ギルド スノープリンセス2 星猫編 雪姫陥落?①
書き貯めていた30話ですが、このまま毎日1回更新を続けます。何とか1部終了までは・・。
ゲートから出た雪姫達が目にしたのは・・。
地に落ちた白鳳と白龍。裏返しになって居る白武。片膝をつくサマンサ、その横に倒れているノアと氷姫。
1人の男相手に戦っているブルックと銀姫、アーロン君、ギャリソンと白虎。
その戦いを取り囲むように周りで見る多くの男たちは、にやにやと笑っていた。
「アブソリュートスノーーー!!梅だぁぁ!!」
ブルックたちが戦うのが魔の一族。私はノータームでアブソリュートを放つ。
男の胸に穴が穿かれた。
「うっ!」
驚いた男は、次の瞬間、凍り付く。
「こ、これは!?」
ブルックが振り向く。
「ギルド、スノープリンセス参上!」
ソーマとヘレンが旗を高々と掲げ宣言した。
「なんで雪姫がここに来るのじゃ?」
「これはバレてしまいましたな。相当お怒りのお顔でございますな」
「姫・・ぼくは・・・」
ゆっくり歩み寄る雪姫の顔は、一目で怒りに満ちているのが分かる。
「雪姫、落ち着け」
尋常の怒りではないと悟ったギムが、雪姫の前に行く。
「どいてギム」
ギムが雪姫の怒りに気圧される。
ギムが道を譲り、雪姫は銀姫の・・・
「雪姫、これはじゃな・・」
横を通り過ぎ、ブルックへ向かう。
「雪姫、落ち着け、俺は・・・」
ブルックも眼中にはなかった。
「出てきやがれ!!!マックスと白姫さんを殺した呪い!掛けたやつは出て来い!凍らせてやる!!!」
雪姫が男たちに向かい叫んだ。そして体からは絶対零度の冷気が噴き出す。
「雪姫さん、落ち着いてください!」
冷気を見たルナが駆け寄る。
「下がってて。私は絶対に許さない!あの2人を!私の両親を殺したやつを!!」
冷気は、更に激しく噴き出した。
「お前の両親?白の一族か?あれは双方が納得した上で行われた契約だ」
1人の男が前に出た。
「お前か?」
雪姫が睨みつけた。
「契約が履行されただけだ。文句を言われる筋合いはないな」
雪姫の中で何かが弾けた。
「何が契約だぁ!!白姫さんの流した涙を知っているのか!マックスの悔しさが分かるのか!!契約がなんだぁ!」
冷気は回転を始め、渦を作り出す。
「あわあわわ・・・逃げてください!もうこうなると止められません!」
ルナが男たちに言う。
「逃げるだと?魔の一族が?たかが低温魔法ごときにか?」
男は鼻で笑うが、ルナは真剣そのものだ。
「馬鹿言わないで逃げて!世界が凍り付きます!雪姫さんはアブソリュート使いです!星1つ、丸ごと凍らせることが出来るんです!」
アブソリュートと聞いた男が、驚きの顔になる。
「こいつ・・こいつが、あのアブソリュート・・使い?」
雪姫を中心に絶対零度の冷気は渦を巻く。男からは雪姫の姿が見えなくなっていた。
「もうダメです!これMAXの奴です!世界が凍り付いてしまいます」
ルナが恐怖の顔になる。
「こいつが・・アブソリュート使い・・」
男は絶対零度の冷気の渦の中に歩を進め、雪姫の前に立つ。
「すげぇ・・これが伝説の・・氷をも凍らせる・・」
渦が消えた。アブソリュートの発動態勢が整った雪姫が姿を現す。
「氷の中で悔やみ続けろ!!」
雪姫が構えた。
「惚れた!俺の嫁に成れ!」
「おうよ!覚悟しやがれ!アブ・・・・ヴぇ?」
「惚れたぜ。お前しかいない。アブソリュートを持つお前しか、俺の嫁に成れる奴はいない」
「な、な。な。なにを!なん・・・なん・・なんなん・・」
