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えーと、グレート白井だ。
プロレスラーのリングネームだよな
おい、笑えよ。
さて、今でいうトコロの新潟に上陸したんだ
ちょうど刈羽核融合炉のあった辺りだ、すぐそこに勝山城という城がある
丘の上だし、いわゆる天守閣とかもない屋敷に近いものらしくて
海岸からは見ることができない、、、
というか、夕暮れ時という事もあり、海岸には人っ子一人居らん、確かに考えてみると
夜間は明かりをともすにも、この時代燃料が必要だ、、そして小氷河期に突入して
全体的に気温が低いこともあり、燃料は貴重なはずだ。
∴夕暮れ時だが人が見当たらない。
よし、勝手にテント建てて明日、夜が明けてから住民と接触することにしよう
今日の宿は、簡易展開テントだ、30センチ四方の板状のものだが、ハニカム構造の複合素材でできており
すごく頑丈で気密性抜群、地面に置いてボタンを押すだけで、バストイレ完備のワンルームコンテナに
早変わり、これを二棟つなげて今日のお宿にするのだ。
麻里達と俺で6人だと若干狭いが、まあ大丈夫だ
たまには3人4人ってのも。。。
さて、夜が明けたぞ!
俺の嫁たちみんなでテントから出てみると、漁師たちが集まっている
「ああっ! おいでなされたぁ!!」
「あぁ~ ありがたや~」
なんじゃこりゃ?
出た瞬間に拝まれてしまったが、俺に続いて出てきた麻里も拝まれている
なんだか良く解らんが、代表者と話をせんといかん
明石で作ってきた、『この時代の言い回しに自動変換翻訳機』を使って話してみた
「皆の者、苦しゅうない、もそっとちこうよれ、、、
予の名は白井である、この地を治めておるのは誰じゃ?」
うひゃあ、もうなんかアレでアレだ、普通にしゃべることにするぜ
漁師A「ここの代官だべか、、城の野呂様だべ」
漁師B「おし、俺がひとっ走り行ってくるだ!」
漁師Bが走っている間に、ちょっと辺りを確認した結果
「これは、麻里よ。。。」
「な、なんでしょうか治三様」
「キミこれは、衣装の時代を間違えたのではないかね?」
「さて、何のことでしょうか?」
麻里が変な汗かいてるのだが、まあ、タネ?を明かせばこうだ。
実はこの衣装、古墳時代あたりのヤツでした、テヘッ
麻里のほっぺたグリグリしながら確認したところ、たぶん公家さんとかその辺の直垂姿を見たんだろうね
UAVで、そして、直垂が普段着の時代から割と庶民風になると、この古墳時代っぽい感じの衣装に
なるんだろうね、そして、漁師Aの言うトコロ
「朝起きたら急に祠が出来ていて、中から神代の方が現れた」
になったらしい、この時代は天皇が
いわゆる現人神だが、まずいことこの上ないのはわかったが、スルーしておく。
すると、とぉーくからお馬が走ってきた
何か叫んでいるがはっきり言って聞こえない、、なんか知らんが馬もちっこく見える
速度も遅い、この辺は麻里の言っていた通りこの辺の時代の日本在来馬は遅いのだろう。
あ、お馬さん休憩に入った。
「・・・っっ!!!!」
何かわからんが馬に乗ってた人が叫びながら馬から降りて走ってきている、槍もってな。
俺たちから10メートルほど離れたあたりで止まって息を整えながら叫び始めた
「きっ! 貴様らか神を僭称する不届きモノが! 斎藤家家臣野呂一白が成敗してくれる!」
あー、僭称と言われるとあれだけど、勘違いされてしまったのはまあしょうがないな
ただ黙って殺されるわけにもいかないのだけどもね、そうこうしている間に
野呂って武士さんが「きえぇぇぇ!!」とか言いながらこっちに迫る、
まあこの距離では外すことはない懐に収めていたピストルを取り出し、足を打ち抜く。
いや、ごめんハズした。
正確に言うとかすった、野呂武士の左ひざの辺りをかすったのだ、その結果は
「ぐあぁぁぁぁぁ!!!!!!」
この人登場してからずっと叫びっぱなしだ、まあ今回は左足は膝からパックリんこしてるから
しょうがないか、弾がかすったおかげで、ひざ下が爆散することなく、皮一枚つながっている
一応銃自体は威力落とすために、明石の技術で作ったサプレッサーをつけた、ほぼ無反動に高速弾のくせにほぼ無音、すごい暗殺兵器ができたもんだ。
ああ、いいや
「いきなり切り掛かって来るとは、俺の力が見たいか愚か者め?」
翻訳機に掛けるとこんな感じ
「ほほほ、棒切れなぞ振り回しおっておかしな山猿じゃ、予の力を見たいか?」
とりあえず、翻訳機の答え合わせ機能は切っておいた、黒歴史が山積みになってしまう。
さて、城に詰めていたのだろう徒歩の兵たちが追い付いてきた
こちらから先にくぎを刺しておこう、これ以上は完全に悪目立ちだ。
「俺は白井治三、空からこの地にやってきた地上で暮らす場所を探しているが、、」
泡吹きながら転がっている野呂武士を見て思った
(この付近じゃダメな気がする・・・)
よし
「暮らす場所を探しているが、このような粗忽物がいるのではここには住めん、おれはほかの土地へ行く、邪魔をするならおし通る」
コレが多分正解だ!
兵士たちが道を開けていく、転がってた野呂武士も歩兵が回収して止血している
まあ、死ぬことはないだろう、実力もないうえにアホで力を振りかざす奴は扱いきれん
もうちょっと真面な人間のいるところまで移動しよう。
「みんな、移動の準備だ」
「「「「はい」」」」
てきぱきと簡易テントをたたんで、裏に止めてたロボ馬を引き出してくると
兵士たちが腰を抜かしてしまった、野呂武士は再び泡を吹いている。
やはりでかすぎたか、さっき見た馬は木曽馬というらしいこっちが用意したのはペルシュロン種
体格で2倍はある、横に並べると怪獣なサイズである、まあいいや、ロボ馬6頭に分乗して出発だ
片付けから唖然と見ていた周囲の人たちはまだ唖然としているが、とりあえずこの場を離れて
今後どうするか考えねばいかん。
手っ取り早く適当なところに城でも作って名乗りでも挙げてみるのもいいかな?