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李恩「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
李人が男を連れていると
1番最初に頭に思い浮かぶのが俺らの母親だ。
清麗華。
俺らの母親で、容姿端麗。
若作りではなく、年齢よりも若く見られる。
若い男が好きで、常に誰かを連れている
自分のファッションブランドを持ち仕事に遊び自由に生きている。
強女人だ。
李恩「…李人は、どこまでも麗華さんに似ているな…」
この頃特にそう思う。
嫌とかではないし、ダメだとも思わない。
なんだって、母親だ。
遺伝子には逆らえない
それに我が家は、基本オープンだ。
李人がもし、男を連れて来たとして一緒になりたいと言い出したとしてもきっと歓迎するのが我が家だろう。
親父も母も仕事柄美しいものが好きだから
相手への見る目は厳しいと思うがそこに性別は壁ではない。
もちろん俺も、本人同士がそれでいいなら何も言うことはないけど…
家族として、弟として
それでいいのかと…頭が痛くなる問題になりつつある。
幸い、俺ら兄弟は
異性関係や同性関係?にだらしなくない。
親同士は結構自由にしているようだけど、そこは似なかったようだ。
裏に戻り、22時の予約確認をしていると
悠「李恩!李人さん達が来たぞ。挨拶に行くでしょ?」
李恩「あ〜…うん。一応…」
悠「笑 そんな複雑そうな顔しな〜い!イケメンが台無し〜!それに、今回はびっくりするぞ。」
え…嫌な予感しかしないじゃん。
李恩「え…まって、なに?笑えないんだけど」
悠「はっはっは!笑 自分で確認しな〜。02番室にいるから。」
李恩「おい、悠里!…」
爆弾を置いて行くなっ!
だめだ…冷静に…冷静に。
深呼吸して〜…
コンコン…
李恩「失礼します。」
「はい、どうぞ〜」
ん、李人の声じゃない。
ガラガラ…
李恩「失礼します。李恩と、、申します…」
「笑 こんばんは。王偉心と言います。李人の言った通り、男前だね。李恩くん笑」
李恩「…あ、はい。…え。」
なんだろうか…
笑顔が…輝いてる。
なんか眩しいんだが…
李人に似ているが、李人とは違う。
李人以外の男を綺麗だと思ったのは…初めてだ…。
…動揺…してる。