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終わりの時

抗うフォートスと、従えようとするサク。

互いの力がぶつかり合う。

衝撃が起こす激しい風は、周囲のなにもかもをなぎ倒さんばかりだ。


「くっっっっっ」


フォートスの力に押され、サクの足がズズッと後退する。

流れる汗が、右目に入る。

断じてここで負けるわけにはいかない。


けれど……。


サクの体はじりじりと後退している。

諦めることは許されない。許すわけもない。

最後まで……あるいはそれが最期となっても……。


「馬鹿なことを考えているなら、今すぐやめろよ」


ふいに、傍らで声が聞こえた。

杖を持つサクの腕を、体を、支える体がそこにあった。


「そうよ、みんなで帰るんだから」


続いて、その反対側から聞こえた声。

その声の主は、自分の小さな体全体を使うように、サクの体を支えている。

その小柄な体は今にも吹き飛ばされてしまいそうだ。


「カシュールカ! ミイ! なんで来るんだ。早く逃げろ」


「馬鹿を言うな。さっきのミイの言葉を聞いてなかったのか? 一緒に帰るんだ」


一緒に帰る。

そうか。僕はひとりじゃない。ひとりで戦っているんじゃないんだ。


サクはひとつ頷くと、歯を食いしばり、一歩、踏み込んだ。


僕の体は、このふたりが支えてくれる。

この体に残っているすべての力を使えばいい。


「さあ、フォートス、そろそろ終わりにしよう」


フォートスの目をまっすに見据える。

逃しはしない。

おまえの全部を、僕の中へ封じる。


サクは、フォートスへ向けて幕引きの言葉を告げた。

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