ギルド スノープリンセス2 星猫編 神③
昆虫域 北の果て。吹雪の中。
「良いのこっちで?だんだん吹雪がひどくなるわよ」
深紅の和服のセシルが言う。
「俺の感を信じろ。こっちに都市があると魂が訴えている」
屈強な男、パルムが言う。
「お爺ちゃん、セシル!あれ見て!海だよ。凍った海だよ」
ケインの父と母的な立ち位置のパルムとセシルは、ケインの子のアリッサにとっては、おじいちゃんとおばぁちゃんになる。
パルムは『お爺ちゃん』と呼ばれ喜んでいるが、セシルは『おばぁちゃん』を拒否。
「北端・・じゃないわよね?」
セシルがパルムを睨んだ。
「氷の魔導士は、氷に引き付けられるものだな」
パルムは氷の魔導士。
「冗談じゃないわ!引き返すわよ!3日無駄にしたわ!」
セシルは手から炎を出し暖を取る。セシルとアリッサは炎の魔導士だ。
「違うよ、往復だから6日無駄にしたよ」
ケインの送り込んだ別働隊は、迷子になって居た。
「王様たちが旅行?」
王宮に着いた私は、衛兵から聞く。
「15日間、お留守にされるとのことでした」
逃げやがった。クラリスをよこすから、確信犯だ。
「まぁ、当然ですね。怒り狂ったあなたに凍らされると思うのは当然でしょう」
私は話し合いに来たんだよ!
「世間はそんなの目では見ていませんよ」
「にゃーーーー」
息が合ってるね?
「あの2人、よくあなたを理解しているという事でしょう」
ニヤニヤしながら言われた。
「雪姫、どうせ王たちはあなたの支援です。今いなくても問題はありません。今はテレサとマリアに要請が先です。そして早々と宣言を出すべきですね」
流石に切れ者だ。私とは違う知識を持っているし、考え方が論理的だ。
先読みの私と、知識に裏付けされた論理思考のミサキさん。勘の良さと決断の速さのステラ女王とも違う切れ味がある。
「マスター見ましたよ。神になるんですか?」
テレサの居る2号店へ来た。
「がおがおがお」
ダイルからは拝まれた。
「意外であります。大隊長殿は、祭られるのは好まないと思っていたであります」
その通りなんだけどね。
私は説明し、理解を得た。
「私は歌唱部門に出ればいいですね」
テレサ快諾。
「自分は信者数部門に出るであります。冒険者は全体の30%。そして魔人族と合わせれば、60%の票は抑えられるであります」
これで5冠が見てきた。勝ち方は圧倒的が理想になる。飛鳥さんの参戦は望むところだ。
「がおがおがお」
「ダイル様は、私に水着部門は任せろと申しております」
ハイ却下。魅力と水着はマリアにお願いするよ。
「ララとルルが、まだ旅行中ですが、マリア様の調整はどなたが?」
おっとそうだった。ギムと2人に成りたいマリアは、自費でララとルルを旅行に招待していた。もう8か月前の話だ。
って、いつまで旅行中だよ!
「アイドルプログラムは簡単な調整だから、リアちゃんでもできると思うよ」
トーマも賛成のようだ。
「あっ!雪姫さん、いらしていたんですね」
マリリンさんだ。
「ユキマス、お久しぶりです」
当然のようにマリリンさんと一緒に居る、ギルドスノープリンセス所属の『アリサ』ちゃん。
そして、これもお約束のマリリンさんの挨拶相手は、まさかのミサキさん。
実体のないことで、初めてミサキさんだと気が付いた。
「ウ、ウォータースラッシュ!!!」
「絶対防御!!」
「にゃーーーー」
そう、この感じにも慣れた。
「あっ、そういえば聞いてました。すみません、なんか反射的に動いてしまいました」
「マリマス、私に攻撃しないように注意してましたよ」
自分で注意してて忘れてるのか?この人のパターンには、慣れる気がしない。
「あなたは・・・」
ミサキさんがアリサちゃんを見た。気が付いたようだ。アリサちゃんはミサキさんと同じ、絶対防御を持つ迷い人だ。
「驚きましたね。村で何度か見かけてはいましたが、スキルを隠していたとは・・」
村の管理をしていたクローンのミサキさんですら、アリサちゃんのスキルに気が付いていなかった。
アリサちゃんは
何かを感じ取り、自分の絶対防御を隠していたのだ。
「雪姫、この子を私に預けてもらえませんか?」
マリリンさんが、アリサちゃんの前に出た。
「駄目です!アリサはマーメードの次期ギルドマスター候補です。私が育てます!」
所属の登録はスノーなんだけどね。
世界はミサキさんを敵視していた。それは死後も変わらなかった。ミサキさんと繋がりの強かったマーメードドルフィン。そして同じスキルを持つアリサちゃん。何かと風当たりが強くなると予想したマリリンさんは、泣く泣く亜里沙ちゃんを私に預けたのだ。
「お願いです。同じスキルを持つ私は、多くのことを学ばせられます」
驚いたな。ミサキさんが頭を下げてお願いしている。
「マリマス、少しだけでもダメかな?」
おっと、アリサちゃんが、その気になってる?
「駄目です!幾ら雪姫さんの付き人とはいえ、過去の所業は許しがたいものがあります。サンゴさんの・・・」
そうだ、マーメードは特にミサキさんへの嫌悪感が強い。
前ギルドマスターのサンゴさんは、ミサさんを慕い、信じていた。だが、ミサキさんは、さらなるクローンを作り、ミサさんを幽閉した。
挙句は、引退したサンゴさんの殺害疑惑まである。
「マリマス嫌いです!」
え?
「あ、あわあわ・・なにを?アアアアアアリサ?」
アリサちゃんの一言で、動揺しまくるマリリンさん。
「ユキマスが信じられないマリマスなんて、大っ嫌いです!」
マリリンさんの口から魂が飛び出した。
「ユキマス、お世話になります」
アリサちゃんが、勝手にこっちに来てしまった。
「不本意ですが、本人希望なら仕方ないですね」
ルクスさんが来た。
「マリリンは私たちが説得しますから大丈夫ですよ。雪姫さん、アリサをお願いします」
「ルク、サリありがとう!」
「同じスキルを持つ先輩の言う事をよく聞いて、鍛錬に励むのです」
「皆さんに迷惑をかけないように、気を付けてね」
ミサキさんは浮かびながらだが、2人に深く礼をした。
「丁度、うちには見習い幹部がいるから、ソーマ、ヘレン、アリサちゃん、3人でチーム組ませてみようか?私とミサキさんがサポートについてさ」
「にゃーーーーーー」
「テトもですよ」
星猫に名前つけたの?
「テト、私たちはチームですよ」
「にゃーーーーーん!」
お気に入りのようだ。
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