ギルド スノープリンセス2星猫編 魔界でも③
「閻魔様にご報告します!『塗壁一族』の領地は全面凍結。高さ約3000mの氷に覆われた模様です」
「ご報告します。『一反木綿一族』領地の完全凍結を確認」
「緊急報告『砂かけ一族』『子なき一族』『ねずみ一族』氷漬けです!」
ああああ・・・次々と報告が入ってくる。
「こりゃ『ゲゲゲ』領域は壊滅だな」
私のせいか?私がやっちゃったのか?
「都合良いじゃねーか。ゲゲゲって言や、魔界3大組織の1つ。お前の目の上のタンコブだろ」
「ええ、周りは敵だらけの貴方にとっては、好都合よ」
「雪姫さんに感謝だよ」
と、パルムさん、セシルさん、アリッサさんは言うのだが・・・
「先に凍らせた方の連中とは、何の協定も結んじゃいないが、ゲゲゲの方は軍事協定を結んでいたからな。いきなりズドンは協定違反だ」
何やら約束事があったのか?そりゃ不味いよね。
「へっ!魔族の協定なんぞ糞くらえじゃねぇのかよ」
「そうよ、魔族のくせに約束と協定って無いわ」
「雪姫さん、軍法会議で死刑になるの?」
パルムさんとセシルさんの弁護はあるが、やっちまった内容からアリッサさんの言葉通りになる気がする。
「異議ありであります!」
飛鳥さん!!!
「あの氷が大隊長殿のアブソリュートで作られた証拠の提示を求めるであります」
そうだ!まだ私がやった証拠がない。第2のアブソリュート使いが現れたのかもしれないし!
「証拠か?あの氷から雪姫の魔法の匂いがする。雪姫の魔法確定だ」
げっ!
「更に異議ありであります!」
飛鳥さん!頑張れ!!
「動機が無いであります。大隊長殿はゲゲゲ領域に恨みもなく、魔法を使う動機が不明であります」
その通りだ!私には何の動機もない。
「ストレスでも溜まっていたんじゃねーか?俺もイラっとすると嫌がらせの閻魔砲を撃つからな」
あんたも撃つんかい!!
「ストレスでありますか。大隊長殿のストレスは、ラムタ世界では有名な話であります。納得であります」
納得しちゃうの!?
「雪姫!!!」
今度はミサキさん登場だ!私を守る精霊の反論だ!
「しっかりお勤めしてきなさい。もしも死刑でも、頑張れば私のような精霊に成れます」
「にゃ」
「大隊長殿、みんなで面会に来るであります」
「テト、犯罪者にはなりたくありませんね」
「にゃ~ん」
おいおい!マジかぁぁぁ!!!
「皆の者!容疑者の雪姫を逮捕だ!!」
うわぁぁぁぁ拘束されちゃった!!
「閻魔様、天界よりティナ様がお越しです」
そんなタイミングでティナさんが来る。
「アリッサ!『シリウス』を連れて来い。ミサキさんに渡せ」
タヌキにシリウスって名前?
「ミサキさんは一度、隣の部屋へ隠れるのよ」
なぜに?隠れる必要が?
「ミサキさんは何も喋らず、ウンウンと頷いているだけでいい」
「後は私たちに任せるのよ。ティナの扱いは慣れているわ」
「ミサキさん、シリウスだよ。抱きかかえて、呼ばれたら出てきてね」
ミサキさんはタヌキを抱きかかえると、肩にテトを乗せたまま隣の部屋へ行く。
「お久しぶりです。遅れてすみません」
ティナさんが来た。相変わらず後光がさし、ザ・女神の名にふさわしい美しさだった。
「暫くであります」
飛鳥さんが握手する。
「えっと柊さんは、どうしてお縄になっているのですか?結わかれる趣味とか?」
違う!!実は、これこれしかじかで・・・。
「OUTですね。いくら魔界でも、それはOUTです。だからランク分けして差し上げたじゃないですか。ティナはプンプンです」
そんなぁ~~~
「私、遣った記憶が無いんだよ。私は無罪かもだぁ!」
「犯罪者はみんなそれを言うな。連れて行け。後で地獄チャレンジだ」
天国orが無い!いきなり実刑かよ!?
「待ってください。記憶にないというのなら、地獄送りはあまりにも無慈悲です。女神としての慈悲を与えます」
ティナさんは両手を広げた。
「神の加護『柊さんの過去よ、甦れ!!』です」
壁に『3・2・1・0』『天界女神映像社』とロゴが映し出され、映像は始まる。
「おんぎゃーーーー」
生まれた時からかよ!!!
「ティナ殿、大隊長殿は『雪姫』と改名しているであります。柊は日本名であります」
「そうでしたか。ではやり直しです。神の加護!雪姫さんの過去よ、甦れ!!です」
今度は森の中を逃げる私の姿が・・穴から落ちた直後の映像だった。
「ティナ、早送りよ。この事件は10時間以内なの。すっ飛ばしなさい」
「はい!神の加護!直近10時間前まで早送りです!」
これで私が撃ったのか分かる。なぜ?なんで撃った?
閻魔大王土下座。
「たくよ!てめぇーが、そそのかしたんじゃねーか!」
「酷い話だわ。罪を雪姫さんに擦り付けるなんて」
「雪姫さん、魔界凍らせちゃっていいよ。好きなだけ凍らせちゃいな」
「賠償請求モノであります」
「はい。極悪非道です。母に報告します」
過去を見た私たちはビックラこいた。
確かに撃ったのは私だった。でも、閻魔様に『撃て』と言われての事。
「返す言葉もありません」
土下座したまま、おでこを床に付け謝る閻魔大魔王。
ドン引きしたのは私達だけではなく、私を拘束していた閻魔様の部下たちも同じだった。彼らは『ヘラヘラ』笑い、謝りながら、私を縛るロープを解いた。
「何でもします。どうかお許しを」
閻魔様はダダ謝りだった。
「なんでもか?そうだな」
パルムさんが髭を弄る。
「なら、あれね。あれを雪姫さんに譲りなさい」
「うん。あれなら雪姫さんが使えるよ」
あれ?あれって?
「ん~~~~~~致し方ないな。悪いのは俺だ。責任はとらねば。愛実、あれを」
少し悩んだが、閻魔様は愛実さんに言いつけた。
「『重加重の打ち出の小槌』だ。これがあれば、アブソリュートのパワーアップと使い勝手が良くなるはずだ」
重加重?それって、白姫さんと銀姫さんのお母さんの?
「重加重なら知ってる。使える人がいるけど、私のアブソリュートには効果が無いって・・」
銀姫さんは物理限界には効果が届かないと、言っていた。
「なんだ、こんなレアな魔法を使える奴がいるのか?」
閻魔様も驚き。
「こいつは、その手の魔法の上位互換アイテムだ。閻魔の宝物だからな」
「そうそう。使えるのは持ち主だけだけど、アブソリュートにも効果はあるはずよ」
「これで雪姫さんは、鬼のように強くなれるよ」
鬼のようにかよ?
「まぁ後で試してみるのがいいわね。発動体制まででも効果は分かるはずよ」
セシルさんに言われ、私は後で試すことにした。
「いつまで待たせるつもりですか?私は待つのが大っ嫌いなんですよ」
襖が空き、隣の部屋にいたミサキさんが顔を出す。
「にゃーー!!」
テトも出ていた・・。




