3話 訓練
魔宝技の自主訓練が可能になった翌日、エリーヌはまだ陽も登らぬ薄暗い朝から誰もいない室外訓練場で魔宝技の練習に励んでいた。
昨日言葉を適当に唱えても魔宝技が発動したのをみて、魔宝学で得た知識は間違っているかもしれないと考えた俺は、ロールプレイングゲームの知識でスキルなどを使えば熟練度が上がり効率が上がるなんてものを知っていたのでエリーヌに魔宝技を酷使してもらっていた。
この世界でHPとMPをミックスしたものとされている体力の向上がみられるかもしれないと思い、試してもらっているとも言える。敵を倒すことでレベルアップのようなこともあるのでは?とも考えたが現状だと何かと戦うことは無理であろう。なので、魔宝技の訓練に励んでもらっているわけだが目に見えて効率が上がるわけでもなく、一週間から一ヶ月程度のスパンは様子見しないといけないのかもしれない。
試行錯誤だが、エリーヌの英雄のような騎士になりたいという目標に助力すると決めた慶太は色々と考えてみたのだ。
それと今朝から気付いたのだが、エリーヌと五感をほぼ全て共有していた。何のために五感を共有しているのかは分からないが、五感を感じることができるだけでも今の慶太にはありがたいことだった。ただ訓練中の疲労感や痛みなども若干共有してしまい少し辛いのが欠点だろうか。
やがて疲れ果てて地面に腰を降ろしたエリーヌにふと無詠唱などはないのかと尋ねてみたところ、魔宝石のダイヤモンドでならできるとのこと。しかし、この世界の知識が間違っている可能性を感じていた俺は試してみる価値はあると思った。
(最初は水にしてみよう。水…水滴…水玉。)
イメージをじっくり固めて目の前に水があると思い込むほどに妄想してみるが水は発生することはなかった。
次は慎重にエリーヌが魔宝技を使うときの感覚を順に思い出してみる。
(確か…先程は魔宝技で発生させたものに全身から何か力を吸い取られるような感覚だった。)
(うーん。献血の感覚に近かったかも…。)
エリーヌに人差し指を目前に出してもらい、まずは全身の血液を指先に送るようにイメージしてみる。
トクン…トクン…トクン…トクン…。
若干早いエリーヌの身体の鼓動音が聞こえる。鼓動を感じながら目の前にある指を見つめ念じる。
(水…水…水…。)
シュッ!と小さい音を上げた瞬間、エリーヌの指先に拳大の水の球ができていた。
『おっ…!?』
驚いた途端に、水の球は地面に落ちてパシャッと音をたててしまうのだった。
『…できた?今、言葉をしゃべってなかったよね?』
「ええ。何も言っていないはずですよ。」
理屈は分からないが無詠唱に成功したようだ。
再び同様に試してみると水は出るのだが、すぐに地面に落ちてしまう。
(何かが足りないんだろう…。水を出したあとに力の方向だろうか…。それとも、最初から攻撃することも考えて出さないと駄目なのだろうか。)
また同じように指先に水を出してから横へ移動するように念じる。すると水はゆっくりと横へ動いていく。
(一つ目で成功とは俺凄いな!試しにもう一つもやってみよう。)
今度は最初から水が飛んで遠くに行くようにイメージしてみる。すると水が現れたかと思うと鉄砲弾のように飛んで行き、壁に当たって水は弾けていた。
(あれ………どっちでもいけるじゃないか!)
