ギルド スノープリンセス2 星猫編 神④
「わかりました。マスターの代わりに、魅力と水着部門に出ますね」
マリアも快諾。
「調整は私がやりますね」
リアちゃんもOK。
これで準備が出来た。早々と発表するべきか?土壇場で言いだし押し切るか?
「参戦の意思表示は早めですが、ギルドの参加は土壇場が良いですね。なるべく批判を受ける期間は、短くするべきですよ」
だね。発表は決定戦当日にしよう。私は参加の宣言だけ出すことにした。
さて、チーム結成の話だが、って、アリサちゃんは既にソーマやヘレンと仲良く話していた。
「かるくダンジョンでも行ってみる?」
決定戦はめどがついた。2週間時間があるし、チームとして動くのも良いだろう。
「お?いいのかよ?」
「行きたいです!行きましょう!」
「ユキマス大好き!マリマスは勉強勉強で書類の勉強ばっかりです。ダンジョン行きたいです!」
良し決まりだ!何処へ行くかな?
「私が未発掘の遺跡を知っています。記念すべきチームの初探査に行ってみますか?」
ミサキさんが知る、未発掘の遺跡?そりゃ願ってもないけど・・・危なくね?
「雪姫、昆虫域にはゲートを繋げられますよね?」
しかも昆虫域かよ!?
「心配ですか?ならギムとマリアを連れて行けばいいですよ」
確かにそれなら・・。
「行こうぜ!雪姫!」
「うん!未発掘って凄いお宝があるかも」
「マリマスはリスクがあると、絶対連れて行ってもらえません。いい経験になると思います」
みんなはその気になってる。
「行くか?その未発掘に」
「にゃーーーーーーーー」
ギムとマリア、リアちゃんに同行してもらい、私たちはミサキさんの示す位置にゲートを繋げる。
「皆さん、気を付けてください。ここは昆虫域のカマキリ族の縄張りです」
ゲートから出ると、そのカマキリ族が10体ほど、こちらを睨んでいた。
が、私を見ると、一目散に逃げて行く。っていうか、必死に逃げやがった!
「良い虫よけスプレーが居るので、楽勝ですね」
ミサキさんに虫よけスプレー扱いされるが、概ね昆虫族は、私を見ると逃げてゆく。
凍らされた記憶だけは忘れないようだ。
「流石は雪姫だな。あのカマキリ族が逃げ出すとはよ」
「うん。あんなのにからまれたら、生き死にの問題だよね」
「ユキマスは、素で絶対防御が使えるんですね」
「喜びなさい雪姫。若い子たちから称賛されていますよ」
「にゃーーーーー」
全然嬉しくないよ。怖がられる存在ってなんだよ?
「ギム、そこの林、見通しを良くしなさい」
ミサキさんの指さす側にギムは構えた。
「ちょぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
相変わらず、出し惜しみをしない男だ。伐採に必殺技を使っていた。
「やべぇ、剣が折れちまった」
剣士の魂を伐採に使うからだ!
「ギム、代わりを異次元ポケットに入れてあるわ」
「おう!助かる」
持つべきは、気の利く愛妻だな。
「見ろよ!あそこって入口だよな?」
「うん。良い感じの入口だよ」
ソーマとヘレンが、ツタの絡まる石組を指さす。
「未発掘の遺跡ですよね?なんかワクワクしてきました」
アリサちゃんが駆け寄ってゆく。
「さぁ、行きましょう。何が出るかは、入ってからのお楽しみです」
「にゃーーーーー」
私たちもアリサちゃんの後を追った。
「マスター、この文字って・・」
見覚えのある形の文字が看板に書かれていた。たぶん、植物族が眠っていた宝の箱に書かれていた文字と同じだ。
「これもルナさんが書いたのかな?」
「マスターこれって『危険 立ち入り禁止』って意味です」
リアちゃんが解読してくれた。
「さぁどうぞ、と書かれた遺跡などありませんよ。たいがい『入るな』とか『呪う』とかです。気にしたら遺跡調査などできませんよ」
ごもっとも。
私たちは看板は無視。中へ入った。
石で組まれた通路を進む。
マリアとリアちゃんの目がライトになり先を照らす。
「ヘレン、足元が暗いぞ。気を付けろ」
ソーマがヘレンの手を取り、前を進む。
「うん。ソーマも気を付けてね」
そのソーマをヘレンが気遣う。
心温まる夫婦愛に、私は心の中で『チッ』と呟く。
この世界に来て4年目になる。未だ18歳 (見た目と自称)の私に『浮いた噂』の1つもない。
事実彼氏いない歴18歳+αだ。
10歳で夫婦のソーマ達を羨ましく見ていた。
「私も前の世界には彼氏がいました」
え?ミサキさんのコイバナ?
