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妄想論

無料と有料と淘汰

作者: とびうお君

 無料と有料じゃ発展が全く違う。多くの人は書籍の様な面白さをなろうに求めると思うが多分上手く行かない。なろうが上手くいってるのは、書籍化を決定する出版者の判断が結果論で大体決まってあまり重要じゃないから。それは原理的に無料と有料の違いを上回る。何故有料と無料は異なるのか?私達は最初から自由な選択をして無いから。


 書籍と言うのは間に出版社と本屋が絡んでいて、アマゾンで買うとまた違う話になる。私達は最初からこの人達によって決められたものしか読んで無いから。商売を考えて特定の作品をこの人達は排除していく。なろうはそれがランキングですべて決定する。多くの人がもやもやした不満が生じる部分で、文化の多様性を保つために読者が決定権を持つ投票作品が残るのは良くないと言うのがある。これはこれで正しい。


 だが、それをチョイスする編集本屋がそのせいで読者が望まない作品ばかり連発したら?ラノベはそれが発生しやすい。これがなろうの書籍化が上手くいってる理由になる。出版社仕事してなくない?書店はまだ良い。出版社は問答無用で作る作品を決めてしまう。編集は無能なのか?ならそれほど無能じゃない。ラノベで一発屋じゃなくてきちんとヒット作品を出せる編集って稀有で天才に近い。もっと言えば、そんな人いないと思ったほうが良い。奇跡の様な人がせいぜい10年20年でしかその冴え渡るカンが生きないと思う。


 何故ラノベは作家が短命なのか?それが編集だとちょっとましなぐらいでやっぱり作家と同じように賞味期限がある。それは根本が若者向けだから。世代間で感性がずれるから。そもそも創作活動はピークが短い。その短さをさらに短くする年を食って活躍するラノベ作家はあまり居ないと思う。編集も当然同じことが起こる。基本ラノベで狙ってバンバンヒット作を作る事は人間には不可能に近いと思ったほうが良い。天才って言ったのは、ほんの一部なら居るんじゃないか?ってことで大半の出版社の判断でプロの仕事になってない。だからなろうの素人の多数決に負けてしまう。


 じゃ無料が絶対に強いじゃないか?って言うとそうでもないんだわ。創作全般と違ってラノベは出版社がまともに選ぶ仕事が出来て無いからたまたまそうなってるだけで、ラノベ以外ではきちんと機能してる。それがなろうの不人気ジャンルの供給側の問題でもある。素人しか残ってない。1軍はすでに出版社が選んでる。


 無料の選別は甘くなるんだわ。最初から作られないって強烈な淘汰が無いから無料はそれほどでもない作品が残りやすい。そもそも以前も私が書いたが、ランキングは出鱈目がかなり混入してる。だからなろうは本来淘汰されるはずの作品が何の意味もなく残りやすい。作品の発展って意味でなろうは進化しにくい。


 代わりに出版社に選ばれないから消えてしまう作品の中で拾い上げる作品のおかげでなろうは読者のニーズに答えてると思い込みやすい。だがそれは出版社の編集が選ぶ仕事が出来ないからで、無料ゆえの淘汰圧の緩さとは関係ない。無料は悪い遺伝子のようなものが蓄積しやすいような生存競争だと思って欲しい。


 種の起源においてのダーウィンの自然選択と育種家の選択の話を見て欲しい。無料によるなろうのランキングは自然選択による選別になる。大して有料ラノベは育種家の人為的な選択と同等になる。進化にしっかりした方向性がある。サバイバルはそれほどしっかりした選択は行われない。サバイバルにおいて最も重要なのは確率的な出鱈目で運が大きい。


 もし編集の選択の方が効果的なら有料の選別は無料とは比較にならない洗練された物語の進化を促す。全員参加のランキングによる淘汰ってなんとなく選別してるだけで、人為的選別に較べると生き残る理由に明確なものが弱い。そしてそれは長期間になるほどより顕著になっていく。


 他にもある、これは編集という人為選択じゃない。むしろこっちが主題かも。淘汰圧が強い。読者の選別が強烈。無料だから読むってのを多く人は体験してると思う。もちろん自分の大切な時間を使うから皆選択はシビアで有料に近いものになる。だがそれはどっちも自分の大切な時間を使うのは同じ。無料でも読者の淘汰圧は有料に近くなる理屈。それでも完全に一致しないのは金になる。


 無料だから楽しめる時間だったけど、わざわざ金払ってまで見たいものじゃないって刺激がある。なろうはこれを選別できない。本来売れないから作られない作品がどんどん創られる。そもそも編集の人為選択って主観的な部分も多いけど基本は金になる。売れないものは作らない。データによってそういったものをフィードバックして反映していく。本に関わらずどんな商品でも同じ。これによって読者の選択と編集の選択が時間差があるがある程度重なる。


 有料ゆえの強い淘汰圧が掛からないから、読者が飽きてそっぽ向くのが弱いんだ。それがテンプレ氾濫にも繋がってると見てる。じゃ何故未だになろう書籍化は盛んなのか?単純になろう作家以外の他のラノベがあかんすぎりだけだろ?って見てる。なろうはそのうちもっと失敗しても可笑しくはない。悪い遺伝子は時間が経つほどたまるから。


 多くのなろう作家はランキング上位になる事しか考えない。そのランキングに書籍化を狙ううえでは意味がなくなってるのに気が付かずに。すぐには出版社も気が付かない。でもやがてはこの無料ゆえの悪い淘汰圧の緩さゆえ、ランキングが内輪受けになってるなと気が付いたら多分書籍化やめる。今やってるのは、大判にして数売るより一冊辺りの単価で儲けるやり方をしてるからだと見てる。そのせいで顕著な悪化になってないだけかと。


 やがては無料ゆえの有料では通用しない刺激=遺伝子がたまって、次の流行を生まないとなろうは商品としては使い物にならなくなる可能性があると見てる。

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