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ギルド スノープリンセス2 星猫編  星猫②

既に王宮の周りでは、兵たちが動き出していた。

街からは、多くの冒険者やギルドメンバーが集まり、壊れた王宮の瓦礫の撤去計画、ロプロスの処分法を検討し始めている。


「王様」

私は王様たちの元へ行く。

ゴルノバ王とステラ女王は、女神『サーヤ』の話を聞いていた。

「おお雪姫、この方の話だが、なんか今一つ理解しきれなくてな」

「ですわ。天界とか下界、女神って何のことですの?ドワーフ様と同様の神なのでしょうか?」

この世界の概念だと理解し難いかも。


神は月に居るドワーフさんだが、ドワーフさんは信仰を求めてはいない。

見守ることを旨とした神と、守護し信仰させることを求める女神とでは、まるで別物だ。

「まったくなんですか?プンプンです。女神を知らない下界民とは、潜りではないのですか?」

潜りの下界民ってなんだよ。でも、まるで的外れではないか。ここは重力の底の世界。隔絶された世界だ。

「あのさ、女神サーヤの事は知らないけど、女神の事なら知ってるよ」

「おお!流石は雪姫だ」

「私も知ってますよ。前の世界に居ましたからね」

ミサキさんも知っているようだ。

「本当ですか?女神を知っているなら、なんでひれ伏さないのですか?」

そう言うルールなの?

「女神を前にひれ伏さない下界民など、見たことがありません。神の加護で天罰を与えますよ」

うわ・・高圧的ではないけど過激だ。ティナさんと大違いだ。

「女神ごときが何を言うのです?光属性の回復役。所詮NPCの便利キャラではないですか」

それ、ゲーム内の話。

「あのさ、私の知ってる女神は、ひれ伏せとは言わなかったから、失礼が有ったら謝るよ」

「まぁ、なんて馬鹿な女神。下界民に何を教えているのだか?どなたです?その、ひれ伏すことすら求めていない女神さんは?」

名前出してもいいよね?

「えっと、ティナさんとアルテミスさんかな?」

あっ、女神サーヤがひれ伏した。

「おい雪姫、女神って神だと聞いたぞ。何偉そうにしてんだよ」

「うん。自称でも神様だよ。土下座させるのはどうなのかな?」

「流石は雪姫だな。あの偉そうなのがひれ伏すとは」

「ですわね。何を言えばあなるのかしら?凍らせるって脅しましたの?」

ああ!めんどくせー―――。話がややっこしくなる!

「も、申し訳ありません!ヴィーナス家の関係者とはつゆ知らず、無礼な口を利いた事、深く深くお詫びいたします」

地べたに頭を擦り付けてひれ伏すサーヤさん。

ティナさんは、確か天界の権力者の一族で、天界ではナンバー4だって言ってたかな?

「議長、副議長に、このことは報告しないでいただけると、サーヤは嬉しく思います」

天界の最高意思決定機関?16評議会の議長がティナさんで、副議長がアルテミスさんって聞いたよな。

「あのさ、知り合いと言っても、勇者のケインさん達を紹介してもらっただけだから」

「ひぃぃぃ!!!!!あの勇者様とも・・・重ね重ね御内密に!!」

ああ、めんどくせぇぇぇ!!!

 『ニャ―――――』

ん?サーヤさんの服の中から猫?

いや、猫の鳴き声だが、猫じゃない。目は猫の目だが、体は猫の形をした何かだ。

猫の体の模様は、宇宙空間そのものだ。しかも中の星々は動いている。

その猫の姿をした生物?は、私の方に歩み寄る。

「ニャ――――ン」

ヤバイ、得体のしれない生物だけど、可愛い!

「いけません、星猫に触れては!」

え?もう指先を舐めてくれてるけど。

私は手を差し出し、その生物は私の指を舐めていた。

「ああ、何と言う事でしょう!?星猫が汚れてしまいました!」

私を舐めて汚れた?失礼だな。綺麗に洗ってるよ。


星猫と呼ばれる生物は、私の腕を登り肩に乗る。そして両足で立ち上がると両手を伸ばし、ぷかぷか浮かぶミサキさんにジャレついた。

その様子を不思議そうに見ているサーヤさん。



王宮が壊れ、ミサキさんがギルドに入ると言いだし、女神が現れ、星猫と言うよくわからない生き物が私の肩に乗る。

いきなり色々あり過ぎだ。

なにから片付けるべきか?


「皆さん、大丈夫ですか?」

ルナさん登場。神の使いとして、この世界にはよく来てくれる。

「ドワーフ様が、世界が亡ぶ厄災が来たと言うので。神の使いとして来てみたんですが」

「穴からロプロスが出てきたんだけど、被害は王宮だけで済んだよ」

私の言葉に辺りを見渡し、既に戦いが終わっていることを確認する。

「流石は神をも超える雪姫さんですね。あのロプロスも1撃ですか」

感心するルナさんだが、『神をも超える』に食いついたのは女神サーヤ。

「やはり、あなた様は『神以上』の存在でしたか。この女神サーヤ、あなた様にお仕えします!どうか私を配下に」

なんで女神が私の配下になるんだよ?

「雪姫さん?こちらの方は?神の使えの私の前で『女神』を名乗られていますが」

ルナさんが食いついた。混沌が深くなる・・・。


「私は下界の守護者、天界の女神サーヤです。神の使いと名乗られましたが、女神に使いなどいません。説明を求めます」

「私はラムタ13世界を見守る神、ドワーフ様の使いのルナです。女神など聞いたこともありません。神の名を語る貴方が何者なのか、説明を要求します」

糞忙しい時に、またややっこしくしやがって・・・。

「似非神には、神の加護で天罰を与えますよ」

「6000度の炎で、程よく焼いて差し上げましょうか?」

サーヤさんからは、まだ話も聞いてないのに、これ以上ややっこしくされるのは御免だ。

「双方離れて!サーヤさん、ティナさんに言うよ。ルナさんも言うこと聞かないと凍らせるよ」

私の一言は絶大だった。サーヤさんはひれ伏し、ルナさんは3歩後ろに下がった。

「立場と言い分は分かるけど、とりあえず片付けたい問題があるから、邪魔しないで」

「にゃーーー」

なぜか肩の上の星猫が、偉そうに上から目線でどや顔をした。


「あれ、ドワーフワールドのルナ様だよな?」

「うん。神の使いだよね」

「関係ない。雪姫は相手の地位や立場など気にする奴ではない」

「ですわ。怒ると誰でも凍らせると脅しますわ」

「ひゃはははは、さすがは雪姫です。私を凍らせただけのことはあります」

おい!そこ!何をコソコソと!


まったく・・人の悪口言ってる場合かよ?問題山積なのに。

でも、一番気になるのはサーヤさんだ。いつ来た?何をしに?かな?


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