指導室ってなんだっけ
朝からめちゃくちゃ疲れてます。理由は。
「うちのクラスの風紀員様が次はきたんだな。」
「同じクラスだから、一緒に行けるな!」
「おう!マイベストフレンド!指導室集合な!」
「お前ってこのゲームやってる?」
俺の机の周りカオスすぎないか?4人ともやばいくらいの問題児。何を起こしたのかはまだ具体的には聞いてないが、指導室にたまってるだけで、問題児としてカウントしていいだろう。先生方にもビビられてたしな。
そうこうしてるうちに帰りの会が終わった。あの4人はまた後でね~っとどこかに行った。俺も指導室に行かねばならないからな。俺の風紀委員としてはじめにこなす任務はあの4人を指導室にたまらないようにすること!俺は廊下を走らず、職員室へ向かう。
「失礼します!1年の海水青馬です!指導室に来ました!」
「海水君…無理だったら直ぐに無理っていうんだよ。今日はまだ職員室にはあの4人は入ってないよ。頑張ってね。」
近くにいた先生が声をかけてくれる。
「はい!4人を指導室にたまらないようにするため!努力します!」
今日はまだ指導室には来ていないのだろうか。とりあえず、俺は指導室のドアを開ける。
「おっ!風紀員様!遅かったね!」
「集合時間を決め忘れていたことに今気づいてな!ちゃんと来てくれるかどうかヒヤヒヤしたぜ!」
「新作ゲームやる?これはおすすめだけど、こっちは微妙。」
「海水君!さっきぶりだね!」
いや、何でいるんだね君たちは!さっき先生がまだ来ていないと言っていたぞ!
「ああ。それね。俺たちはここからきているんだよ。」
星光君が指をさした場所は……窓。そっからどう見ても正真正銘の窓。この4人は猿か何か?
「今までは普通に屋上からくるか、下から行くかのどっちかだったんだけど、今は下からはしごで行けるようにしてあるんだぜ!上に収納してる!」
なんで勝手にはしごつけてんの?!
「上に収納してるせいで、毎回取りに行くの大変なんだぜ!」
もうそれ梯子機能してないじゃん!
「あ……」
「お前天才だな!」
マジで?今気づいたの?
「セルダ見習えよな。」
どこをどう見習えばよろしいのでしょうか?!
「今回の風紀員様。めちゃくちゃツッコミいれてるし。変人なの?」
好きでツッコんでるわけじゃないんだよ?
「何言ってんだよ!俺達のどこがボケなんだよ!」
「好きでツッコんでるならそう言えばいいのに。」
そうやって自分がまともだと主張してくるボケやめてくれません?
「俺はツッコミだぜ?」
どこが?突っ込まれる要素しかなかったよ?
「ハァ。みんな馬鹿で困っちゃう。今度の中間大丈夫そ?」
桜花君の言うとおりだな!みんな指導室にたまってる問題児だが、テストの方はどうなんだ?
「まぁまぁって感じかな?」
「めっちゃいいって程ではないけどできる方だと思ってるぞ!」
「セーフライン。」
成績の方は大丈夫そうなんだな!
「みんな、中3の時の全国模試の結果ちゃんと見た?」
見たぞ!
「何のことかさっぱり。」
「シラナイシラナイシラナイ」
「なにそれおいしいの?」
んんん?大丈夫?絶対悪いよね?3人とも
「俺、社会意外全部一桁。」
「俺は全部一桁だったな!」
「俺も英語だけ二桁。」
点数が?点数が一桁なのか⁈それとも順位が一桁なのか⁈
「点数に決まってんじゃん。」
めちゃくちゃ成績やばいじゃん!中間テストピンチじゃん!ちなみに、桜花君の点数はどうだったんだ?
「俺は……ヒ・ミ・ツ!」
桜花君はほんの一瞬間なしそうな顔をしてすぐに笑いながら言った。
「俺、先に帰るわ!今日、漫画の発売日!」
桜花君は窓から飛び降りた。飛び降りた。移動方法!え?何で飛び降りてるの?待って?大丈夫?
「バイバイー!」
「また明日な!」
「漫画貸してね。」
桜花君も帰ったし、君たちも……
「俺らはまだここにいるからな!」
ですよねー。
「ねえねえ。君たち。この噂知ってる?」
陰闇君。どうしたんだ?
「桜花は成績は一番下だけど、ガチの天才でiQ高いってやつ。」
「聞いたことないな。」
「俺もない。」
僕もないな。
「中2中3と全国模試全部0点なんだけど、それまでは常に満点で1位だった。って言ってた。」
僕は小4から全国模試を受け続けているが、1位の表彰者の名前……桜花桃歌だった気がする。でも、あんな笑って能天気で煽るみたいな感じじゃなくて、もっとこう、クールな女子だったぞ?
「クールな女子……でも名前は……」
「あの苗字珍しい方だよね。」
「今も女子っぽいし、キャラ変しただけなんじゃない?」
だとしたら、マジでなんでいきなり0点取ったのかな?
「気になるね!」
「怪しい……」
「明日聞いてみるか!」
分かった。なら、もうそろそろ帰ろう!
「ソレは無理。」
ですよねぇ……
「もしもし。お義父様が。分かった。週末に帰る、から。お願いします。はい。すみません。
『今度の会合に桃歌も必要』ね。噓は上手につかないとね。お義父様。」