ギルド スノープリンセス2星猫編 ミサキ昇華④
「思い切った判断ですが、先々を考えればベストの判断ですね」
「にゃん!」
ソーマとヘレン、アリサちゃんとギャリソンでマックスの館に来ていた。
敵の襲撃があっても、私は呼ばれるまで出ないと言ってある。
私と飛鳥さん無しで戦えるか?の試験的な意味合いもある。
「たぶん大丈夫です。魔人族に伝えてある秘密兵器。あれならロプロスに対抗できるはずです」
まだ知らされてはいないが、ミサキさんが言うなら行けるはずだ。
「ブルックの奴、背広で記者会見してたぜ」
「凄くカッコよかったね」
「トップギルドのマスター交代、どのTVも特番だらけです」
私がギルマスを降りる話は『魔女引退』と騒がれ、ラムタ世界で話題になる。
ブルックたちと同じに、身辺整理だと思った王様にも言われた。
『戻らないときは、ガラの悪い冒険者と8か国の全軍、ギムを送り込むぞ』
ギムは不味い。
絶対の戻らないと、日本が滅んでしまう。
「まぁ、それだけ注目されているということだな」
「あなたの決断力、素晴らしいわ。パルムチームに欲しいわね」
「雪姫さんが来てくれたら、パパのチームから出ても対等に戦えそうだね」
そうそう、パルムさんたち3人も来ている。
なので世話係でギャリソンにも来てもらった。
「そっちのチームに行くと、軍隊を送り込まれるけど良いかな?」
苦笑いするセシルさん。
「後は敵を待つばかりか」
だね。
傾向から2週間ごとに来ているように思えた。
「科学班の作った装置より、ベルゼブブたちの方が性能が良いカモね」
それを頂けば、向こうの世界との行き来ができるようになるかもだ。
「ああ、トーレフに見せれば、すぐに『改』を作るさ」
「ええ、ムキになる姿が目に浮かぶわね」
負けず嫌いなんだね。
さて、ブルックはどうかな?意外と大変なギルマスの仕事、ちゃんとこなせてるかな?
「ブルック!大変じゃ!救援に出たギムの奴、敵と一緒に冒険者まで斬りおった!直ぐポーションじゃ!」
銀姫が叫ぶ。
「直ぐに誰かを行かせる!待っててくれ!!」
2つの通話機を同時に左右の耳にあてたブルック、鳴りやまぬ電話対応に大忙し。
「ブルック様、マリア様がダンジョン内で光子砲をお使いになって、ダンジョンが崩落、援助要請が来ています」
リアが通話機に出て叫ぶ。
「受付だよ。ガゼルのチームが戻らないんだけどね‥って、此処も地獄絵図だね。勝手に出た方が良さそうだね」
受付のジェシカ、救援要請を出しに上がってきたが、執務室が凄いことになっているのを見て、自分でゲートルームへ行く。
「お銀!ヤマサのチームからの援助要請はどうした!?全滅しそうだってよ!」
「そこはマリアに行かせたところじゃ!」
「マリア様はロデオのダンジョンです!」
「こりゃいかん!指示を間違えたようじゃ」
「誰でもいい!早くヤマサの救援に行かせろ!!」
「サマンサ様から、指定場所に来たけど誰も居ないと、ご連絡です!」
「ブルック!アーロンが迷子じゃ!ここどこ?とか聞いてきおった!」
バタバタ状態だった。
「お忙しい所、申し訳ありませんが、ゴルノバ王より至急来いとの連絡が届いております」
そこにジェームス係長。
泣きそうになるブルックと銀姫、リア。
その夜、大いなる反省会が開かれた。
「リア・・何が悪い?俺と雪姫のどこが違う?」
クタクタになり、机に顔を付けてリアに聞くブルック。
「はい・・・マスターは、ギム様とマリア様を離しません。マリア様にギム様を監視させ、光子砲の使用には許可を求めます。後は状況により、Bチーム※を事前に用意し、指示間違えなどはしません」
※Bチームとは、救援の際に幹部で構成するのがAチーム。幹部不在の職員で組むのがBチーム。Bチームに冒険者を入れるとCチーム。
雪姫は救援の難易度により、使い分けている。
「無理だ。俺たちにはあいつのようなスペックはない」
「わらわもそう思うぞ。あ奴はこれをサラッとやっておったのか?」
「姫は天才ですね‥僕はもう無理です」
ブルック、銀姫、アーロン・・1日で音を上げる。
「リア、明日からお前が雪姫をやれ。雪姫の近くにいたお前なら、雪姫の思考を再現できるだろ?」
「で、できますが、それにはギルドマスターの権限が・・」
「そなたに委譲じゃ。すべての判断は任せる故、リソースの全てを雪姫コピーに回すのじゃ」
「ええ、責任はブルックが取ります。取らせます」
そして丸投げした。
「はぁ…頑張ります」
3代目スノープリンセスギルドマスター、1日で前マスター秘書に全権委譲となった。
「きっと頑張ってくれてるよ」
隠居1日目を終え、私は頑張る姿のブルックたちを想像しながら言う。
「だとよいのですが」
ギャリソンが言うが、仮にもマックスと共にギルドを立ち上げた1人だ。
遣れるはず‥いや遣らねば。
「泣き言の連絡がこないということはさ、うまくやれたんだと思うな」
私は信用して任せたんだ。大丈夫なはずだ。
「まぁ、リアが居ますので、万が一の場合はリアが雪姫様の代わりをするので、大事にはならないはずでございます」
ギャリソンの方がブルックや銀姫をよく知っていた。
「あはははは。それじゃリアちゃんがギルマスに成っちゃうんだね」
私は笑っていた。
「さて、雪姫。ソーマ達はもう寝ましたよ。私たちも休みましょう」
おっと、もうこんな時間だ。
肩から荷が下りたせいか、なんか気分が楽だ。
1時を回り、深夜でも翌日を気にせず話し込んでいた。
パルムさんたちは部屋で休んでいる。
私はミサキさんと自分の部屋へ来た。
「雪姫!!」
「ふにゃーーーーー!!」
「うん!」
窓の外で気配がした。