早速エリーヌにイメージ方法を伝えると彼女は息を整えて集中する…10分程度待つとエリーヌの指先にビー玉のような水球が現れた。
「えっ!…次は!」
水球は指の周りをグルグルと回りだす。
「ちょっとイメージが難しいですね…。慣れれば大丈夫そうですけど。」
『まだ上手くないにせよ俺たち無詠唱を習得したんだぜっ!!ダイヤモンドがなんだ!そんなのクソ食らえだっ!!ハッハッハッ!!!』
無詠唱を習得した二人――慶太は楽しそうに、エリーヌは驚きの表情を含みつつ笑い合う。
「そういえば普通に魔宝技を使うよりも疲れていないかもしれません。」
『えっ!?マジ?』
慶太が驚いたのも、彼が知っているゲーム等の知識で無詠唱というものは高等技術ゆえに燃費効率が悪かったりするものだったからだ。
まず、無詠唱と詠唱の違いを考えてみることにする。言葉を口にするかしないか、無詠唱は水の動きをイメージしないとすぐに落ちてしまったが、詠唱時に出した大量の水は空に止まったままだった…浮力などの本人が想定していない付加効果がついていたのかもしれない。
そう考えると無詠唱は手動で、詠唱は自動でなんらかの効果が出ていると考えてもいいのかもしれない。
例えば車、前述の考えを当てはめて無詠唱をマニュアル、詠唱をオートだと仮定したとして、HVなどが横行する現代社会では、街乗り程度での燃費効率はMTよりATやCVT(無段変速AT車)の方が上だった。それはプロのドライバーが乗ったとしても変わらないかもしれない。
若干古い年代の車や、運転状況と車種によりMTの方が燃費が上だったりもするらしいが…。
ではオート機能の付いているロールプレイングゲームで考えると、マニュアルは敵のHPや弱点とスキルの威力や燃費などを考慮して自分で細かく行動することが可能だが、オートは作戦やスキルを設定するとMPが尽きるまでスキルを連打するものが多かった。戦闘後に回復するから問題はなかったのだが…こちらもプログラムなどが進化すればオートの方が優れる可能性はある。
二つの例から、詠唱時の言語がプログラムのようなものだと仮定するならば、現在使っている言葉は燃費効率の悪いもので、もっと優れた言葉もあるのかもしれない。
試行錯誤して探すのもいいだろうがそれはゆっくりとやることだろう。そう考えて現時点では無詠唱の方が利点が多いことに納得することにした。
そのままを練習をしていたら授業の時間に遅れそうになり、急いで教室へ走るエリーヌであった。
――早朝から魔宝の訓練に励んでいたエリーヌは午前の授業で瀕死の状態であった。
1限目の騎士道…騎士の道徳のようなものと、2限目の古文学…その言葉通り古代文字らしいものを学ぶ二つの授業は室内で良かったのだが、3時限目がよりにもよって体力強化訓練の時間で、内容が長距離走であったのだ。晴天の暑い陽差しが照らす日に学校のグラウンドを延々と走らされており、朝食も抜いたせいか空腹も重なり体力の限界も近かった。
ふと視界に映る光景を見ていると男子生徒だけこちらを凝視して変な体勢を取りつつ走っている。エリーヌの状態を見れば、びっしょりと汗をかいて体操服が透けて下着が見えており、おまけに大きな胸をぷるんぷるんと揺らしているのだった…。
これを見て慶太は男子生徒たちが前屈みになって何ともいえない走り方になっているのに納得した。
『これはある意味魔宝技であろう。対男子専用だけど…。』
走り終わったエリーヌは地面へ仰向けで倒れると息を荒々しくしているが、慶太には少し気だるい位にしか感じられない。共有されている空腹感や疲労感はかなり緩和されているか、または一定以上の感覚は抑制されるのかもしれない。
『それにしても…クラスは男子ばっかりだし…。もっと女子の乳や尻を眺めたいぞぉ…。』
慶太は思わず愚痴を漏らす。彼は勉学に励む少女たちで目の保養を行おうと思っていたが、エリーヌのクラスは男子比率がとても高かったのだ。
男の尻を見て楽しめるのはアランのようなホ○だけだ。
暫く横に倒れているとエリーヌの乳が凄いことになっているのか、視界に映るオーバン先生や男子生徒たちは顔を赤くして授業が終わるまでチラチラとこちらを見ていた。
女子生徒については顔を背けている者が多い。エリーヌという存在はそれほどにエロスなのだろうか…。
強化訓練の授業を終えるとそのままの格好でリーズを連れて食堂へと急ぐエリーヌであった。
エリーヌが昼食を食べているとやけに視線を感じる。リーズも少々困った表情をしていたが何と言っていいのか分からなそうだった。
「エリーヌさん!?なんてはしたない格好をしているんですの!」
食堂に訪れたベルティーユが、エリーヌの姿を見るなり驚いた顔をして注意を促す。
「えっ…?」
『えっ?何??どういうことなの。』
状況が把握できないエリーヌと慶太は困惑していた。体操服のまま食事をすることがそんなにはしたないのだろうか?
