最終話
さようなら、大好きな人たち。
最後まで 最期まで ほんとに大好きだったから。
でも ごめんな。
やっぱり最期まで お前ばっかを思ってたよ。
一緒にいたいって思うことの もしも何かがいけなかったなら。
残酷だよナァ カミサマ。
天使になんて なれねーけど。
この空を飛び回って。
お前が呼んだらすぐに駆けつける。
永遠のヒーローになりたい。
たった一人 お前だけの。
この目が見えなくなっても この耳が聞こえなくなっても。
お前の笑顔は忘れないから。お前の声は思い出すから。
この身に実体がなくなって、抱き締める腕をなくしたとしても。
ずっとずっと お前だけを思い 想い続ける。
こんな人間離れした感情、生きてたら絶対味わえねーよ。
生きてたら、生きなくちゃいけないから。
お前一人の存在で、笑ってられるわけじゃないから。
でもさ、でももう俺、食料もいらないし。
世間体気にすることもないし。
勉強しなきゃなんないわけじゃないし。
将来とか考える必要もないし。
病気にもならないし眠ることもないから。
だからお前一人の存在で 笑ってられるよ。
お前も笑っててよ。
俺って嫉妬深いから、許せるかどうか分かんないけど。
俺じゃない誰かの隣で 楽しそうに笑っててよ。
幸せだって言って。
…あー、やっぱちょっとムカつくかも。
…うそ、うそ。
お前が笑うと 俺も嬉しいから。
未練なんてないよ。
…とは、やっぱちょっと言えないかなー?
いや俺ヒーローだからさ、ぜってー口には出さないんだけど。
新発売のお菓子とかまだ食べてないやつあるしさ!
アイスの季節も待ち遠しいし。
ゲームだってまだクリアしてないのあるし。
バイクだって全然乗り足んないだよな!
あとあと、…あと。
もっと一緒にいたかったな なんて。
言ったらお前、なんてゆうかな。
ほんと、ヒーローなんかじゃないよなぁ…。
守ってもやれないくせに、一緒にいてもやれないくせに。
ただ最後まで かっこよくありたかったなんて。
なぁ?一番の心残りは、お前との時間の後に死んでしまうことだよ。
お前、自分のこと、責めないでな。
お前とのデートの帰りにさ、お前のこと思いなが事故にあったなんて、俺にとっちゃ誇りなんだけど。
でもお前にとったらこんな気持ち、重いよなぁ。
ね、俺、バカだからさ。
他にどんな幸せがあるかもしらないで、お前を本気っ好きになれたことを 世界一の幸せだって 思えちゃうんだ。
だから絶対に、お前のせいじゃないよ。
何度繰り返しても 俺はお前に出会う道を選ぶ。
例えまた苦しんで死ぬことになっても。
だから責めないで。
お前はお前を責めないで。
“世界中が哀しみの涙に溢れていても 僕は君のためだけに 笑い続けよう”
なーんて、一緒に行こうって言った、どっかのヒーロー映画のウリウケ。
あり、ウケウリだっけ?
ウリウリ?ウケウケ?
うーん、国語苦手ー。まぁ良いや、うん。
三村和俊。
えーえんの、ヒーローになりにゆきます!
見守ってる。
お前達は。
お前は 生きて。
いつでも笑ってるから。
いつでも笑っててな。
お前の幸せが 俺を幸せにする。