【男の娘030】アカネとホットケーキとベジタル家の家族
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さて、準備しておいた種をどんどんフライパンに流して、焼いていきますよ。
う~~~んいい香り。お腹いっぱいだったけど、この香りを嗅ぐと、ホットケーキならまだまだ食べれそうな感じはあるよね。よしよし、充分な量が焼けたかな。あとはハチミツとバターをたっぷりかけてと。さぁ~~ダイニングのみんなの所に持って行こう。どんな反応をするのか楽しみだわ。
「アカネ、一体食事時だというのにどこに行ってたんだね。それにその甘くていい香りのする、手に持っているのはなんなんだい?」
私がダイニングに戻ると、お父様が食事の手を一旦止めて、私に尋ねてきた。みんなパンが美味しかったようで、パンの乗っていたお皿の上は見事に空っぽとなっていた。
うん、これだけ綺麗に食べてもらえると気持ちがいいね。
「こちらは私が今ほど焼いてきた、熱々のパンケーキになります。」
「なんと熱々のパンケーキだと!?それはこのパンと同じくらい美味しいのか?母さんはもう試食しているんだよな。」
「ええ、それは勿論。みんなに出していいか見極める必要がありますもの。食事の味見は主婦の務めですから。でも、そのパンケーキはどちらかというと、主食というよりもデザートに近いですわよ。」
「では、さっそく切り分けて皆に配ってくれ。アカネ。さっきみたいに、欲にまみれての取り合いはもうしとうない。」
「良く言うよ父さん。父さんが一番先に欲にまみれてパンを確保してたじゃないか。僕とキャロットは味も知らなかったのに」
「そうですわ。お父様。美味しいものはみんなで分かち合いましょう。」
私とお母さまとで、ナイフでホットケーキを切り分けて、お皿の上に一切れずつ運んでいく。幾分はお代わり出来るように残してありますよ。4切れしかないので早い者勝ちですけど。私とお母さまの分も一切れずつちゃ~~~んと分けて頂いてます。
一切れしかないので、お父様の目がやや残念がっているように見える。
お父様、これからどんどんお菓子を作っていこうと思っているのに、今からその調子では後が大変ですよ。
お父様、キャロットちゃん、マッシュ兄さんが一口サイズにナイフで切って、フォークで口の中に運んでいく。お父様は、はじめはシンプルにバターとはちみつの載っていない箇所を、マッシュ兄さんはバターのかかっている箇所を、キャロットちゃんは、ハチミツのみのかかっている箇所を口の中へ入れていく。
「うん、美味い。確かにこれは主食というよりも、お菓子、デザートの類であろう。しかし、朝食ならこれでも十分食べれると思う。」
「これは美味しいよ。パンケーキ!?男の僕でも美味しく食べられる。甘さもそんなにないし、食べ応えもある。これはいいね」
「そんなことはないですわ。お兄様。しっとりと甘くて、これはデザートにぴったりですわ。」
3者3様の反応をしてくれる。想定通りのいい評価にまたもや私とお母様はお互いを見て、微笑み、ハイタッチを交わす。
「ささっ、執事の皆様もせっかくですので、温かいうちに召し上がり下さい。」
といって、執事さんたちも食べ始め、美味しいという評価を得られた。うん、ホットケーキはやっぱり甘さの調整も個人で十分効くから、ベジタル家での反応を見る限りでは、この世界でも十分に通用しそうだね。
ちなみに残りの4切れを食べたのは、うちの家族たちだった。お父様が一枚、マッシュ兄さんが二枚、キャロットちゃんが一枚という結果になった。
当初は、当主の威光でもって、2枚お父様が食べようとしていたが、その前のパンを食べていたことを上げられ、今回はマッシュ兄さんが多く食べることになったのだ。キャロットちゃんも欲しそうにしていたのだが、流石に食べている量が多すぎたため、ギブアップしていた。
食事後に私はお父様の書斎にお母様と一緒に呼び出されたのであった。
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