ギルド スノープリンセス2 勇者編 魔笛⑤(パルムチーム回)
「おいおい、そんな顔するなよ。この世界では、命だろうが世界だろうが、合意さえあれば賭けは合法。そしてお前は受けたんだ」
「そうよ。1万Gでルーレット5回の転がし勝負。プレーヤーに関しても私は再三言ったわよ『ケインの勇者チーム』がってね」
当然パルムは言質を取っておいた。
「勇者チームともあろう方が、この世界を狙う。それでも勇者ですか?」
ダーツが激しい口調になる。
「別に欲しいわけじゃないんだよ。この世界が武器の密輸なんかしていないのならな」
パルムの言葉に、ダーツの頬がヒクっとした。
「いろいろ聞いてるわよ。便利な武器や装置があるらしいわね。『超遠方まで繋げられるゲート装置』『姿を見えなくする装置』とか。そうそう『魔法防壁の強化』なんて機械もあるとか」
これはブラフ。証拠は何も手にしてはいない。天界の調査にあった事を言っただけ。
「ダーツ様・・・」
そこに秘書が受けた連絡をダーツに伝える。
「な、なんだと?」
ダーツの驚きは、カジノからの連絡で、マオがルーレットの1点掛けを成功させた報告だった。
「なに、調べて何も出て来なけりゃ、報酬の1万Gを迷惑料に付けて、世界ごと返すさ」
「脱税ぐらいなら大目に見てあげるわよ」
パルムは持っていたグラスを置き、剣を手に取る。
「マオ!凄いよ!2連勝だよ!後3回でパラダイスは私たちの物だよ」
カジノのルーレットのテーブルで、アリッサはマオの横に立っていた。
「えへへ~後3回かぁ~楽勝だよね~次は『23』に全部だよ~」
マオの前にチップはない。数字が撃たれた電卓があるだけ。電卓には2連勝の倍率『1296』が表示されていた。
「あっ!ピーから連絡だよ。スタンバイOKだって」
アリッサはピーからの連絡を受け、マオに伝える。
「妻よ。すまんが少しの間だけ、自分の足で立って居て貰えるか?」
魔獣王ハウルは、ホテルの警備室の前に来ると、妻のターナを肩から降ろす。
「少しだけ。疲れたら横になる」
美しすぎるターナは、普段はハウルの肩の上に載っている。滅多に降りない。
「では、行ってくる」
ハウルは警備室の扉を蹴り破った。
「その顔は3回目もマオの勝ちのようだな」
秘書がダーツに伝えるの見たパルムが言う。
「どうやら本気で勝つ気のようですね?しかし、秘密を知られた以上、帰す訳にはいかなくなりましたね」
ネクタイをグイグイと緩め、悪役の得意なセリフを言う。と同時に黒服4人が襲い掛かる。
「舐めるなよ。俺は勇者パルムだ」
パルムの剣が4人をあっさり切り捨てた。
「クッ!警備兵はどうした!?」
ダーツが叫ぶが・・代わりに来たのは。
「お疲れ」「よう、暫くだなパルム」
ターナとハウルだった。
「お前の兵隊、全員おねんね中。永遠におねんねしてる」
ターナが言うと、秘書はどこかに連絡をする。
「無駄よ。この世界は軍備は持たないって話だったけど、しっかり地下にあったわね。今頃燃えちゃってるだろうけど」
セシルは座ったまま動いていない。パルムの置いたグラスのお酒を飲みながら言う。
「5回勝ったよ~」
「パラダイスは私たちの物だよ。私の取り分は半分でいいよ」
「私も、お仕事終わったわよ」
マオとアリッサ、ピーが来て全員が揃う。
「き、貴様ら!こんなことをして只で済むと思うなよ」
ダーツはまた、悪役の得意なセリフを吐く。
「只で?どう済まないって言うんだ?」
「あなたの取引先が黙っていないと言うことかしら?」
「その取引先って何処かな?」
パルム達の狙いはパラダイスの武器密輸だが、取引先が何処かも調べる予定だった。
「くっ!・・・」
ダーツは言葉を失った。
「まぁいいさ。今女神たちが来る。調べればわかることだ」
パルムが言うと同時に、空から女神たちが降りてきた。
「これで仕事は終了ね。後は女神に任せて・・」
とセシルが言うが。
「エクセレントが来てないな」
窓から女神たちを見たパルムが言う。
「あ~今は~天界は忙しいからね~」
「エクセレント多忙」
昔、パルムのチームはエクセレントが担当だったこともあり、パルムチームの女神はエクセレントが付く。
「忙しい?あいつは女神の慰安旅行で桃源郷へ行ってたはずだ」
「そうよ。お土産を買ってくるとか、浮かれていたわ。忙しいはずないわよ」
怪訝そうなパルム達に、マオとターナが、何が起こっているか?をパルム達に簡単に説明した。
「魔笛か…厄介だな。俺たちも昔『インカの笛』ってやつの捜査を依頼されたんだが、ガセの割には苦労が尋常じゃなかったな」
「酷い目にあったわね。ハンターたちが入り込んで世界は大混乱。偽物の笛は出回るわ、ガセ情報は飛び回るわ‥そうとう振り回されたわ」
苦笑いしながら思い出を語るパルムとセシル。そこに女神が1人やってきた。
「エクセレント様より指揮を任された女神『リノ』です。普段は食堂勤務ですが、エクセレント様の命をしっかり遂行したいと思っています。得意な分野はカレー作りとジャガイモの皮むきです。で?捜査って何をすればよいのですか?」
『あ―――こいつじゃだめだ』
パルムとセシルだけでなく、マオとターナ、ハウルまで思う。
「マオとターナは戻って坊主を手伝ってやってくれ」
「私たちは残って捜査の指揮を執るわ」
「パパたちに報告お願いね。後パラダイスの半分の利権を私名義に変えるように言っておいて」
パルムチームはパラダイス世界に残る。
マオ達だけでカモミールへ戻った。




