表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HERO  作者: 沙里音
1/15

第一話

 



どんな時も笑ってた。


どんな時も笑っててほしかったから。



やべ、マジで俺ヒーローみたいじゃね?












「合コン?おー行く行く!」 




気ままに行った合コンで、俺は“うんめーのであい”をした。 



合コンって言うよりは、三組でデートって感じだったかも。

三対三。

でももう裕弥と耕介は相手決ってたし。




余ってるのは俺とー…あと、合コンとか あんまやんなそうな女の子。




ちょっと冷めたような横顔。

なんか初々しい雰囲気。




まぁはっきり言えば、一目惚れだった。




「俺三村和俊、よろしくー。」


「あ、うん、よろしく。」




って言っても、かわいーなって、そんな程度。

そんなもんじゃん?恋愛って。




「えーそっちの名前はー?」




 

少なくとも今までの俺はそうだった。

 

別にそんな、かなり本気になることなんてなかった。

ナイフ向けて手放せって言われれば、ためらいもなく手放せるような、そんな。




「あぁ!えっと、山下香澄。」


「ぷははッ!」


「え?何で名前ゆって笑うの?」


「や、ギャップがさぁ!あはは!」


「ギャップー?」




あーなんかおもしろい!

天然?




「だってさぁ、ダルそうな顔してっから冷めてんのかと思って。」

「えぇ、ダルそうな顔してた?」

「うん してるー。」


「え、今も?しつれーだなー。」


「あはは!」




こーゆーノリ、いいな。

初対面の感じしない。


や、あるんだけど。他の男とか女でも、よく。



でもなんかー、うん、なんか、いいな。




「ねぇ、アドレス教えてくんない?」


「えっ。」


「“え”ってゆうの四回目ー!」


「え、数えてたの!?」


「ぎゃははっ、五回目ー!」


「もう、」




何かかわいー。

今まで俺の回りにいなかったタイプ。 



あんま男慣れしてなさそう。






アドレス教えてもらって、それからけっこう連絡取るようになった。

映画とかボーリングとかカラオケとか、当たり障りのないとこに良く行った。


一緒にいたら楽しかった。






「好きんなっちゃったんだけど。」




告白したのは、なんつーか、悪く言えばナリユキ。


嘘じゃねーし。 

ほんと好きだし。




「てゆーか、ずっと好きだったんだけど。」




上目遣いでゆってみる。


落ちろ!




「う、ん。」




よっしゃ!!




「うん、あたしも、好きだった。」






そんな、どこにでも有り触れてる恋愛。


俺だってそれなりに恋愛経験あるし。

なのに、何か、それはまるで初恋みたいな恋だった。




嬉しくて、思いっきり抱き締めてしまった。



「ちょ、痛いって三村くん。」


「かずとし!」




ぎゅーって、離してなんかやんない。




「…痛いよ、和俊。」






あー、これを 愛しいってゆーんだ。




高校二年の秋。


“アイ”って言葉のほんとの意味を 初めて知った。




純粋に傍にいたいと思った。


純粋に笑ってほしいと思った。


純粋に何かしてやりたいって。




幸せにしてやりたいって 思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