表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/60

悪魔と契約

「フォートスよ、我と契約せよ」


 ロークがフォートスへ向かって叫ぶ。

 サクの方など、もう振り向かない。


 フォートスが解放されると同時に放たれた暴力的な光と風によって、周囲は瓦礫の山と化している。

 

 それらに襲われたロークもサクも、もはや立つのがやっとの状態だ。


 それなのに、ロークは自らの状態などまるで気にならないようだった。

 それよりも、目の前に現れた悪魔の姿に、興奮している。

 

 滞空するフォートスは、周囲の様子をうかがっているようだ。


 フォートスを召喚したのはサクだが、契約はしていない。

 そんな余裕も、実力もなかった。


 召喚されたにも関わらず、何年ものあいだサクの左目という狭い空間に封じられていた

悪魔は、今なにを思うのか。


 ロークが、右の指先で空に紋を描きはじめる。

 悪魔を従わせるために必要なそれは、フォートスにしてみれば自らを縛るものに他ならない。

 

 ロークがなにをしようとしているかに気づいたフォートスは、その鋭い眼光をロークへと向けた。


 第二波だけは、避けなければ。


 空に描き終えた紋へ、ロークが手のひらを向ける。

 紋が光を帯びる。

 その向こうには、フォートスの姿。


「契約が終わるその時、我の血の一滴、髪の一本までもそなたに与えるとここに誓う。さあ、我のもとへ下るがよい、フォートス!」


 愚かな。

 

「ツアッシュクロスをもちて、その手に宿る力を封ずる!」


 サクは杖の先をロークに突き付けたまま、短く唱えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