ギルド スノープリンセス2 勇者編 蘇る勇者たち④
避けられる態勢ではなかったはず。
魔道砲で焼かれたと思った朧たちが、俺たちの後ろにいた。
「我ら闇の部隊。我らに不意打ちなど通用しないと言ったはずだ」
忍者姿だった朧は、服は燃えパンツ1枚を辛うじて残して言う。
そして陽炎は意識を失い、ぼろぼろの月光が支え、何とか立っている状態。
「ケイン、結構なダメージを負わせたぞ」
アリスがニヤリと微笑む。
「レナとセレスとナナは月光だ!朧は全員でタコ殴りにする!数の暴力で押し切るぞ!」
俺が指示を出す。
「朧のパンツを剥ぎ取ってから、急所に直接攻撃だぞ!」
アリスも指示を出す。朧は思わず股間を抑えた。
「勇者ランク2位と同等レベルは、言うだけのことはあったぞ。あの魔道砲の不意打ちを避けるとは、強敵だったぞ」
朧からパンツを奪うと股間に攻撃を集中。朧は防戦一方となり、技も出せないまま敗北。青い炎に焼かれた。
レナとセレス、ナナも楽勝。陽炎と月光も服を剥ぎ取られ、弄ばれてから止めを刺された。
「流石はケインさんのチームです。姉の自慢の闇部隊『朧チーム』を、こうも簡単に倒すとは。姉の悔しがる顔が目に浮かびます」
ああ、俺たちに敵などいないさ。だが、こいつらの力は本物だろう。実力勝負なって居たら・・。
「エクセレントのチームだぞ。真面なはずがないぞ」
「そだね~エクセレントだもんね~」
「はい。姉のチームです。どこか抜けています」
「ですわ。婿殿より卑怯な方などいませんわ」
快勝に気を抜く俺たちの前に、レナとセレスが出る。
「ケイン、まだ油断するな。誰かいる」
レナが言う。
「あの気配は・・魔族ね」
セレスが剣を向けた方向の空間が歪んだ。
「ほっほほほほ。バレてしまいましたか?」
スーッと姿が浮かび上がる。
「光学迷彩・・とか言いましたかな?この装置は?気配まで消せないのでは、不良品ですな」
頭からローブを被り顔は見えないが、背丈の小さな男だ。
「私は『ニール』。殺し屋です」
明らかに魔族の気配。そして自ら『殺し屋』と名乗る当たり、馬鹿か相当腕の立つ奴だ。
「あなた達一人一人に高額の報酬が設定されています。特に・・・あなた。あなたには、世界が丸ごと買えるほどの額の報酬が設定されています」
ニールは俺を指さした。
「私たちの前に姿を現すとはバカだ。こいつはバカの方だ」
レナが疾風の速さで斬りかかった。
が、ニールの体に剣は届かない。体の直前で弾かれる。
「ブリザードですわ!」
アイリスの攻撃も同様に届かない。ニールの体を何かが守っていた。
「なるほどなるほど。この防御装置は使えるというわけですね」
レナの攻撃とアイリスの魔法を防いだニールは余裕で言う。
「こいつ、なんか変な防壁を使ってるぞ!」
アリスが違和感を感じる。
「私を守るのは、依頼主から頂いた大切な秘宝の効果です。私に攻撃や魔法は通りません」
ニールは懐から何かを取り出す。
「朧チームに力を出さないまま倒すのは流石と言えますが、皆さんは、この笛の本当の恐ろしさをご存じですか?」
こいつが朧たちを!?その笛は・・まさか?
「魔笛かだぞ?それは魔笛かだぞ?」
ニールは大きく頷くと、笛を口に当てた。
「う・・・うっ・・・」
意識が・・俺の意識が・・・・
「ケイン!どうしたぞ!?」
「婿殿!!」
「ケイン~」
アリス達が頭を抱え膝まづいたケインに駆け寄る。
「ほっほほほほほ。魔笛『ソロモンの笛』。勇者の魂を蘇らせ、思うままに操る・・ですが、何も蘇らせた勇者だけではないんですよ。生きている勇者も操れるのです」
ケインは剣を抜き、アリスに斬りかかる。が、その剣をセレスの剣が弾く。
「さぁ勇者ケインよ。その者たちを殺しなさい!ほっほほほほ!」
ニールが高笑いしながら宙に浮く。
「ケイン!しっかりするぞ!笛なんかに操られる、勇者ケインじゃないぞ!」
「ケイン~しっかりして~」
「ケインさん!意識をしっかり持ってください!」
アリスやマオ、ティナが言うが、ケインは完全に意識を奪われ、操られていた。
「現役最強と謳われた勇者ケイン。あなた達は、その勇者に殺されるのです!」
楽しそうに言うニール。
「ハウルは下がるぞ。何、嬉しそうに殴ろうとしてるぞ!」
ハウルがケインに向け、拳を振り上げていた。
「いや、俺は勇者の意識をだな・・・」
と言うが・・
「ハウルお座り。ケインに手出しダメ」
ターナに止められ、お座りする。
「リサーチ不足だぞ。勇者ケインは最弱の勇者だぞ。勇者ケインのチームが最強だぞ」
マオの持つ杖で殴られ、ケインは気絶した。
「な、なに?最弱だと?」
あっさり気絶させられたケインを見たニールが言う。
「絶対零度だぞ!笛と情報を貰うぞ!!」
アリスが絶対零度を放つ。ニールの直前にローブに身を包んだ2人が現れ、防壁を張る。
「ふっ。やはり魔族は使えん奴らだな」
2人の一人が言う。
「笛は渡さないよ」
もう一人も言う。
「誰ですか!あなた達は!今の防壁は女神の使う神の加護ですね!」
ティナが防壁の正体を見破る。
「私達か?そうだな…ミスRとでも名乗っておくか?」
「僕はミスGかな?」
2人は宙に浮いたまま、ティナたちを見下ろした。
「バカ言ってるなだぞ。お前達はリリスとギルバだぞ。臭いで分かるぞ。犬族の嗅覚を舐めるなだぞ!」
アリスの指摘に動揺したリリス。
「ギ、ギルバ!撤退だ!」
「部長!名前言ちゃだめだよ!」
2人はニールを連れ消える。
「裏で糸を引いてるのは、リリスたちだぞ」
ケインを抱きかかえたアリスが言った。




