ギルド スノープリンセス2星猫編 雪姫超覚醒③
「よぉ!雪姫!帰って・・」
私は処置が終わりルーランへ戻ってきた。
「ゆき・・ひめ・・・なのか・・?」
新しいギルドが出来て、スノープリンセスのみんなは、そっちを手伝っていると聞いたので、街に降ろして貰って、歩いて新ギルドへ向かっていた。
「雪・・・」
ルーランの街を歩くのは、1か月半ぶりだった。
相変わらず私の顔を見ると、人々が左右に避けるのが『戻ってきたな!』と言う実感となる。
「ここが、アリサたちの新ギルド『スノーエンジェル』か」
私はギルドの中へと入って行く。
「マスター!!!って・・ヴぇ!!!!」
受付のジェシカは、巨体な体で尻餅をついて倒れた。
「マスター、、あんた‥あれ?マスターだよね」
「マス?ター?」
アリーンもミリアちゃんも、突然戻った私に驚きを隠せない。
「みんな、暫く。帰ってきたよ。執務室は2Fかな?」
私は笑顔で手を振ると、2Fへの階段を・・・
「ちょぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ギムが襲ってきやがった!!!
「絶対防御です」
2Fの通路に居たミサキさんの絶対防御が私を守った。
「ちょっとギム!いきなり何するんだよ!危ないじゃないか!」
と言う私に、ギムは睨みつけながら言う。
「誰だお前?雪姫じゃないな」
何言っているんだ?こいつは?
「私だよ、雪姫だよ。って言うか、私を忘れたのか!」
おバカなギムだ。3日会わなけりゃ忘れる可能性はある。
「動かないで!何者ですか!あなたは!」
今度はマリアが2Fの欄干から私に言う。
「ギルド!スノーエンジェル!緊急事態宣言を発動します!謎の敵の襲撃に備えてください!」
アリサまで?
「おうよ!ヘレンいくぜ!」
「うん!ソーマ!気を付けて!」
おいおいおい!私だよ。みんな分からないのかよ!
「それで化けたつもりかよ?」
ブルックが階段から降りてきた。
「うむ。顔は似せたようじゃが、雪姫はそんな『ボッキュンボン』のボディーはしてはおらぬわ!」
ブルックの後ろからは銀姫さん。
「あはははは…気が付いちゃったかな?」
私は笑顔を振りまいた。
「がおがおがお!!」
「ダイル様は正体を現せと申しております」
私の周りには本店、2号店の面々が顔を揃え、構えていた。
「少々、私たちを舐めていたようですな。その程度の変装でだまされる私達だと思われましたか?」
ギャリソンが2Fから私の前に飛び降りる。
「いやだな。私だよ雪姫!正真正銘の雪姫だよ」
と私は言うのだが・・・
「また言うのかよ!ノア!行くぜ!!!」
サマンサが剣を抜き、ノアちゃんが・・
「絶対防御!」
またミサキさんが助けてくれた。
「おい!ミサキ!なに邪魔していやがる!」
「そうですよ!偽物の味方なんかしないでください」
ブルックとアローン君が叫んだ。
「きゃははははは!それは本物の『雪姫』ですよ。相当盛っていますがね」
マリアの横で、欄干に手を置いたミサキさんが笑いながら言う。
「なんだと?これが雪姫だと!?」
「盛っておるのか?この胸は?」
私はさりげなくセクシーポーズを決めた。
「魔力の暴走の治療にはスライムを使うと聞いてますよ。雪姫はスライムを胸に張り付けたのですよ」
おっとミサキさん、ネタバラシは困るな。
「みんな只今!!これが成長した『本来の私』の姿なんだ!」
ザワザワしていたギルドの1階も、次第に冷静さを取り戻す。
「マスター!!おかえりなさい!」
リアちゃんが飛びついてきた。
「間違いありません!マスターの匂いです。マスターの声紋です!この方は私たちのマスターです!!」