俺は、この世界の常識を知らないし何とも言えない。エリーヌにも分からないのかベルティーユにその理由を尋ねていた。
「え……気付いていなかったのですか?…さ、さすがに人が多い所でわたくしがそれを口にするのは恥じらいの心が邪魔をして…………。」
恥ずかしそうな表情を浮かべ、右手で髪を弄りながら身体をモジモジさせているベルティーユ。
(可愛いじゃねえかこの野郎!…野郎じゃないか。)
「やっほ~!フラヴィ号がただいま到着だよ~。」
そこへ、フラヴィが颯爽と現れてエリーヌに衝撃に事実を語ってくれた。
「あれ~エリーは何で下着姿なの?痴女に目覚めたの~?」
慌ててエリーヌは自分の格好を確認する。上半身はちゃんと体操服を着ている…問題ない。その下は…胸で見えない…ので少し前屈みになってみると穿かれているのはピンク色の下着――パンツだったのだ。
服の締め付ける感覚でブルマーのようなものを着用しているのかと思ったのだが違ったようだ。
エリーヌは数秒固まっていると急に顔を真っ赤にして駆けて行く。全速力で駆けて行く。
――――脱衣所へ。
(やったねエリー!男子生徒たちの今日のオカズは決定だよ!!!)
――着替えてから食堂へ戻るもまだ視線を感じていた。下着姿で飯を食っていれば印象に残りもするだろう。
俯きながら早く食事を済ませフラヴィ、リーズ、ベルティーユの三人に断って先に教室へ戻る。教室に戻ると男子生徒などはこちらを見て顔を赤くしているが、エリーヌは思い出さないように机に突っ伏して不貞寝していた。軽くトラウマになっているのかもしれない。
午後の授業が始まると4時限目は魔宝学のようだ。役立った知識と言えば資料館に古い魔宝技の行使方法の載った本などがあるらしいとのことだろうか。後に資料室に調べにいくのも良いかもしれない。
あとは、エリーヌが以前語っていた人間が戦っている化け物は通称"アグリエネミー"というらしい。エネミーは敵だろうけどアグリって何だろう。
続いての授業は魔宝技のようだ。授業が始まりグループに分かれると初日に目立ってしまったせいか副指導員であるカロルに酷使されてしまう。
「じゃあ、火を出してみろ!」
昨日の失敗が若干心に残っているが、今度は単純に火をイメージして出してみることにする。すると軽自動車くらいのサイズの火の球が浮かび上がり、若干緊張していた俺はほっと肩を下ろした。
「次は風だ。やってみろ!」
(連続はちょっと厳しすぎやしませんか!?でも頑張るよ!でも風はどうやって他人が確認するの?)
そう思った俺はエリーヌを尋ねると標的をどうにかすればいいだけらしい。
(それって見えなければ他の効果でもよくないですか?いい加減すぎる!!!!)
