表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/35

X.ステラ:10年前

 西女神領では、伝統的に女神には霊獣能力を引き継がせないこととなっている。

 なので、女神の寿命は通常の人間と同じで50年から長くても70年程度。

 もう現女神もずいぶんご老体で、次の女神候補が決まったらしい。


「この子の名前はペネロペ、今日から君に彼女の世話を任せたい」


 男性に連れられてきたのは、まだ5歳くらいの少女。

 蜜色の肌に、まんまるな瞳、人見知りなのか男性の後ろに隠れている。


 私の次の任務は、次期女神様の教育と護衛だった。


「非常に重要な任務だ、率先して西女神領のために尽くしてきた君だからこそ頼める。任されてくれるか?」

「はっ! 心して承ります!」 


 復讐のことなどほとんど忘れ、淡々と任務をこなしてきた私に舞い降りた絶好の機会。

 ここで、次期女神の信用を勝ち取れば、女神の力を引き継いだのち、たやすく復讐を達成することができるだろう。

 護衛も何も関係ない、触れられるほどそばまで近づけば相手は何の能力もない少女だ、たやすく息の根を止められる。


 もう忘れかけていた復讐心が、沸々と滾ってきた。

 いや、憎しみによる復讐、と言うのはしっくりこない。

 使命。そうだ、使命だ。

 これは、私の使命。私の感情など関係ない。

 必ず、達成しないといけない、私の使命――。


「お姉ちゃん」


 男性の後ろに隠れ居ていた少女は、一歩前に出でてきて、私の顔を覗き込んだ。


「よろしくの!」


 無垢な笑顔が、私に向いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