ギルド スノープリンセス2 勇者編 魔笛⑥
次回は木曜日0:00過ぎか8:00頃です^^
「エクセレントに大規模コールセンターを作らせたぞ。魔笛の情報は一括して『魔笛コールセンター』で受けさせているぞ」
アリスが続けた。
「現在、毎時2万件以上の発見報告が入ってきてるぞ。発見される世界や笛の種類もバラバラだけど、中には存在しない世界や『笛1』や『笛2』、『笛あ』とか『笛あああ』など、魔笛の名前もいい加減になってきてるぞ」
明らかにガセ情報が入ってきている。だが魔笛は実在する。ガセと決めつける訳には行かない所が辛いな。
「情報の出どころを調べさせては居るけど、難航してるぞ。理由は手が足らないのと、技術力はないぞ。女神はこの手の捜査に疎すぎるぞ」
科学班を送り込むことも考えたが、女神の使う機器と、トーレフたちの機器に互換性が無いことから見送った。
「今は発見報告があった世界に女神を派遣して、世界を封鎖、調査しか打つ手がないぞ。でも手が足らないから、一般職の女神まで借り出す始末で、効率がめっちゃ悪いぞ」
俺たちは対策会議をしていた。が、有効な手段が無く、手をこまねくだけだった。
「ケインさん!大変です!大事件です!」
そこに天界から来たティナが飛び込んできた。
「またかだぞ?今更1000万が1億になっても驚かないぞ」
もう数の多さには慣れたと言うか、あきらめ気味だった。
「違います!別件です!女神が保護していた星猫が行方不明になりました!」
なんだって!!
「星猫って、銀河の卵のかだぞ?」
「まぁ、それは大変ですわ」
アリスとアイリスは事の重大性に気づく。
「はい。星猫のお散歩中の女神から『星猫が奪われます!SOSです!』と連絡が入り、救助の女神隊を送り込もうとしたのですが、連絡を受けた直後に反応が消えました」
こんな時に大事が・・・・
「すぐ捜索隊を出すぞ!星猫を探すんだぞ!」
アリスが言う。
「はい。すぐ捜索隊を編成していますが、魔笛の方に人数を取られているので、捜索隊員募集の広告を求人雑誌に掲載したところです。急募!にしたので1月後には何とか」
間に合うかぁぁぁぁ!!
急遽編成された捜索隊による広範囲の捜索にもかかわらず、女神と星猫の反応はなかった。
だが、『連絡を受けた直後に行方不明』との情報から、俺たちはゲートが使われたのではないかと推測。女神たちもゲート反応は調べてはいたが、科学班を送り、詳しく調べてもらった。
「驚いたでござるよ。ゲート反応が出たでござる」
「通常のゲートとは違いますよ。女神たちが見つけられないはずですよ」
やっぱりゲートだったか。
「違うってどこがだぞ?私たちの天空の鍵みたいにかだぞ?」
ゲートと言っても色々な種類がある。効果は同じでも、魔法で繋げるゲートからスキルで繋げるゲート。俺たちが使う『天空の鍵』のようなアイテムで開くゲート。
「これは特殊なゲートでござる。いわば、科学の力で開くゲートと言ったところでござるか?魔力を使わない為、女神殿たちでは見つけられなかったでござるよ」
「しかもですよ、このゲートの反応から、過去に私達は1度だけ開いたことのあるゲートですよ」
過去に1度だけ?それってもしかして?
「柊殿たちを覚えているでござるか?」
ラムタ世界のか!?
「覚えてるぞ。アブソリュートスノーって言う、とんでもない魔法が使える子だぞ」
3年ほど前に、ラムタ世界と言う重力の底にある世界から来た地球人だ。
「ゲートはラムタ世界に繋がっていた可能性が高いでござる」
「反応が全く同じでしたよ。女神と星猫は、ラムタ世界にいる可能性が高いですよ」
ラムタ世界に誰かを送り込まなくては。
「ラムタ世界にゲートは繋げられるのか?」
俺が聞くとトーレフは、『当然』と言う顔で答えた。
「あれから研究したでござる。まだ完全ではないでござるが、往復は可能でござる」
よし、ならばだ!
「パルム達を呼び戻してくれ。パルム達に任せる」
「わかったぞ。すぐ呼び戻すぞ」
アリスが即動いてくれる。
「あ?ラムタ世界だ?どこだそこは?」
「聞いたことが無いわね。急ぎなの?」
パルム達に言うと、アリッサが思い出す。
「あっ!それって、柊さんやマリリンさんの世界だよね!」
俺はパルム達に詳しい話をする。
「じゃ俺たちは、そのラムタって世界に行って、女神サーヤと星猫を連れてくればいいんだな?」
パルムは理解した。
「そうだぞ。でも知らない世界だぞ。女神サーヤも隠れている可能性が高いぞ。柊さんがアリッサを知ってるから、柊さんを探して協力して貰うのがいいぞ」
「柊さんはラムタ世界ではギルドを経営しているギルドマスターだ。アブソリュートスノーを持つ人だから、たぶん有名なはずだ」
俺が言うと、アリッサが答えた。
「うん!探すのは苦労しないよね。行こうよ、お爺ちゃん!」
パルム達は快諾してくれた。
「これが『ゲート装置改』でござる。30日後に勝手に動き出し、帰りのゲートを開くようにセットしてあるでござるよ」
「30日を過ぎると、重力の影響で次の作動は半年後ですよ。そこは気を付けてですよ」
トーレフから装置を受け取り、パルム達はラムタ世界へ繋がるゲートを開く。
「後、多少の時間差が出る可能性があるでござる」
「お気をつけてですよ。柊さん達によろしくですよ」
パルムは頷くと俺を見た。
「坊主、こっちも大変だろうが、余り根を詰めるなよ。魔笛ってのは大概が噂だ」
「そうよ。無理しないで女神たちに任せればいいのよ」
俺はパルム達に『チャラ男』の件を話していない。向こうに行ってまで心配させたくなかったからだ。
「ああ、わかってる。気を付けて行ってきてくれ。エクセレントに命令書を書いてもらった。サーヤに見せると良い」
「アリッサ、生水は飲むなだぞ。後は玉ねぎは食べるなだぞ」
チャラ男は犬。アリッサは犬族。玉ねぎを食べても死んだりしない。
「うん!パパもママも元気でね!」
3人はゲートに入った。
「ケインさん!大変です!大事件です!」
そこにまたティナが飛んできた。
「またかだぞ。ティナのセリフの半分は『大変だぞ。大事件だぞ』になってるぞ」
アリスが呆れるが、ティナは大まじめだった。
「また過去の勇者が現れました。しかも・・・・」
ティナ言葉に俺たちに緊張が走る。