リアちゃんの言葉に、みんなは私だと信じてくれた。
「こいつ!先に伝えろよ!」
「良く戻ってきたのぉ雪姫。大活躍は聞いておるぞ」
「すみません、マスター。登録されていたボディーと違ったので、大変失礼を」
まぁまぁ^^いいからいいから。
「みんな留守の間、お疲れ様!」
みんなは私の帰還を歓迎し、私はみんなと再会を喜び合った。
「で?なんでここにマリリンさんが居るのかな?」
執務室へ行くと、ギルドマスターの席の横にマリリンさんが、デンっと座っていた。
「雪姫さん、お帰りなさい。私はスノーエンジェル、ギルドマスター密着補佐官として採用されたんです。なのでアリサの横に居ます」
「採用したんだ?」
「はい。させられました・・・上手く騙されました。大人の世界って怖いです」
アリサが泣きそうに言うが、まぁいっか。それもアリだよね。
「雪姫、済まなかったな。信用して任せてもらったんだが、やはり俺では・・」
「ブルックも頑張ったのじゃ。だが主のようにはいかなくてのぉ」
ブルックと銀姫さんはプリンセス休業を決めたことを謝ってきた。
「全然だよ!むしろ、冒険者学校の生徒によるギルドは、私の夢だったんだ。叶えてもらって感謝してるよ」
「でな、雪姫、テレサさん達にお願いしたんだけど、例の保険の件も話が進んでるんだ」
「今からでも実行できる段階まで来ていますが、集金の振り分けについは、雪姫マスターの許可をもらいたくて」
ほぉほぉ。どれどれ?
冒険者から報酬の0.5%。幹部報酬から1%で、ギムとマリアが5%。私が15%・・・
「いいんじゃない?うん。よく振り分けが出来てると思うよ。これで行こうか?」
「なぁリア。人間の女性と言うのは、胸の大きさと、心の広さは比例するモノなのでしょうか?」
ギャリソンがリアに聞く。
「ギャリソン様、それは問題発言です。お控え下さい。完全なセクハラですよ」
あはははは、気分がいい。なんか気分が最高に良い。今なら何でも笑っていられそうだ。
「大隊長殿、これが例の本であります」
飛鳥さんが私に本を手渡してきた。執務室に緊張が走る。
「ずいぶん立派な本だね。お金かけたんだ」
厚手の表表紙と裏表紙。金の文字で『雪姫魔女録 魔界編』と書かれていた。
私は中身を見る。
「えー私、こんな事しちゃったけ?ヤダな。閻魔様は凍らせてないはずだけどなぁ。あははは。そういえば、私ってお酒飲むと、たいがいトラブル起こしてるね」
ご機嫌で読んでいた。
「効果は抜群でありますな」
飛鳥がミサキにボソリと言う。
「これは雪姫の機嫌のせいですね。サキたちに付与させた『怒らない魔法』の効果ではないかもしれませんね」
予め手を打っておいたミサキだが、雪姫のご機嫌の良さに救われる。
そして、ここぞ!とばかりにブルックが言い出す。
「なぁ雪姫、ミサキたちの本が売れに売れててな、前に没になった企画が動き出しちまったんだ」
「がおがおがお」
「ダイル様は、ルナ様とガイさんがTV局で収録を始めてしまった、と申しております」
「僕たちにも出演依頼が来ているんですが、良いでしょうか?」
ブルック、ダイル、アーロンは、過去に映画『ギルドスノープリンセス』の制作を企画して、雪姫に却下されていた。
「いいんじゃないかな?もう少しの間は休業していたいしね」
すんなりOKがでた。
「ギャリソン様、訂正します。マスターに限って、胸の大きさと心の広さは比例しています。あれは魔界へ行く前のマスターではありません」
リアが『うわぁぁぁぁ』と言う顔で言う。
「ですな。これは雪姫様、超覚醒でございますな。勿論悪い意味でございます」
その後、王宮へ報告へ行く。
雪姫は、初めて公務で私服に着替えていた。




