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中学生ボクサーの日常  作者: まっつん
1/2

中学生なりました

 

「早くいこう、トモはマイペースやなぁー」


ショウは二卵性の双子の兄、トモに話しかけた。


「あぁ、ちょっとまって靴履くから。」トモは呟いて、二人は中学校に行くためにゆっくり歩き出した。


二人の通う中学校はヤンキー漫画みたいなことはなく普通の中学校。もちろん暴走族もいない。バイクも乗らない、盗まない。窓ガラスも割れてないし。校舎に落書きもない。


地域の3つの小学校から集まってくるのが二人の通う東中学校だ。


ちなみに二人の出身の小学校は一番人数が少ない。



クラスにやんちゃな子達はいるが、ちょっとマウント取ってくるくらいで可愛いものだ。



入学してまだ間もない二人はそんな中学校生活を楽しもうとしていた。



学校につくとショウはトモと別れて自分のクラスに向かった、

ショウは1組、トモは6組だ。



「おはよう!」大きな声でクラスに入ると、ショウの机のところに3人ほどたむろしている。ちなみに席は1番後ろだ。


「でさ、生意気言うから俺がしめてやったんよ。」


「ギャハハ、さすがレンヤ君!」「俺がその場にいたらまっさきにやってたのにな!」


偉そうにしてるのがレンヤ。中学一年でもう身長170を超える堂々たる体躯。取り巻きの二人、カズとセンは体躯は普通だが、鋭い目つきをしていた。


ショウは自分の机に近づきながら学ランのボタンを外して、学ランを脱ぎだした。


「そこ俺の席やからどいて」



鞄をおろしながら笑顔で話す



「あ!んだてめー!」 「今レンヤくんと喋ってんだから邪魔するな!」


取り巻き達は激昂する。



レンヤはショウに近づきながら、「なんや、やっちまうぞ、あ?」とキメ顔をした。



すると、翔真はますます笑顔になる!


何だこいつ?なんで笑顔?


「何笑ってんねん、泣かすぞ」イラついたレンはビビらそうと睨みながらショウマに近づき


翔真の肩を強めに押した瞬間!


レンは一言も発することなく崩れ落ちた。お腹を、抑えて動けない。



「えっ!」カズとセンは何が起こったかわからない。



「お前らってさ、ダチがいちばん大事なんやろ?ほら、かかってこいよ、まさか何もしないなんてダサいことしないよな。ダチ見捨てたらかっこ悪いよな?敵討たいよな?俺から殴ると面倒なことなるからさ、お前らから殴ってこいや。俺さ、お前らみたいなんめっちゃ殴りたいねん。ボコボコにしたるから、さぁ、ほら!殴ってこいよ!早くかかってこいよ!」



ショウは天使の笑顔で早口でまくしたてた。



呆然とする二人を助けるように



「ショウ!殴るのはジム的にだめじゃないの?ボクシングしてるから喧嘩だめでしょ?」


そう言ったのは小学校からの友達のシュウだ。それにもうすぐ先生が来る頃だろう


「おはよう、シュウ。でも俺まだプロちゃうし、ジムからもやられたらきっちりやりかえせ、舐められるな言われてるねん」



ニコニコのショウ




「えっ」




センとカズは言葉を失う。ボクシングやってるんや、やばくない?しかし気を取り直し


「ボクシングなんて足技ないから怖くないわ!」



「格闘技してるのお前だけやないぞ、舐めんな!俺は空手してるからな!」



とカズが叫ぶ


よく誤解されるのだがボクシングで強いパンチ撃つためには下半身を鍛えないといけない。ファイティングポーズをとってフットワークをするだけでも普通の子にはかなりきつい運動になる。むしろ練習で筋肉痛になるのは下半身の方がきつい。それくらい下半身も鍛えてるのだ。


もちろんボクシングしてても強い子、弱い子はいる。それはあらゆる格闘技でも同じだし、週1回の習い事か週6日通って練習しているのかでももちろん変わってくる。


ショウマとトウマはもちろん週6で通うボクシングバカだ


「空手ってさ、口でするの?」ショウマが馬鹿にしたように言うと


「なんやと!」ますます激昂する


「喋ってないでかかってこいよ、ほら、殴らせてやるから。」あくまで笑顔のショウ


カズが蹴ってくる。避けたショウは、かカズを蹴り飛ばした。




カズは崩れ落ちながら




「ボクサーなのに蹴るなんて....」



「アホか、これ喧嘩やろ?蹴りくらいやるわ」


その時、うぅ、ちくしょうと呻きながらレンが立ち上がろうとしていた。




その時



「ショウなにしてんの?」そこにクラスの友達から呼び出しされたトモがいた。もめ始めたときトモを呼びに行った子がいたのだ。


なんか増えた!レン達は顔を顰める。


「俺もやろうか?でももうすぐ先生来るで」


トモはニヤニヤしながら3人に目を向けた。


「お前ら、もう今はやめとけって、なにもないなら俺は戻るよ」


三人はバツが悪そうに自分の席にかえっていった。


ショウは自分の席につくと


「おはようミエダさん」


と何事もなかったように笑顔で隣の席の女の子に挨拶をした。



 ショウに挨拶されたミエダはびっくりして、おはようと挨拶を返した。そしてショウをまじまじと見る。


見た感じ優しそうな普通の子。いや、ハキハキして爽やかでイメージはすごくいい。身長も普通より少しだけ背が高いくらい。休み時間は友達に囲まれて眩しいくらいの笑顔を見せる。いつものショウと今日のショウどっちが本当のショウなんだろ?と思ったら自然と口に出てしまった。


「もしかしてショウって怖い人?」


言ってからハッとする。言うつもり無かったのに!


ポカンとした顔で振り返ったショウは


「怖くないよ、普通の人だよ」と恥ずかしそうにはにかんだ











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