ギルド スノープリンセス2 星猫編 雪姫陥落?④
1階層の、魔の一族の世界から戻ってきた雪姫達は、マックスの館に居た。
「マリア、リアちゃん、クレアちゃん、スケベ爺の死亡時の映像再生して!」
私には確信があった。尻を触る手から力が抜けた瞬間。あの時に、こと切れたはず。
私が払いのけた手は『死人の手』だ!
3つのモニターに、マリアとリアちゃん、クレアちゃんの見ていた画像が送られる。
「そこ!ストップ!」
リアちゃんとクレアちゃんの見ていた記録動画に、尻から手が落ちる瞬間が映っていた。
「リアちゃん、心音の確認。どこで心臓が止まったか?今の瞬間と比較」
「はい。入室時からの記録と照合します。平均鼓動は2.1秒に1回でした。ですが最後の鼓動から、マスターが手を振り払うまでは、4.3秒間、鼓動は確認できません。おじいさまのセリフ『ええ尻じゃのぉ。わしゃ幸せじ・・ゃ』の『じ・・』の部分が最後の鼓動になって居ます」
よし、私は無罪だ!
「マスター、これをご覧ください」
マリアの見ていた画像に、ガイがガッツポーズをするシーンがあった。
「丁度ご臨終が伝えられた時の映像です」
あいつ・・・私に始末させようとしてたな?
「死んでから1日も5秒も変わらないよ!私は死人の手を払いのけたんだ!。それにガイは、私に止めを刺さすように仕向けた。最初から描かれたシナリオだったんだ!」
なんか冷ややかだが、それでも納得するメンバーたち。
「まぁ、確かに言われてみればじゃな」
「マスターの言う事も、一理あると言えば、あるような気もします」
銀姫さんとテレサは、うーーんと唸りながらも納得。
「そう言う事にしておくか?後味悪くなるしな」
ブルックも仕方なく同意。
「ですね・・姫の胸の攻撃力は皆無でも、お尻には殺傷能力があった・・という事が分かって良かった・・という事にしますか」
「がおがおがお」
「ダイル様は、殺人ヒップだと申しております」
「苦しいですが、胸より尻の雪姫様・・という事で結論といたしますか?」
なんか釈然とはしないが、私の殺害疑惑は晴れた。・・晴れたんだよな?
「じゃが問題はそれだけではないぞ。問題は全部で3つじゃ。あと2つ残っておる」
銀姫さんは指を2本立てて言う。2つ?まだ有ったっけ?
「うむ。2つ目はプロポーズ問題じゃ」
ヴぇ・・。
「相手の男は、正面から正々堂々と告ってきおった。雪姫が逃げるのは許されぬぞ」
「ああ、そうだな。あいつが見せた男気に、お前も乙女心で答えないのは、不義理だ」
銀姫さんとブルックの言う事は分かる。
「マスター、今後ないチャンスかもしれません」
「マスター、ギムよりは大分落ちますが、それでも水準以上の相手だと思います」
リアちゃんとマリア。
「がおがおがお」
「ダイル様は、結婚すれば少しは落ち着くかも、と申しております」
「姫、お嫁さんに成るのは女の子の夢だよ」
ダイルとトーマ。
なんか、私に恋人ってのも・・って違う!
「私は断った!好みじゃないよ。自分の親を仕留めさせようなんて考える奴。それに第3夫人ってなんだ!」
「雪姫、第3でも嫁には変わらないぜ」
「うん。雪姫マスターって、相手を選ぶ余裕ないかも」
グハァ・・・子供たちまで。
「とにかく!私は断ったから!誠意は見せたから!この話はここまで!これはギルマスの命令だ!!」
「職権乱用でございますか?まぁ、後程ギルド会議にて、結論を出すとして、3つ目の問題でございますが・・」
会議に掛ける内容なのか?
「3つ目はだな、俺たちが嘘をついて動いた件を、どう雪姫に誤魔化すかだ」
おっと、その件があったよな?
私は、騙されていたこと自体には、怒りはない。私たちを心配させたくない、と言う想いは当然で、ぎりぎりの判断だったと思える。
だが今は、私にプロポーズ問題が出ている。主導権を握る為にもここは強く出て・・。
「雪姫様、問題は3つではございません」
そこにジェームス係長が来た。
「これをご覧ください」
TVを付けた。
『特番 雪姫殺人事件徹底推理』
なんだ?これは?
「どうやら、1階層での出来事が、一部誤解されたまま、ラムタ世界で広がってしまったようです」
なんで?
「雪姫様のプロポーズ問題、結婚問題、ご老人殺人疑惑。これらの情報が、リアルタイムでラムタツイッター投稿されていて、ラムタでは大騒ぎになって居ます」
それって・・・
「ミサキさんかぁ!!!」
なんか静かだと思ったら、やらかしやがっていたのか!?
「きゃははははは!!バレてしまいましたか」
バレたではない!!
「なぁ雪姫、普通にいたから突っ込まなかったが、そいつってミサキだよな?」
「あたいも気が付いては居たけど、みんながスルーしてたんで。言わなかったけど・・」
そっちの説明が先か?
私はブルックたち『私を騙して解呪に走っていた組』に、ミサキさんやサーヤ、そして星猫の説明した。
「ふむ、主が良しとするなら、わらわたちは何も言うまいが、わらわは信用はせんぞ」
「ああ、俺も銀と同じ意見だ。お前が信用するというなら反対はしないが、俺たちは警戒するからな」
「あたいもいいと思うけどね。でも雪姫の付き人なら、しっかり付き人としての教育をしないとな」
早速付き人がやらかしたから、そこを突かれる。
「わかってる。これからちゃんと教育するよ」
「きゃはははは!私の教育は大変ですよ」
「にゃーーーー」
本人が言うな。
「銀河の卵の星猫や女神、ハエとかいう敵が現れ、雪姫の評価がまた落ちて、今度は殺人容疑までかけられている。どこから手を付けるよ?」
ブルックが腕組をして悩んだ。
「それからもう一つ、気になる情報があります。雪姫様は『柊』と言う方をご存でしょうか?」
それ、私だよ。
「うん。柊は私の前の世界での名前。それがどうしたの?」
「昆虫域からランス、ルーラン国内で、柊と言う名で探している3人連れの者がいる、との情報を入手しております。これがその3人の写真ですが見覚えは?」
アリスさんだ!いや、、アリッサさんかな?
他の2人に見覚えは無いが、1人は確かにお母さんのアリスさんか、娘のアリッサさんだ。
「うん、一人は知り合い。サーヤさんの事かも。連れてこれるかな?この3人」
ジェームス係長は、頷く。
「では、ここにお連れしますが、一応安全の確保はさせていただきます」
「うん、お願い。後サーヤさんとマリリンさんも一緒にね」
ジェームス係長が下がる。
私は、穴に飲まれた時のことを話す決断をする。