固まる雪姫。そして顔が赤くなり、耳から冷気が噴き出る。
「チャーム・・で、ございますか?」
「あいつになら効果あるな」
「わらわも免疫がなかったからのぉ。ブルックに言い寄られ、ついOKしてしまったわ」
「やべぇぞ。俺が求婚した時のヘレンの目になってるぜ」
「うん。あれ・・・やばい目だよ」
「がおがおがお」
「ダイル様は、落ちたなと申しております」
「ルナ!アンテナです!今の顔を拡散しなければ」
「にゃん!」
「お、お前、何を言い出す!凍らせるんだからね!」
慌てまくる雪姫に、男は抱き付いた。
「ひゃーーーーー!!!」
「俺は、魔の一族『ガイ』だ。一生大切にしてやる」
耳元で囁かれ、目がグルグルする雪姫。
「だ、だ、だ、だまれ!お前はマックスと、ししし白姫さんの、かたかた仇!」
「呪いを掛けたのは俺じゃねぇよ」
「え?」
「お前の仇は、俺じゃねぇ。な、だから俺と・・」
雪姫、生まれて初めての男性からのアプローチに、目はグルグル、頭の中もグルグル。気が遠くなり、そこで失神。
「・・・・・」
ガイの腕の中で気を失った。
「良い写真が撮れました。これは高評価でしょう」
「にゃーーーー」
ミサキがテトとハイタッチを交わす。スルリとミサキの手はすり抜けるが、テトは満足げだった。
「ん・・・」
目を覚ました雪姫。ベットに寝かされていた。
「気が付きました!」
リアが居た。
「告られて失神たぁ、どんだけ男日照りだったんだよ」
ブルックも居た。
「情けないの。わらわは気を失ったりは、せんかったぞ」
銀姫も居た。周りにはテレサや飛鳥、ギムやマリア。全員が心配そうにしていた。
「雪姫さん、落ち着いてますね?話を聞いてくださいよ」
ルナさんが私を覗き込む。
「こちらの方とは、条件のクリアの為の戦いの最中だったんですよ」
条件・・ああ。そういえば聞いた気が。
「契約者と会うための条件は3つです。1つが『要求されたアイテムを探してくること』。これはブルックさん達で探し出しクリアしました。2つ目が『力を見せる事』です。魔の一族の代表と戦い、自分たちには力がある。もう契約継続の必要はないと、証明することです。ブルックさん達は、証明する戦いの最中だったんです」
ブルック・・・居たような気がしたな。
「駄目だ。呆けて居やがる」
ギムが呆れた。
「マスター?大丈夫ですか?」
リアちゃんに心配されるが、私はよく覚えていなかった。なんか魔法の直撃を食らった気がするんだが。
「目が覚めたか?」
まだ呆けてる雪姫の前に、ガイが来た。
「改めて言おう、俺の嫁に成れ」
「ヴぇ!」
思い出した!こいつにアブソリュートを食わせようとして、魔法を食らったんだ!
目をキッと引き締めた雪姫はベットから降り、ガイの前に立った。
そして壁ドンを食らう・・・。
「幸せにしてやる。信じろ」
男性の顔が目の前に。熱いまなざしが目線を遮る。
「子供は多い方がいい」
魔法の声が体を駆け巡る。鼓動が乱れ太鼓の様に鳴り響く。
「いい家庭を築こう」
ガイの唇が、雪姫の唇に近づいてくる。
「・・・ぶ・・・ブリザードだ!」
狭い部屋で放たれたブリザードに、ブルックたちも真っ白くなった。
「ここで撃つのかよ」
「姫なら打ちますね」
白くなったブルックとアーロンは呟く。
「プロポーズのお返事には、珍しい返しでございますな」
ギャリソンが顔に付いた霜を払いながら言う。
「嫁とか、訳の分からないことを!これ以上迫ると、アブソリュート特上だ!」
私の体から冷気が噴出した。
本気なんだからね!




