プロローグ
小3の時に母が車に轢かれて亡くなった。父は仕事で忙しく、帰りの時間が日を跨ぐのは当たり前。なので、家事は協力してやっている。調理担当は僕。洗濯は姉の海、掃除は妹の華が担当している。なので、特に苦ではなかった。
父は忙しいが、休みの日には僕たちをどこかに連れて行ってくれた。とても優しい父だ。母を亡くして、1番悲しいはずなのに、仕事も子育ても頑張っている。そんな父は僕の誇りだ。
これからもこんな生活が続くのだと思っていた。
しかし、運命は残酷だ。
「凪はどう思う?」
「どうも思わないかな。それよりも、幸人は歩くのが遅いから、少し早く歩かないと練習遅れるよ」
「はいはい」
僕は小1からバスケを始め、中1になった今、部活とクラブチームを両立している。
幸人は幼馴染で、付き合いも長い。また、同じクラブチームに通っている。
「そんなに俺歩くの遅い?」
「そろそろ自覚して。幸人はある____」
突如僕のスマホに電話がかかってきた。
「ごめん、電話かかってきた」
父からだ。珍しい。
「はい、もしもし」
『もしもし、警察の者なのですけれど、冬麗凪そんで間違いないでしょうか』
「はい、冬麗凪です。どうして警察の方が?」
『単刀直入に言います。貴方の父が事故に遭いました。現在、救急車で搬送中です。至急、来て欲しいのですが』
「わかりました。すぐに行きます」
父が事故に。また、いや、落ち着け。まだ生きてる。
「幸人、父が事故に遭ったから後はわかるよね?」
幸人は賢い。ここまで言えばわかるはず。
「分かった。コーチには伝えておく」
流石だ。
「ありがとう。自分からも伝えるけど、お願い」
「任された」
そうと決まれば、まずは
『もしもし、凪どうしたの?』
僕は走って駅に向かいながら海に電話をかけた。
「海、父が事故に遭った。だから華と一緒に病院に来て。場所は送っておくから着替えなどをしてて。僕は先に行っているから」
『りょーかい』
これでよし。後は向かうだけだ。
着いた。病院は僕がいた場所から、電車で一本のところだ。
病院に着き次第、警察に案内された。案内に従って行くと、ベットに横たわる父がいた。
心臓は止まっているようだ。つまり死んでいる。
医者の話を聞く限り、父は搬送する途中に心肺停止したらしい。
少しして、海と華も病院に到着した。
2人とも泣いている。しかし、僕は泣いていない。普通に考えると僕がおかしい。だけど涙が出ない。
「姉さん、華、遅いから帰ろう。明日も学校あるし」
「「うん」」
明日は家族会議だな。
僕はそんなことを考えていると
「凪くん!遅くなってしまいすまない」
「こんばんは秋元さん」
「どうしても凪くんに渡さないといけないものがあってね、これを君に」
なんだ?封筒?もしかして、これは
「ありがとうございます。あの相談があるのですけど_____」
僕は秋元さんに伝えたいことを伝え、姉さんたちを追いかけた。
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