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ギルド スノープリンセス2 星猫編  雪姫陥落?②

「よし、いったん落ち着いて話そう」

ガイは気を取り直し、雪姫に近寄る。

「今は呪いの話だ!」

私は『解呪』のために来たんだ!婚活しに来たわけじゃない!

「マスター?」

リアちゃん、もう大丈夫だよ。

「良いんですか?2度と男性からプロポーズされることなど無いかもですよ」

おい。

「そうだぞ雪姫。主のチャンスはそう多くはないぞ」

「がおがおがお」

「ダイル様は変温動物です。ブリザードで冷えたから冬眠する。春が来たらお祝いするから起こしてくれ、だそうです」

上手くない!春が来るかぁ!私ゃ結婚なんかしないから!


「とにかくだ!呪いの解呪が先だ!」

『雪姫!気を確かに持つんだ!』私は自分に言い聞かせ、前に出る。

「まぁ、それも良いか。片がついたらゆっくり話を聞けよ」

片がついたら、慌てて帰ってやる。

「2つ目も合格だ」

ガイが言う。

2つ目とは、魔の一族との契約解除の条件の事。

「両親と言ったよな?ならお前も白の一族ってことだ。アブソリュートは、俺たちの力の上の上を行く魔法だからな。力を示したのは確かだ」

ガイは、椅子に座る。

「3つ目だ。対価をよこせ。契約の解除に見合う対価だ」

ブルックと銀姫さんが見つめ合う。

「対価って、何が欲しい?」

「金か?金でいいのなら望みの額を払うぞ」

ガイは首を振る。

「俺たちが言う対価とは、魂。つまり寿命だ」

こ、こいつ!!まだ命を!?

「まぁ聞け。俺たち『魔の一族』は、命を糧に生きる種族だ。強大な力を授けた代わりに、寿命を貰い生きている。契約は尊いもので、本来解約は受け付けん。だが命故に、その重さは理解している。条件を持って解約にも応じている」

それで解約に、命を差し出せと言うのか?

「1人だ。1人の命で、お前たちが言う『呪い』は終わる。悪い話ではないと思うがな」

私は、こんなやつからのプロポーズに熱くなったのか!

「ガイさん!話と違います!」

ルナさんが割って入る。そして後ろ向きにコソコソと話し出す。


『いいよ・・・命が欲しいならくれてやるさ』

私の言葉に驚いたのは、ブルックたちだ。

「やけを起こすな!おちつけ!」

「主はどうして、そうも導火線が短いのじゃ!」

「マスター、落ち着いてください!」

「そのセリフ頂ですよ!合わせて良い顔の写真も撮れましたね」

「にゃーーーー」

私は落ち着いてるよ。差し出す命は、私たちからじゃない。魔の一族たちの命だ。

「この世界を凍らせてやる!魔の一族を全員だ!好きなだけ、その命を食えばいい!全滅して悔め!!」

ガイやルナ、ブルックたち、全員が『うあわぁぁぁぁぁ』と言う顔になる。


「とんでもね―女だな。まぁそれも嫁としてはアリなんだが・・」

まだ言うか?

「3つ目の条件、どうする?私にアブソリュートを撃たせるか?それとも大人しく解呪するか?」

私が迫るとガイは笑いながら言う。

「実はな、予め解約の条件に付いては、ルナタンと話はついていた。お前を困らせれば嫁に来るのかと思ったが、だめだったな」

ルナタンだと!?

「契約は契約した本人にしか解約ができない。本人が納得して『力の返却』を受け入れれば、契約はそこで終わる。その他は、契約した者が死ぬ以外の契約の終了はない。解約を担当する俺たちが、本人に代わり条件を与え、解約資格ありと判断すれば、契約者には解約の義務が発生する。本来の3つ目の条件は『契約で得た力の返却』だ」

ガイは解約担当窓口係・・という事か?

