ギルド スノープリンセス2 勇者編 読み違え①
①~③をUPします。
「目が覚めたかだぞ?」
気が付いた俺は、アリスの膝枕で寝ていた。
「ああ・・俺は?」
ニールが笛を吹いた途端、俺は意識を失った。
「ケインは『ソロモンの笛』で操られてたぞ。意識を失わす為に、マオに殴らせたぞ。ごめんだぞ」
そうか・・・・俺は操られていたのか。
「いや、俺こそ済まない。簡単に操られるなんて勇者失格だ」
頭にコブがあるが、マオに文句など言える立場ではない。
「違うぞ。ケインは悪くないぞ。あれは勇者を蘇らせたり、操ったりする笛だぞ。ケインが操られたのは、ケインが勇者の証拠だぞ」
アリスは優しく俺に言う。
「そしてだぞ。今回の一連の勇者の一件は、裏でリリスとギルバが関与しているぞ。奴らが現れたぞ」
なんだって!!!カモミールにある聖杯と起源の水を狙い、1度は捕まえたが、女神のミスで逃げられていたリリスとギルバがか?
「奴らが『ソロモンの笛』を持ってるぞ。狙いは私達だぞ」
だとすると、天界に入った発見情報も?
「アリス、直ぐに会議だ」
「そう言うと思って、みんなを待機させてあるぞ」
俺の嫁は優しくて優秀だ。
「リリスとギルバの関与が分かった。科学班は天界のパソコンを調べてくれ。情報の発信源の調査だ。リリスなら天界で使う、色々なアドレスやパスワードを知っている。その辺を踏まえて調べてくれ」
俺が指示を出す。
「私は閻魔の方だぞ。『ニール』に関する情報と、ドザーグの出てくる『地獄の穴』を塞いでもらうぞ。暫くはドザーグの相手をしている暇が無くなるぞ」
ドザーグ退治は良い稼ぎになるから、ドザーグの出てくる穴は塞がなかったが、今はそれどころじゃない。
「後もう1つ。今、ティナに資料を取りに行って貰っているが、甦る勇者は今後も出るはずだ。その中には1位と2位の勇者チームもいる。たぶん強敵になる」
「全員待機だぞ。1位と2位に備えるぞ」
アリスが付け加えた所にティナが駆け込んできた。
「ケインさん!大変です!大事件です!」
もう慣れたかな?この流れ。
「どうしたぞ?今度はなんだぞ?」
アリスも『またか』と言う顔で言う。
「はい。聞いて驚かないでください。星猫が4匹、盗まれました」
なんだってぇ!!!
「4匹って、今管理してるのが5匹のはずだぞ。1匹はラムタ世界だぞ。残り全部ってことかだぞ?」
「はい。全部です。手が足らないので、安全のために1か所に集めていました。ごっそり持っていかれました」
なんてこった!
「ケイン、これもリリスが?かだぞ」
いや、分からない。リリスの狙いは俺たちだ。魔笛と星猫が繋がるとは考えにくい。
「今は別件と考えるべきだ。混乱に乗じた犯行・・だと思う。一応留意はしておこう」
自信はない。だが、リリスが星猫を狙うなら1匹で十分なはず。星猫は価値が高いが、売るのが難しい。価格が高すぎるからだ。
「だぞ。私も別件だと思うぞ。よりによってこんな時にだぞ」
リリスたちだけでも厄介なのに、星猫の捜査も加われば、折角魔笛の情報が無視できるようになったのに、また忙しくなるな。
「ティナ、エクセレントを呼び戻せ。天界として保護している星猫は、なんとしても見つけるんだ」
「おそらくエクセレントは桃源郷だぞ。直前に楽しんだ思い出の地に逃げているぞ」
俺たちは蘇る勇者に専念したい。星猫の捜査はエクセレントに任せる。
これで良いはず。これがベストな判断のはずだ。だがなんだ?心の中のモヤモヤが消えない。
何か俺は見落としているのか?
「ケインさん!大変です!大事件です!」
今度はシータが駆け込んでくる。
「姉妹だぞ・・・こいつら間違いなく姉妹の遺伝子持ってるぞ」
アリスがボソッと呟いた。
「ケイン君、大変なんだよ。本当に大事件だ」
後ろからノス。
「魔笛の出どころが分かったんだ。『ソロモンの笛』だと分かったことで、ソロモンの笛関連で調べていたら、1年ほど前に売買契約の形跡が見つかった」
なんだって!!
「ソロモンの笛が、2年ほど前に裏サイトに書き込みがありました。たった1行ですが『ソロモンの笛売ります』とだけ書かれた書き込みに、返信した人がいました。HNを調べたところ『エルゴ世界のルーズ卿』が『詳しく聞きたいです』と返信しています」
「記録はこれだけだが、調べる価値はあるよ。ルーズ卿はコレクターの間では有名人だ。確か1年前に引退すると言い、手持ちのコレクションの全てを売却している。相当な金額が手に入っているはずだよ」
シータとノスは、俺が気を失っている間に調べていてくれた。
「ティナ、ルーズ卿ってのは?」
俺が聞くとティナは答える。
「はい。ルーズ卿はエルゴ世界の王です。エルゴ世界はレアメタルが豊富です。交易は順調なので、とてもお金持ちの平和な世界です」
次いでピーが付け加えた。
「マオの銀行の利用履歴を調べるわ」
当然銀行の個人情報は勝手に見る事などできない。各方面の許可が必要になる。が、頭取のマオなら見放題。それは勇者チームとしても同じ。俺たちは必要に応じて、許可なく勝手に利用者の個人情報を拝見している。
「ルーズ卿の金の動きはマオとノス、シータに任せる。徹底的に調べてくれ」
リリスに繋がる大事な情報だ。俺は調査を指示した。
「私たちはルーズ卿に会いに行くぞ」
俺とアリス、ティナでエルゴの世界へ行く。




