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ギルド スノープリンセス2 勇者編  魔笛④(パルムチーム回)

EP「魔笛」の中に、パルムのエピソードを2本入れました。



「こっちは片付いたぞ」

屈強な肉体のパルムが、剣についた魔物の血を払いながら言う。

「私の方も終わったわ」

妖艶な美女セシルが答えた。

「魔物退治は終わったけどさ、パパからマオが来るって連絡があったよ」

勇者チーム別動隊のパルムチームには、ケインとアリスの娘、アリッサが預けられている。

「時間切れだな」

「証拠と言う証拠は掴めなかったわね」

此処は観光世界パラダイス。小さな世界だが恵まれた環境にあり、多くのホテルやリゾート施設がある。それらを一手に経営するのがパラダイス政府。

最近魔物が増え、観光客を襲う事例が多数発生。パラダイス政府は『表向きは非戦闘』を謳い、イメージを損なうような軍備はない。そこでケインのチームに『魔物の討伐』を依頼するが、このパラダイス、表の顔と裏の顔があり、天界調べでは、裏では武器密輸に関わる疑惑がもたれていた。

「まぁ、何とかするさ」

「はったりで口を割らせるのもいいわね」

パルム達は魔物討伐をしながら、パラダイスの武器密輸疑惑を探っていた。

「後ターナとハウルも来るって言ってたよ」

アリッサが言うと、パルム達は理解した。

「証拠不十分は承知の上ってわけだな」

「ええ、ターナさんとハウルさんが来るんじゃ、荒っぽくやっても良いってことね」

ケインは『証拠固めを済ませてから。なるべく穏便に』と指示していたが、アリスは『いざとなったら先に潰すぞ。証拠は後からでいいぞ。もし天界の調査ミスなら、適当にでっち上げればいいぞ』と指示していた。

「ママの案に変更だね。面白くなってきたね!早く戻ろう!」

パルム達はパラダイス政府の運営するホテルへと戻る。



「依頼の魔物の討伐は終わったぜ」

パラダイス国でのトップ、総支配人『ダーツ』の部屋。黒服4人と秘書がいる前で、パルムは椅子に掛け、脚を組み偉そうに言う。

「ご苦労だったな。流石はパルムのチーム、1か月とは仕事が早いな」

ダーツは高そうな葉巻を咥え、秘書が火をつける。

「これで1万G(1億円)は良い仕事だ。楡手に粟ってやつだな」

パルムは出された酒を飲む。

「ええ、相当儲かってるのねパラダイスって」

セシルが何か言いたそうに言う。

「あはははは。魔物は観光が収入のこの世界では、致命的なイメージダウンだからな。高額を払ってでも、だよ」

ダーツは笑いながら秘書に指示した。

「これが報酬の1万Gです。お確かめを」

秘書はアタッシュケース3個に入ったGをパルム達の前に出す。

「1万Gだよ!凄いね!これをさ、カジノで倍に増やせば、1万がボロ儲けになるよ」

アリッサは、目の前に置かれたGを見ながら言った。

「構いませんよ。当ホテルの自慢のカジノは、いつでも1万Gぐらいの勝負はお受けしますよ。と言うか、勇者チームの方に、1万G程度の勝負を持ちかけては、少額すぎて失礼でしたかな?」

ダーツは余裕で言う。

「ああそうだな。失礼だぞダーツさんよ。俺たちがする勝負は青天井じゃなければな」

「そうよ。勇者ケインのチームがするギャンブルが、たかが1万程度の倍掛けじゃ、張るに張れないわよ」

あはははは、と笑いながらパルムとセシルが言うが・・

「それってハッタリだよね?この1万Gを使い込んだら、ママに殺されちゃうよね」

アリッサの言葉に場が和んだ。


「まぁ、殺されたくはないが、折角の青天井だ。少し遊ぶのは良いカモな」

「そうね。ケインの勇者チームとして、賭けに強い所も見せておかないとね。ルーレットで5回だけ勝負って言うのはどお?5回の転がしで、途中に負けても終わりよ」

パルムとセシルの話を聞いたダーツは頷いた。

「では、ルーレットで5回勝負。資金は転がしで青天井。いいでしょう。お受けしますよ」

ダーツは『赤黒賭け・・2倍の5連勝で32倍なら許容範囲だ』と考えた。

「初期投資は1万Gで行きますか?それとも、もっと高くても構いませんよ」

ダーツは余裕を見せた。

「いや1万で十分だ」

「そうよ。ケインの勇者チームは1万Gで行くわ」

出された酒を飲み、パルムとセシルが答える。

「ではカジノへご案内いたします。早速勝負を始めましょう。あの有名なケインさんの勇者チームの強さを、見せていただきましょう」

ダーツが秘書に指示をする。

「いや、俺たちが行く必要はない」

「ええ、勝負はもう始まってるのよ」

和んでいた時と顔つきが変わるパルムとセシル。そして、この場にアリッサがいなかった。

「と、言われますと?アリッサさんが?ですか?」

ダーツが少し不思議そうに聞く。

「いや、アリッサは護衛だよ。ピーが外に出てるからな」

「1万Gを数字への1点掛け、5回の転がし勝負のプレーヤーは、ケインの勇者チームのマオよ」

ダーツが驚く。『数字への1点掛け?36倍狙い?‥いや1回なら兎も角、5回勝負だぞ?何を言っている?』と。

「約6000万倍、6億G(6000兆円)は、パラダイスの総資産を上回る計算だ」

「この世界、そっくり頂くわ」

パルムとセシルの作戦は、カジノでの賭けを認めさせ、超幸運の持ち主のマオに賭けをさせること。総資産を上回る額を勝ち、パラダイスを手に入れてから、ゆっくり武器密輸の証拠を探すつもりだった。


「パルムさん、それは随分な話ではありませんか?」

ダーツからも笑顔が消えていた。






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