心の中で叫びながら"エアアロー"と大人しくエリーヌに指定された言葉で詠唱すると標的を粉々にして吹き飛ばして一安心。
(イメージは適当にやったはずなのに、威力が凄い!精神的に子供な俺は"子供は風の子"と云わんばかりの風の申し子なのかも。)
「次は土を出してみろ!」
(おいおい…まだかよ!!それにしても土って地割れとか起こしたりするものじゃないのだろうか…。)
適当に土をイメージして"アース"と叫ぶと目の前に大量の土砂が球状で現れて空中で浮かんでいる。
辺りの地面から土を吸い寄せた形跡もなく、どこから出たのか分からない…質量保存の法則や等価交換等の法則は無いのかと気になったが、どこかから召喚したのだろうと無理やり納得しておく。
そのまま放置していると土は地面に落ちて山となっていた。無詠唱のときと違って若干のタイムラグがあるのかもしれない。
「まだまだいけそうだな。雷を出してみたまえ。」
『もしかして、エリーの限界までやらせる気なのだろうか…。』
呟くとエリーヌは別に気にしなくて良いとのことだ。仕方なく梅雨時期によく見た巨大な雷をイメージしてそれを最寄の木に落とす。木は裂けたと同時に火に包まれてしまった。
「できれば用意した標的を狙って欲しいが…まあ良い。次は光を出してみなさい。」
『光を出すってそのまま太陽みたいなのを出せってことだろうか…それとも攻撃に転じれば良いの?』
抱いた疑問をエリーヌに再度聞いてみると「どちらでもいいですよ。」とのこと。
巨大なレンズを想像し、集めた太陽光で火をつけるように標的を照らしてみるイメージを固めて魔宝技を発動すると眩い光が標的に降り注ぐと木製の標的は瞬時に蒸発した。
(なにこれ…超危険じゃん…。光怖い…。)
「…すご…。ああ…何でもない。次は闇を出してみろ。」
(…え!?闇って…光がないだけじゃないの?)
再度エリーヌに尋ねると「好きにやっていいですよ。」と優しく諭された。もう自棄気味に辺り一帯の、全ての光の波長を遮断するイメージで発動してみると。何もない真っ暗な空間になってしまった。しかも少し寒い。
「お、おい…。何も見えないぞ。…か、解除してくれないか。」
俺もエリーヌも解除方法なんて知らんよ!ということで「す、数分待ってください。」とエリーヌに言わせてしまう事態になったのだった。
その間"ライト"とか光っぽい魔宝技の詠唱も聞こえていたが光に照らされることは一切なかった。
真っ暗の空間から開放されるとカロルは堰をゴホン!とワザとらしくたてる。
「今迄エリーヌにやってもらったことが、このグループで基礎となる赤光系の魔宝技だ。多少応用の入ったものもあったが、それぞれのイメージでやってみてくれ。」
カロルは生徒たちに告げると黒子のような活躍をする用務員さん達が用意した新しい標的に生徒たちは嬉々として魔宝技を放ち始める。
それを見届けてからカロルがエリーヌに歩み寄ってきた。
「あれ程の魔宝技を酷使させたのに一つも疲れていないようだな。」
この女性はやはり確信犯だった。
エリーヌは少し拙いと思ったのか「少し疲れていますよ。」と言い訳をしている。演技が下手糞なのでバレバレだろう。それから他愛もない会話を少々交わしてからエリーヌも詠唱を行う訓練に励んでいた。
授業を終えて放課後になるとエリーヌたちの教室に、ベルティーユとフラヴィに…フラヴィについてきたのか知らない娘も一人がやってきた。
「早く終わったから来てみたよー。えっと、こっちのフレちゃんは私と同クラスで昨日から友達になったんだよー。ちょっとツンツンしてるけど根は良い子だからよろしくね~。」
フラヴィはさりげなく新しくできた友人を紹介するが自己紹介になっていない。
「ツっ、ツンツンなどしてませんからっ!…わたしはフレデリーク・ラプノ・ル・リスレ・ジルベールよ。…べっ、別に仲良くしてくださらなくとも…結構ですからねっ!」
