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出会いは人を変える  作者: crusty
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別れもまた同様に....

人生はいつ終わるか分からない。

なのでやりたかったことを一つずつ若い内からコツコツとやろうと思い、書き始めました。

拙い文章ですが、ごゆっくりお楽しみくださいな。(ちょっぴりの嘘は名前とかです)

これから書くお話はちょっぴり嘘の本当のお話です。




xx12年 とある田舎の小学校で...

「午後もあるとか面倒だね」

「わかるー、午前中だけでいいよなぁ..」

小学校卒業まで残り半年を切り、残っているのは小学校最大のイベント修学旅行のみとなった二人の男子生徒が何気ない会話をしている。

「あ、そうそう。 なに聞こうか思い出した!」

唐突に会話を切り替える彼は私の友達のシュンペイだ。

「おぉ、なになに?やっと思い出したん?」

そんな彼と慣れたように会話を続けるのは主人公兼作者の

リョウマである。

「リョウマはさ、 どの班にするか決めた?

俺全然決められなくって。 行きたい所があったんだけど

ちょうど二つに分かれててさ、 すっごい迷ってるんだ 」


「だいぶ迷ったけど、やっぱり同じリョウマとして

亀山社中記念館は外せなかったからね」


「何が同じリョウマとしてだよw でもいいなあ、

決めれたのかぁ 坂本龍馬の歴史も気になるけど

個人的にすごく史跡出島が気になってるんだよ」


「せっかく自由見学なんだからさ、俺と班組んでさ

当日にルート変えちゃおうぜ! そしたらどっちも行けるし

楽しいし、一石二鳥だよ!」


「そうしよっかな。

やっぱりリョウマと一緒の方が面白そうだしな!」


「じゃあ、今日の六時間目の総合の時間で班組もうぜ」


「オッケー!じゃ、後でな。俺先生にプリント渡してくる。」


「うん、あとでねー」

昼休み、さっさと給食を食べ終えて話をするつもりが、シュンペイが先生に呼ばれていたせいでかなり時間が残っている。

「どうしよっかなぁ」

一人静かにため息をついてのんびりしていると、普段なら誰もいない使われなくなって20年がたつ焼却炉の方から大きな笑い声が三人分聞こえる。

「アハハハハ!なにその声!」

「女のくせに声が低いとか気持ち悪い!」

「それな!しかも歌まで下手とか、音楽の授業ある日は休めよ!」


俺は意外と声って響くんだなぁと感心しながら、興味本位で声する方へと歩いていく。そこには、転向してきて日が浅いはずの女が倒れこみ顔を真っ赤にして泣いていた。目の前で起こっていることに一瞬、戸惑いいじめのリーダーであろう女の方に目をやる。「ああ、お前か」と心の中で思った。その女は俺のいるクラスの六-三で女子のリーダー的な存在のミサキだった。残り二人はよくミサキにくっついているアヤコとマミだった。

転校生をいじめて気分がいいのか、いつもより少し大きな声でミサキが話しかけてくる。

「え、なに?リョウマ どうしたの?」


白々しい態度にイラッとしながら俺は答える

「中庭でボーッとしてたら声が聞こえたから見に来た」


「あ、そうなんだー! 今女の子四人で遊んでるの

男の子は入っちゃだめだよ~!」


残り二人も続けて

「そうそう!今ね、泣く演技してもらってるの!」

「すっごく上手なんよー!」


俺は関わると面倒なんだろうなと内心思いつつも、

「遊びには見えんけどなぁ、いじめじゃないの?

演技とは思えない泣き方だしさ...転校生のユイだっけ?

お前どうなん? 遊びなん? 遊びなら俺はもういくけど」


転校生のユイは真っ赤な顔を俺に向ける。この時俺は非常識にも程があるのは承知の上で心の底から綺麗な顔だと感じた。なんとなくだがいじめられてる理由も理解した。


顔を上げた彼女は声を出さない、かすかに口が動いているのが見える。なぜ声を出さないのか、俺は少し疑問に思ったが体を起こした彼女を見て気づく。出さないんじゃない、出せないのだ。一目で、ましてや小学生でさえ分かる事態の大きさ。生まれて初めて、他人の傷をみて心の底から何があったらそんな事になるんだと思った。彼女の喉は大きく腫れ、紫色や赤色に変色していた。口を必死に動かす彼女は、音には聞こえないが確かに言っていた。


「た す け て」


と。ここで何もしなかったら人としてダメだと感じた。生まれて初めて、自分以外の誰かの為に、他人より多少恵まれた身体を使うことを決心した。いじめの主犯であるミサキは、俺が先生に言うと思ったのか


「なにする気? 先生に言うの?私達が逃げればあんたが

こいつに暴力ふるったって先生は思うよ!

リョウマは気にしなくていいんだよ!私はこいつと

遊んでるだけだから!ホラ!あっちにいってて!」


と言ってくる、「そうだね、じゃああっちに行っとくね」

なんて言うはずもなく、俺は


「俺とも遊んでよ。こいつとばっかりずるいじゃん」


「いいからあっちいけって言ってんのよ!」


「これいじめだろ?誰だって見たら分かるよ」


「いじめじゃない、遊び!いいから行けって言ってるの!」


「お前、よくこんなことしておいて遊びって言い切れるよな。

怖いよ、どうかしてるとしか思えない。」


「あんたに関係ないじゃん!殴られたい?男は女に手は出せないでしょ!」


「場合によるわ、バカ」 ゴッ


鈍い音がした、母親には保育園にいた頃に「女の子にはケンカしても殴ったりしちゃダメよ」と言われていたが我慢出来なかった。別に正義感が強いとかそんなんじゃない、ただただ、腹が立った。

いじめの理由なんかどうでもいい、ただ目の前にいる女が他人にこれだけ痛々しい傷を、完治するのか保証も出来ない傷を負わせて、このまま先生にお説教されて済むのがどうしても許せなかった。二三度殴ると、ミサキは泣き始め、マミとアヤコに連れられて去って行った。やっちまった感情とやってやったという感情で頭がいっぱいになりながらユイの方を向いて俺は、


「お前よくこんな事態になっても誰にも言わなかったな

普通親とかさ、先生に言うもんじゃないの?

いじめられた事ないからなんとも言えないけどさ....」


目の前で暴力ふるった男が何を言うのが正解か分からなかった彼女は地面に

「あ り が と」

と書いて少し笑った。俺はその顔を見て少し安心した。

しかし相変わらず、喉のアザがひどくすぐ保険室に連れて行こうとした。彼女に肩を貸し、歩こうとすると保険室とは違う方に歩こうとする。


「保険室こっちだよ?どこ行くの?」


と聞くと彼女は焼却炉から少し離れたごみ捨て場を指差す。

唖然とした。この女はすごい。小学生でここまでやるのか。

親や先生に言えない気が弱い女だと思ったが俺の思い違いだ。

こいつは俺を見て照れた様に笑う。

ごみ捨て場には捨てられている木箱の中に画面に録画という文字が映っているビデオカメラが置いてあった。






お読みくださり、ありがとうございます。

人生何があるか分からない。

ぜひ一度、やってみたいことをやるのもまた人生。謳歌してやりましょう!

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