「しかし、サービス終了が早く、結婚には至っていません」
ソシャゲーの話かよ。
「貢ぐだけ貢いで、どれだけガチャを回したことか」
はいはい・・・
「にゃ~~~ん」
テトが同情したように鳴いた。
「雪姫は、前の世界に未練はないのですか?」
未練か?
「無い・・と言えば強がりになるかな?仲の良い友達も居たし、信頼できる人も居た。未練と言うか、素直に会いたいと思うな」
正直な気持ちだ。
ティナさんは、地球との接続を切っている。もう『穴』に拾われ、地球へ行くことはない。
もう、誰とも会えないと思うと、やはり切なくなる。
こんな寂しい思いをするなら、記憶が戻らない方がよかったと思うこともあった。
「友人しか出てこないと言う事は、彼氏は居なかったんですね」
くそ!読まれちまった!
「にゃぁぁぁぁぁ」
なんか残念そうに鳴かれた!
「私は戻りたいとは思いませんでしたね。この世界が楽しくて仕方ありませんでした。楽しくて楽しくて…つい羽目を外してしまいました」
世界征服が、つい羽目で済むかよ。
「もっと早く気付くべきでした。『この世界は素晴らしい世界』だと言う事に」
確かに遅かった。でも、まだ終わってはいない。
幽霊でもミサキさんはミサキさんだ。
「止まれ!」
ギムから声がかかる。
「前方から3体。未確認生物接近してきます」
リアちゃんも反応を捉えた。
「よし!ギルドスノープリンセス!戦闘態勢・・」
私の掛け声で、ギムが前に・・・だが。
「ギムとマリアは待機!アリサを中心にソーマとヘレン前へ!」
ミサキさんが指揮を執るようだ。ここは任せてみる。
私は目線でギムに下がれと命じた。
「へへ、実践だぜヘレン」
「うん。頑張ろうね」
「防御は任せてください」
3人はミサキさんの指示通り、ソーマ・アリサ・ヘレンの並びで私の前に出た。
「来ますよ!」
「にゃん!!」
通路の奥から現れた3体は、3mはある大蛇。3体は牙を剥きながら襲いかかってきた。
「ヘレン!借りるぜ!攻撃的防御!」
ソーマが真ん中から迫りくる大蛇の前に攻撃的防御を使う。大蛇は防壁に触れ爆裂魔法が発動。
他2体を巻き込み、あっさり撃破する。
「へへへどうだ!」
「ソーマ凄いよ!」
「うわ、なんですか、その魔法は?」
アリサちゃんはソーマ達を知らないから驚く。
「駄目です!そんな戦い方では、直ぐに死にますよ」
「にゃーーーん!」
敵は3体。ソーマが使える攻撃的防御は2枚まで。そしてヘレンからステータスを借りている状態では、ヘレンは無防備。
上手く3体巻き込んだが、避けられたらヘレンは自分を守れない。
ルクスさんの時と同じ結果になる。
「な、何が駄目なんだよ?全部倒したんだぜ」
「うん。ソーマが倒したんだよ」
ソーマとヘレンの戦い方自体に問題がある。ミサキさんは一目で気が付いたようだ。




