ギルド スノープリンセス2 勇者編 強敵たち①
今回は1~4です。
「やはり来たようだな。面白いように計画通りに動いてくれるな。ここまで計画通りだと、逆に怖くなる」
リリスが嬉しそうに言う。
「そうだね。ケインが僕たちの掌の上で、コロコロ転がってるみたいだね」
ギルバも上機嫌だ。
「ソロモンの笛・・まさか笛の名前、そこからが私たちの仕込みだとは思うまい」
「少し前に失敗作が世に出回ったからね。名前を変えたのは、『Dr』も良く考えての事だったね」
「ああ、そうだな。全ては1本の笛から始まった計画だ。前のバカな私達だと思うケインに、私たちの尻尾は踏ませないさ」
リリスは持っていた笛を、ルーズ卿が握っている笛と取り換えた。
「奴らは、1度疑って白になったルーズを疑うことは無い。これで私達との繋がりは追えないはずだ。次にたどり着くまでの時間が稼げる」
ルーズ卿の部屋。うずくまるルーズ卿の横で、時間を止めたリリスとギルバが話す。
「で?こいつはどうするの?このまま記憶を消しておく?」
前回ルーズが部屋を出た時、リリスが唱えた神の加護は、ルーズの記憶を消すものだった。。
「いや、まだ『フォボス』にレアメタルを送る必要がある。記憶は戻し、笛が本物だと分からせる」
リリスは神の加護を唱えた。
「う・・・ウ・・・ああ!!レレス!!貴様ぁぁぁ!!私の!私の笛を!!」
時が動きだし、ルーズ卿はリリスたちに気が付くと、狂ったような声を上げた。
「落ち着いて。笛は本物です。ご自身で確かめると良い」
そう言うと、また神の加護を唱える。
「あっ…私は…」
とたんに落ち着きを取り戻すルーズ卿。
「すみません。万が一を考え、星猫に関する記憶を一時的に封印しておきました。ケインたちが来ても、あなたに疑惑が掛からないようにする為でした」
ルーズ卿は、事前にある程度の事は聞かされていた。なのでリリスの言葉は簡単に受け入れられた。
「だがケインが、私の笛が偽物だと言っていた」
落ち着いた表情で話す。
「ええ、予め笛には細工を施し、女神が見ると偽物に見えるようにしておきました。言わずにやってしまい申し訳ありません」
「敵を欺く時は、味方からって言うからね。僕も今聞いて驚いたよ」
ルーズ卿は、乱れていた襟やネクタイを直すと立ち上がる。
「流石は黒女神様。よく考えておられる」
リリスは深く礼をする。そして、見えない顔の口元には笑みが浮かぶ。
「これは本物だ。私の長年のコレクターとしての目が、間違いなくソロモンの笛だと言っている。間違いない。レアアイテムだけが持つオーラが、その証拠だ」
手に握っていた、本物のソロモンの笛を見ながら言う。
「お疑いならば、この場でルーズ卿が蘇らせたい勇者を蘇らせてみては?」
ルーズ卿は首を左右に振った。
「信じてるよ。君たちを」
ルーズ卿はソロモンの笛を大事そうに金庫へ仕舞った。
「星猫の方ですが、少々抵抗を受けていますが、1週間後に新兵器と部隊を送り込み、手に入れる予定です。お手元には、星猫が落ち着き次第のお届けとなりますので、30日から60日を見ていただけますか?」
ルーズ卿はウンウンと頷く。
「後はフォボスへのレアメタルと、笛の残金も、お早めにお願いできますか?」
「お金は幾らあっても足らなくてね。フォボスは金食い虫だからね」
リリスとギルバが言うと、ルーズ卿は笑顔で言う。
「わかった、急がせよう。どちらも3日以内にと、約束するよ」
リリスは頷くとギルバと共にゲートに入る。
ゲートから出たリリスたちは、科学施設へと来た。
白衣を着た男が近寄ってくる。
「最後の星猫は来週には届く。レアメタルは3日後だ」
リリスが男に言う。
「装置はレアメタルが届き次第、完成させらると、『Dr』が言っていました。順調です」
男が伝えると、リリスはニヤリとする。
「ケインも女神もまだ気が付いていない。が、奴らは油断のならない連中だ。万が一の備えも万全にな」
「たっぷり予算はあるから、好きなだけ使って武装していいからね」
言い残すと、リリスとギルバはその場から立ち去る。
「上手く行ってるね部長」
「ああ、奴らは大きな勘違いをしているからな。笛と星猫が、両方私たちの計画だとは気が付いていない」
「そうだね。上手く行ってるよ」
「奴らは星猫の価格を正規の値段で考えている。なので売却は出来ないと勘違いしている。『売れば足が付く』とな。だが安く売る分にはバレたりしないのさ。例えば『ソロモンの笛と星猫のセット』とかでな。私たちは、金持ちに成りたいと言う訳ではない。必要な分の金さえ手に入ればいい」
「なるほどだったね。ソロモンの笛を欲しがる奴なら、星猫なんか、喉から手が出るぐらい欲しがるからね。僕もルーズ卿の食いつき方にはびっくりしたよ」
「奴らには、ソロモンの笛を追わせ、時間を使わせれば良い。私たちが魔笛事件の犯人だ分かれば、レレスの口座に金が振り込まれても不思議ではない。追えば追う程、私の策略に嵌り時間を使うことになる」
「冴えてるね。天才だね。今回の部長は一味も二味も違うね」
フフフと笑うリリス。
リリスたちの作戦は、大きく動き出す。
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「タリスの世界に出ます!姿勢制御!目を放ちます!」
ゲートから出たセイレーン本体は台風の中だった。
「ねぇさま、風速200m」
「ねぇさま、姿勢制御。バード射出です」
セイレーンの指示で、姉妹機のルピとルカが動く。
「バードからの映像を壁映」
バートは小型のカメラ型飛行体。セイレーンの目となる。
ケインたちの居た、セイレーン内部の部屋の壁一面に、外の様子が映し出される。
「視界が悪いな。台風の中と言うことは、これはエレノアが?」
壁に映る外の様子からは、周りが暴風雨だとしかわからなかった。
「見るぞケイン!あれエクセレントだぞ!」
目が良いアリスが、吹き飛ばされているエクセレントを発見した。
「ティナ、エクセレントを回収だ!」
「はい。神の加護!エクセレントねぇ様よカムヒアー!です」
ずぶ濡れボロボロのエクセレントの回収に成功した。