「だが、今回の解約は、ある事情から厄介でな。なので3つ目の条件は『お前たちが契約者を説得する』という条件に変更した。うまく納得させられれば、白の一族の力はそのままで、呪いだけが消える。説得できれば美味しい話だ」

なら簡単だ。そいつを凍らせればいいだけの話だ。

私はニヤリと笑う。

「流石は俺の嫁。気が付いたようだな?そうだ、殺してしまえば、契約は終了する。白の一族の力も残ったままでな」

ガイが言う。

「マスターの笑い方、今まで一番不気味でした」

リアちゃんに言われる。

「ヘレン、俺・・なんか雪姫が怖くなってきたぜ」

「うん・・私も・・魔女って、本当だったんだね」

ソーマとヘレンにも言われた。

「これまたいい顔が撮れましたよ!きゃはははは!恐ろしい顔でしたね。これには、なんとタイトルを付ければ良いでしょう?」

「にぁんにゃん!」

外野が五月蠅いが、とにかく今は呪いの解呪だ。

「ついてこい」

ガイは部屋を出た。私たちはぞろぞろと後に続く。


来たのは老人が寝ている部屋。

「俺の親父だ。もう長くはない」

老人の息は、今にも止まりそうなほど静かだった。

「親父が契約者だ。解約が困難だと言ったのは、だいぶボケてて、息子の俺も分からない程だ。1500年前の契約を覚えているとは思えねぇ」

寂しそうな顔で、寝ている父を見るガイ。

「俺たちは同族同士の殺し合いは禁じられている。だが、契約者の一族のお前なら、解約のための決闘を申し込む権利がある」

ちょっと待て!私に何をさせようと言うんだ!

「仲間の命、掛かってんだろ?俺に向けたお前の殺気は本物だ。なに、これは正々堂々とした決闘だ。俺の親父は契約者の怒りに任せた決闘を受けて立ち、立派に死んだってな・・・。俺とお前の子共たちに話せるさ」

色々突っ込ませろ!!

「雪姫、わらわも死にとうない。じゃがな、ご老人の命まで奪い、後悔の念を持ち続けて生きるのは嫌じゃ」

呪いは銀姫さんに?

「運を天に委ねるとしよう。わらわの命運が尽きるのが先か?ご老人の天命が尽きるのが先か?良いなブルック?」

「ああ、俺もそれが良いと思う。お銀が死ぬのは考えたくもねーがな。一生後悔はしたくねぇ」

自分が生き残るために誰かを殺す。そんなことできるはずがない。



「お前らは優しいな。死を前にしても、我が道を貫ける強さ。敬服するぜ。・・・・雪姫、1つ頼みがある。親父はもう長くはない。親父に安心して旅立ってもらいたい。嘘でもいい『俺の嫁になる』と、1言だけ伝えてやってはくれないか」

え?いや・・

「マスター、お引き受けしてあげてください」

「雪姫様、ここは演技でも、人の道でございます」

テレサとギャリソンが言う。

「ついても良い嘘ってあると思うぜ」

「うん。温かい嘘は嘘じゃないと思うな」

ソーマ・・ヘレン。

「わかった。お父さんを安心さててあげよう」

私は寝ている老人の横へ行く。

「聞こえますか?」

優しく声をかけた。

「あ?だれじゃ?」

弱々しく声が返ってくる。

「私は、ガイさんのお嫁です」

「ガイ・・・だれじゃ?それ」

ボケてしまって、自分の子も分からないか・・・。

「不束者ですが、よろしくお願いします」

「ああ、嫁か?・・わしの嫁か。そうか・・・こんな可愛い子が、わしの・・」

違う!あんたのじゃない!

「ひゃ!?」

って、尻に何やら・・って爺さんの手かよ!

「ええ尻じゃのぉ。わしゃ幸せじ・・ゃ」

死にかけ爺が、尻を触る元気があるのかよ!

「このエロ爺!!」

私は爺の手を振り払った。

「尻を触る元気があるなら、覚えてるよね?白の・・・え?」

え?え?息してない?え?

部屋のドアが開き、医者らしき人物と、看護師らしき人物が入ってくる。

そして・・・

「ご臨終です」

え?死んじゃったの?


「雪姫が殺した」

ブルックが呟くように言う。












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