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「まぁ、一言で言えば逆ハーレムを築いて頂きたいのです。」
開口1番目の前の美少女2はまた意味不明な事をのたまう。
「は?」
「失礼しました。
説明がまだでしたわね。
今現在、この世界は悪意に満ちています。
1人の光属性の持ち主によって。」
美少女2が言うには、この国には遥か遠い昔からの神話があるという。
それは、この世界に悪意が満ち溢れた時に異なる世界から光を従えた聖なる乙女によって悪意は祓われ、共に旅に出た救国の英雄と結ばれ、そして治める2人の元、永遠の平和が約束されるというもの。
まぁ、いきなり壮大かつ抽象的すぎる話しを聞かされてこれまた返答に困っていたところに
「あんなオンナに聖なる乙女の座もこの国の中枢の座も渡せません!
あんなオンナに渡すくらいならどこの馬の骨とも分からぬ、、、
い、いえ、異世界から転生された方にこの国をお任せしたいと常々思っております事よ!」
「あーっ!」
美少女2の話しを聞いていて気づいた。
違和感の正体。
それは時々出てくる転生という単語。
私には高校生という前世がある。
それはあの草原で思い出した、という事になっているけど、それ以前の記憶がない。
転生ってアレじゃないの?
幼い頃に高熱出したりとか、頭をどこかにぶつけたりとか、運命の王子さまに出会って突然思い出したりとか。
それらの王道要素が私には何もない。
「そ、それは運営がザルなだけで、、、」
突然俯いて呟くその言葉はハッキリ聞こえなかったけど、多分ロクな事じゃないと思う。
「ま、まぁ、そんな事は置いておいて!」
と美少女2に強く言い切られて話しを無理矢理元に戻された。
最初はやっぱり逆ハーレムがどうとか騒いでいて、それはどういう事かを辛抱強く何度も聞いていたところ、まぁ、なんというか、やっぱりというか、美少女2の乙女らしい1面が垣間見えた瞬間だった。
「お慕いしております殿方が、、、。」
顔を真っ赤にして俯く美少女2。
おーおー、耳まで真っ赤かだよ。
素直になると案外かわいいじゃないかね、この娘。
その殿方は美少女に懸想してるらしい。
あの光の令嬢とか言われる美少女に。
その殿方を正気に戻すために光の令嬢の鼻っ柱をへし折ってくれ、というのが美少女2の願いとの事。
「とりあえず、何すればいいの?」
「それはもう、学園生活ですわよ!」
は?