No,01
窓の外の青々と茂っていた木も、赤く染まり、高校入学してからすでに半年が過ぎたのかと、時の流れを感じていた矢先、頭の上から、教科書が降りかかってきた。
俺はそれを予知していたの如く躱した。
「お前は今日も反射神経がいいなー」
「先生のおかげで鍛えられてます」
「そういうこときいてねえよ いいから授業聞け」
「すんませーん」
と一連の流れを終えた、現代文終了30分前。
いや、90分授業とかふざけてるでしょ。集中できるわけないじゃん。まぁ周りは集中してんだけどさ。
それに現代文の教科書で殴るとかおかしいでしょ。サイズがほかの教科書より大きいんだわ。マジで未来視できてなかったら保健室レベルだろ。
そんなこんなで時間が過ぎ、授業終了のチャイムが鳴った。
「明後日、現代文のノート提出だから、しっかりやっとけよ」
と、現代文の教師の白井進が六割ほど俺に対して告げると足早に教室を去っていった。早く帰りたいのだろう。
それとこっち見ながら言うな。頭のいい奴のノート借りて、しっかり前日に徹夜して間に合わせるから。
ちゃんとやります。
というわけで、ノートを借りる相手を探すわけなのだが、こういうのは女子に借りたほうがいいと昔から決まっているのだ。まず男子の半分はまともにノート取ってないし、ましてや俺の友達なんて、取ってるはずがない。なので、こういう時に借りる相手は女子でなければならないのだ。
といっても、そこら辺の高校から知り合ったような女子に、
「現代文のノート貸してくれませんか?」
などと言うと少し気持ち悪がられる(イケメンはそんなことはない)ので、幼いころからの知り合い、かつ、頭のいい女子を探さなければならないのだ。
しかし、今回は幼馴染と喧嘩しててノートを借りる余裕がないのだ。
え、どうしよう終わったじゃん。前日にもできないじゃん。
こういう時に限って、あの時ちゃんとノートをととっとけばなどと後悔に浸るのだ。
そんな時、一人の天使が現れた。
「学人くん。よかったら、私のノート使う?」
と後ろから声をかけられたので元気よく振り向いた。
後ろに立っていたのは、俺より少し背が高く、学ランを肩に羽織った野郎だった。
そいつはまた雌声で
「学人くん❤」
そして、普通の声で、
「今お前騙されたやろ」
とからかってきた。
一瞬天使だと思った自分が情けない。
いやわかってたよ。うん。普通に。あぁ死にたい。
「まぁでも使うんだろ?ちゃんととってありまっせ」
そういうと、俺の幼稚園からの友達、赤坂守は俺にノート渡してきた。
守はルックスもよく面倒見がいいため、学年全体で結構モテている。学力はそこまでよくないものの真面目である。父親が関西人らしく、守もよく関西弁を使う。
「大事に使わせていただきます」
と礼を言うと、守は、部活動に向かった。
俺は、守とは違う部活動なため部活動が休みの日も違ってくる。そして今日、部活動がちょうど休みだったため、教室に残りノートをとるか悩んでいるところに、妹から電話がかかってきた。
「もしもし、お兄ちゃん、可愛い妹のために、帰りにアイスクリーム買ってきてー あと歯磨き粉切れたからスルハドラックで買ってきてね ポイントカードちゃんと使ってよ バイバーイ」
俺が一言もしゃべらずに、電話を切りやがった。これ電話じゃなくてよくね?と思う人もいるかもしれないが一応、電話にする理由としては、妹的に「お兄ちゃんの声が聞きたいなー」ということだそうなので納得してください。
聞きたいならしゃべらせろよ。
ちなみに妹は可愛いです。
スルハドラックにより、歯磨き粉とカリカリ君を買って、家に着いた。
「ただいまー」
「お帰りーお兄ちゃんー アイス買ってきたー?」
「おぉ買ってきたぞ。ほれ」
「ほんとだー冷たーいって、カリカリ君か。」
「おい、カリカリ君に失礼だろ。」
「せめて100円以上のもの買おうよ」
「この安さが、カリカリ君を支えてる秘訣なんだぞ。お前はもっとカリカリ君に敬意を持ったほうがいい。」
「いや、カリカリ君じゃなくてお兄ちゃんに言ってるんだよ。もういいや」
ほんと、カリカリ君美味しいよね。安いし。高校生のお財布には優しい。
夕食を食べ、お風呂に入り、カリカリ君を食ったので、
勉強……というか現代文のノートを全力で写していた。
現代文のノートって写すの本の長いんだよマジで。いちいち問題、書かなきゃいけないし、答えも答えで長いし、ほんと日ごろのからしっかりやればよかった。
時間は過ぎ、最後のページに突入していた。最後のページを写しながら、今日からからかわれたので落書きでもして返してやろう(※良い子のみんなは決してマネしないでください)と思い、ページが余っていたので、次のページを見てみると……
「本日の夫婦げんかして仲の悪い幼馴染こと紺野めぐりを見た回数!!」
一限目 数学Ⅰ 12回
二限目 現代社会 21回
昼休み 17回
三限目 現代文 31回
合計 82回
どんだけ見てんねんwww
俺はこれを見て二つ思うことがあった、まず計算違うし、81回から書き直して82回になってるけど、81回だから。隣のひっ算の跡は何だよ。そしてもう一つ
いや、お前が俺の事どんだけ見てんねん。
大体こんな感じ一週間から二週間に一回更新していく感じで頑張りたいと思います。
文章のミスとかも指摘していただけると幸いです。