そう名乗った彼女は、は緊張しているのか顔を真っ赤に染めながら噛みまくっていた。目が泳いでいるのが少し気になる。フレデリークはエリーヌより少し高い程度の身長で、ウェーブのかかった赤色の長髪に高そうなバレッタのようなものをつけている。
「私は…リーズ。…よろしく。」
「私はエリーヌ・ジェスタといいます。よろしくお願いしますフレデリークさん。」
「わたくしはベルティーユ・ルノー・ヴォルテーヌですわ。フレデリークさんは姓があるということは貴族ですの?」
フレデリークに対して3人は簡単な自己紹介を交わす。
「ベルっちの言う通りフレちゃんは辺境伯の娘さんだよー。偉いんだよ~。ぬふふ。」
ベルティーユの疑問に答えたフラヴィが、彼女自身のことでもないのに偉そうな表情をしながら小さな胸を張っていた。
『爵位なんて言われても、どのくらい偉いのかわからないよ…。偉いってだけ判ればいいのかな。』
エリーヌが頷くと慶太はとりあえず偉い人と脳内に記憶しておくことにした。
「フラヴィの言う通り私の父は辺境伯です。…こっ、こうして友人になってあげるというのですからありがたく思いなさいよっ!」
透かさずに呆れた顔をしたフラヴィが付け加えるように告げる。
「あ。うん。そういうのはいいから~。余計なことを言って嫌われちゃう性分みたいなんだよねー。」
フレデリークの言葉にフラヴィが一言添える。そのことを聞いたエリーヌとベルティーユとリーズの3人は、はははと苦笑いを浮かべていた。
「そういえば、先程の授業中に真っ暗になりませんでした?」
突然のベルティーユの一言にエリーヌが身体がビクッと反応してしまう。
「暫く何も見えなくなったねー。おかげで訓練中に騒げたよ~。」
「こっちも…外にいたけど…真っ暗になった。」
「数分は真っ暗だったわね。武術訓練中だったから軽い怪我人が出てたわよ。」
「皆さんもなりましたのね…こちらは授業が中断になって散々でしたわ。」
そんな4人の会話を聞いたエリーヌは困った顔になった。周辺を暗闇にしたのは授業中に慶太が行使した魔宝技の一つで起きたことであり、慶太が起こしたことは自分の責任でもあるからだ。それに、エリーヌ自身も慶太が魔宝技を行使するのを一切止めることはしていない。
「す、すみません…。授業中に私がやりました。」
申し訳無い顔をしたエリーヌは4人に深く頭を下げて、心の中でも謝罪する。すると4人は顔を見合わせて、先程まで友人の起こしたことに好き勝手な口調で語っていたことに動揺していた。
「え、えっと皆さん。明日は休日ですから、皆さんでどこかへ出掛けません?」
雰囲気の悪くなった場の話題を変えるようにベルティーユが告げた。明日が休日というのは初耳だ。
「はい。私は大丈夫です。行けますよ。」
気を使ってもらったことに気付いてか気付かぬままなのかは分からぬが一目散に笑顔で返答するエリーヌ。
「奉納祭もあるみたいだし祭りを見に行きたいかも~。」
「祭りは賑やかで苦手ですが…露店などが沢山出店するのが楽しいですわよね。」
何やら楽しそうな顔をしながら参加表明をするフラヴィ。それに言葉を返すベルティーユ。
「私は…寝たいかも。でも…行ってもいい。」
眠そうな顔をして答えるリーズ。まだ授業内容に慣れておらず疲れているのだろうか。
「わたしは暇じゃないわよ。でっ、でも皆がどうしても一緒に来て欲しいっていうなら…行ってもいいんだから。」
顔を赤くしてチラチラと皆を見ながら告げるフレデリーク。相変わらず素直にものを言えない様子だ。
満場一致で決定のようで、5人は明日の予定を話し合う。フレデリークは一人部屋らしく明日の朝食時に食堂で合流しようということになった。
それからエリーヌは魔宝技の訓練に励みたいということで、寮へ向かう4人とは別れることになった。途中にフレデリークがエリーヌの魔宝技を見たそうな顔をしていたが、他3名に「今は危ないから」と止められていた。友人なのに少し扱いが酷い。
その日、エリーヌは暗くなるまで訓練を続けていたのだった。
サブタイトルを考えるのが面倒になってきました・・・。単純に話数でいいのかな。