地~!ノードゥク~!!

30分くらいで着くから~~!寝ててもいいんだよ~~!!」


「寝れるかぁあああああ!!」

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