ギルド スノープリンセス2星猫編 雪姫超覚醒②
「そうだな。魔の一族だけでなく、ほかの世界にも持っていくから、100万‥いや300万部貰おうか?」
『俺の嫁を虐めるな』とか言って登場したガイが、儲け話に寝返りやがった!
「きゃはははは!!これは本どころか、映画化も夢ではありませんね!」
「にゃんにゃん!」
「早速『プロジェクト大隊長殿』を実行するであります」
「いっそ、3部作で行きませんか?雪姫さんが落ちてきたところからスタートって言うのはどうでしょう?」
「俺との結婚式は、実際の写真を挿絵に使おうな」
好き勝手言いやがって・・・この体制でも撃てるんだからね!
そんな小説を発表されて溜まるか!私は私の尊厳を守る!
『アブソリュートスノー――!梅だぁぁぁ!!』
私の体から冷気が・・え?
吹き出した冷気は回転を始めた。特上の時のようにだ。
しかも地面を削り、岩を巻き上げ、回転のスピードも違う。
「げげ!切れましたか?」
「ふにゃ!」
「不味いであります、退避するであります!」
「これMAXのやつじゃないですか!?ラムタ世界が凍ってしまいますよ!」
「俺には効かねーよ」
体から魔力が溢れ出す!思ったように魔力の凝縮ができる!コントロールが全然楽になってる!!!
が、私の前に『顔がボコボコになった』ガイが来た。
「悪かった。止めてくれ。って言うか、これを撃ったらやばいレベルだ」
梅の防御冷気でガイがボコボコ?
「やばいって、うん。やめるけど・・・・」
うわぁ!!発動を止めた私の周囲は、深く抉れた地面と、尖った氷柱が立ち並んでいた。
「重加重か?お前『重加重の打ち出の小槌』を手に入れたのか?」
ガイ、知ってるの?
「確か閻魔大魔王様が持っていたはずだが、まさか?お前、凍らせたのか?俺の取引の得意先だぞ」
なるほど、それで知ってたのか。
「凍らせてないよ。閻魔様は知り合いだ」
「知り合いだと!?お前、魔界にも?なんて胸板が広大なんだ」
顔が広いでいいだろ!!胸関係ないし!
「雪姫が凍らせたのは魔界の土地ですよ」
「特上2発で、『打ち出の小槌』を得たであります」
逃げていたミサキさんと飛鳥さん、ルナさんが戻ってきた。
「特上2発だと!?・・まぁ閻魔大魔王様も、特上を見せられれば、お宝を献上せざる得ないか」
なんか微妙にニュアンスが違う!ちゃんと説明してあげて!!
「気を付けてください!アブソリュートスノーは、普通の魔法じゃないんです!氷をも凍らせ、雪姫さんの気分次第で、際限なく温度を下げる無限低温魔法なんですよ!」
ルナさんが言うが、なんか微妙にニュアンスが違う!キャッチコピーが改ざんされてる!
「その通りですよ、雪姫さん」
あっ!ドワーフさん!来てくれたんだ!
知らなかった。ドワーフさんとガイは結構な知り合いだった。
まぁ考えれば、13世界を見守る神と、1階層の住人。当然13階層より早く世界ができていた1階層なので、私達より長い付き合いのはず。
だが、テーブルを出してお茶会を始める仲だったとは。
「雪姫、今ドワーフと、お前の治療について話していたんだが」
治療について?ずいぶん和気あいあいに見えたんだけど。
「やはり、此処での治療は無理です。一度ドワーフワールドへ来ていただいて、処置することにしました」
入院かよ・・・・。
「ドワーフワールドでの治療は、約1日です。ラムタ世界では1月程となります」
ドワーフワールドとラムタ世界には時間差がある。
「ここにギルドを建てて、雪姫さんはその態勢のまま指示を出したり、ギルドの運営をすることもできますが、どうしますか?」
それさっき聞いた。却下の方向で。
「入院します・・・させてください」
選択肢はない。1拓だった。
「わかりました。では空間ごとドワーフワールドへ移動します」
そう言うと、パトランプを取り出し、頭に乗せ『うーうーうー』と発声するドワーフさん。
私の知る限り、あなただけは真面だと思っていた、私の概念が崩れ去った。
「では雪姫、私たちは先に戻っています」
「にゃん」
「自分は皆に事情を説明し、出版・・・もといであります。大隊長殿の成果を報告するであります」
「雪姫、心配はいらねぇ。退院した時は新居を用意しておくからな。新婚生活楽しみにしてろ」
「ドワーフ様、申し訳ありません。こっちでやることが多いので、私は残らせていただきます」
不安しか残らない言葉を聞いた私は、一瞬でドワーフワールドへ送られた。
「雪姫さん、あなたの症状は、『重加重の打ち出の小槌』によるものです。重加重の打ち出の小槌の持つ魔力と、アブソリュートの魔力、そして、あなたの魔力の相性が、ありえないほどマッチングした結果、暴走状態に突入しています」
手術台に寝かされた私は、ドワーフさんから説明を聞いていた。
「専門用語で『ベストマッチング』と呼ばれる症状で、治療法は1つだけです。外部から制御用の魔力を送り込み、小槌、アブソリュート、あなた、それぞれの魔力を制御しつつ、暴走が起こらないように魔力の融合を行います」
それって痛くない?
「痛みはありませんが、体にこれを貼り付けます」
スライム?それってスライムだよね?
「スライムは体の99%が魔水で出来ています。魔水に私の魔力を籠め、雪姫さんの体に張り付けるのです」
スライムは結構な大きさだ。電子レンジ程はある。
「全身にくまなく・・という方法もありますが、一般的には背中に張り付けます。重さは感じますが、痛みは無いので2週間の辛抱になります」
2週間、あれを背負うのか?この際、格好が悪いとか言ってられないよね
「あっ!でもこのスライムは生きていますから、話相手にもなりますよ」
生きてるのかよ!!肩の上のミサキさんの次は、背中のスライム。私って何かの呪いにかかってるんじゃ・・・あれ?全身もアリなんだよね・・・
「ドワーフさん!お願いがあります!」




