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ギルド スノープリンセス2 勇者編 オラシオン②

「もういいぞ。攻撃やめだぞ」

アリスが言うと、全員が引いた。

「お、お前たち・・・こんなことをして天罰が下るからな!」

「誰だと思ってるのよ!天界で一番偉い女神様よ!」

自分たちは棒立ちでも守れるが、他人を守る時は、そうはいかないようだと、アリスは理解していた。

ケインを逃がす時間を稼ぐための攻撃。追跡されないように、防戦に集中させたうえで、ティナがケインを移動させる。

これがアリスの作戦だった。


「作戦は終わったぞ。防戦ご苦労さんだぞ」

ピーが飛び立ち、元のサイズに戻るとマオの肩に止まる。

当然飛び立った後にケインたちはいない。

「それが狙いだったのか?」

「逃がすために?」

オラシオンたちは、この時点でアリスの作戦に気が付く。

「今回は私たちの負けだぞ。でもケインはまだ生きてるぞ。体勢を立て直し、作戦を練ってから勝負だぞ」

オラシオンはふーっと息をした。

「成るほど。勇者ケインは、多くの事を学んでいるようだな。『勝てないときは逃げる』。下手なプライドより、勝つことを考えられる勇者、だと言うことか」

「ちゃんと負けを認めて、次に繋げられる。いいチームだわ」

アリスの蛮行も、次に繋げる為の苦肉の策。オラシオンはそう理解した。

「ヴィーナスには傍に居て貰うぞ。次もやばくなったら同じ手を使うぞ」

オラシオンの頬がヒクっと動く。


「勇者の言葉の重みだ。一度言った言葉は反故にはしない。勇者ケイン以外に危害は加えない。だが、必ず勇者ケインは私たちが殺す」

「ええ、私たちも対策を考えましょう」

オラシオンたちは振り返るとゲートに消える。

「殺させないぞ。殺されるのはお前達だぞ」

その背中を睨みアリスが言う。


「皆さん、よくぞオラシオンの猛攻を退けました」

攻撃されたからと言って、だからどうしたレベルの神女神だ。

アリスは分かっていてやっているが。

「ごめんだぞ。これしか手が無かったぞ」

アリスの謝罪にヴィーナスは、首を振りながら言う。

「良い作戦でした。あなた達らしい自由な発想と、神をも恐れぬ大胆な行為。オラシオンたちも意外だったでしょう。あの子たちが慌てた姿など、現役時代は見たことがありません」

ヴィーナスは、自身を守るために、神女神の加護を使わなかった。

それがヴィーナスの答えでもあった。

『オラシオンは敵』。ヴィーナスは割り切っていた。


「で?ケインさんとティナはどちらに?」

ヴィーナスの問いだが、アリスは・・・

「内緒だぞ。真面目な連中には絶対に分からない場所だぞ」

笑いながら答えた。



「あのオラシオン相手に、よく逃げて来れたな?」

「ああ、危なかったが、王道勇者で助かった。あいつらは汚いことはしないからな」

ケインが逃げたのは魔界。閻魔大魔王の所だった。

「はい。王道なんか、汚さで戦うケインさん達の前では、良いカモです」

本当にやばかったんだけどな。

「で?どうする?このまま魔界に住み着くわけにもいかんだろ?」

俺の必殺技、セイレーンの魔道砲も効かない相手だ。倒すのは困難だ。

考えないとな・・・

「取り合えず、それは後で考えればいい。今は下界と地球の事だ」

まだ蘇った勇者たちが暴れている。地球のハイパーブラックホールの件もある。

「閻魔に頼みたい」

俺は閻魔に力を貸してもらうしかない。

「力は貸すが、オラシオンの相手はごめんだぞ」

閻魔も恐れるオラシオン。流石に有名だな。

「下界の蘇った勇者に、もうトップランキングはいない。討伐は閻魔軍に任せたい」

天界の連中では、何かと任せきれない。

「それは良いが、俺との繋がりが明るみに出るのは不味いだろ。サタンの時とは違うし、俺たちが下界で戦闘ってのはな」

サタンとの戦いのときは、ドザーグの復活と言う一大事が有ったので、女神との共闘をしたが、俺と閻魔の関係は公にはしていない。

流石に魔界の閻魔が下界で戦うのは、バレたら怒られるでは済まないことだ。

「仮面を被ってください。『業の深い魔獣たち』と言うことでごまかします」

ティナの案だ。確かに魔獣と魔族は似ている所がある。

それで行こう。

「後は、連絡だ。オラシオンの追跡を恐れ、アリスはここへは来ない。連絡は、天界のヴィーナス経由でエクセレントに伝えさせ、エクセレントをチームに派遣してもらう。閻魔はヴィーナスと連絡を取り合ってくれ」

閻魔が嬉しそうに言う。

「そ、そうか。仕方ないな。ヴィーナスとか。まぁいいだろう」

ティナは知らない。閻魔が自分の父親だと言うことを。

恋多きヴィーナスは、若き閻魔とお付き合い。授かった双子の姉がティナ。妹が閻魔の娘の愛実だ。

「早速パルム達に『エルゴの世界』に侵入して、ルーズを調べるように言ってくれ。リリスの居場所を調べるんだ。それから地球にいる科学班からの報告が欲しい」

閻魔は頷くと部屋から出て行く。



「私がティナに変わり、チームの担当になった」

エクセレントがカモミールへ来た。

「よろしくだぞ。足を引っ張ったら、容赦しないぞ」

アリスが釘をさす。状況が悪い。失敗は許されないと感じていた。

「あはははは。私のような優秀な大女神は足など引っ張りません」

どの口で言うか?アリスは呆れ顔をした。

「オラシオンたちはケインさんを探して、世界中を駆けまわっています。見つかるの時間の問題です」

ヴィーナスは閻魔からの連絡で、ケインの居場所を知ったが、エクセレントには伝えていない様だ。

「折角蘇ったんだぞ。世界中を駆け巡るのも良いぞ。それより指示は着てるかだぞ?」

「パルムさん達に、エルゴ世界での潜入調査の依頼。科学班からは、地球の状況報告が欲しい、とだけ聞いています」

伝言ゲームはうまく伝わった。

「わかったぞ。エクセレントはオラシオンの動きを見失なうなだぞ」

アリスはケインの指示通りに動く。



「闇雲に探しても、見つかるものではないな」

オラシオンが言う。

「そうね。たぶん事前に逃げ場所は決めてあったはずよ」

ヘーゼルも探し疲れていた。

「勇者ケインが、出て来ざる得ない状況を作るしかないか?」

「勇者ケイン以外に危害は加えない。この言葉を守りつつ、そんなことできる?」

オラシオンは考える。

「確かに難しいか。だが、手は思いついた」

オラシオンはドヤって顔で言う。



「なんでお前たちがここにいるぞ?」

王宮の庭にオラシオンたちがテントを張っていた。




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