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プロローグ

コロナ禍で、思うような執筆ができない状態です。

現在1部の30話まで書き終わっていますが、その先は・・・・

半端ですがUPして行きます。

「ダメだ!私は認めない!!」

雪姫が大きな声で叫ぶように言う。顔に余裕はなく、いつにないきつい表情だった。


「認めるとか認めないとかではないぞ。これは決定事項だぞ」

皮のジャケットにデニムのスカート、腰には剣を差す女性、アリスが言う。

「済まないがアリスの言う通りなんだ。地球を救う方法はない。放置すれば、全宇宙の崩壊が起きてしまう。地球を犠牲にするしかないんだ」

2本の剣を腰に差す男。勇者ケインは穏やかな口調だった。

「はい。いろいろな方法を探りました。でも、もうどうすることも・・・残された時間は少なく、すぐにでも処置を始める必要があります」

女神ティナ。天界の実力者、ヴィーナス家の3女にして、勇者ケインのチームの担当。

「なら、なぜ自分たちが呼ばれたでありますか?何のために呼んだのでありますか?」

漆黒の宇宙空間で浮かぶ光の球体。球体の中には雪姫と飛鳥、アリスとケイン、そしてティナが居た。

眼下には青く輝く地球がある。



1か月前。

超大型ハドロン衝突型加速器の実験により『ハイパーブラックホール』が形成されてしまった。

成長すれば、地球は空間ごと食われ、さらには太陽系から銀河、全宇宙まで食らいつくされる。

女神は警戒懸案として実験を注視していたが、ハイパーブラックホールの形成が確認されたと同時に、地球に対し『時間停止』処置を施し、地球の時間を停止した。

が、ハイパーブラックホールは完全に活動を停止しない。

天界の最高意思決定機関は地球に対し『空間の固定と時間凍結』処置を決めた。

この処置が実行されることで、地球は未来永劫『今』から先に進むことはなくなる。



「呼んだ理由は簡単だぞ。法的な問題のための同意が欲しいぞ」

アリスは淡々と言うが。。。

「誰が同意なんか!私は絶対に認めない!絶対にだ!!」

雪姫は強く叫ぶ。

「なら仕方ないぞ。同意が得られたことにして、書類を作っておくぞ」

アリスは、うっすら笑いを浮かべながら答えた。

「そんな・・・」

「アリでありますか?」

事の重要性は理解していた。だが、アリスの表情と言葉は、2人を驚愕させた。

「言い方を考えろアリス!」

そしてすぐさまケインがアリスを咎める。

「柊さんと飛鳥さんを呼んだのは、地球への帰還を禁止していたからな。時間凍結処置が終わるまでは、自由に帰還してもらって構わないことを伝えるため・・そして、君たちは、このことが理解できる唯一の地球人だ。先に伝えておくべきだと考えた」

雪姫と飛鳥は、地球では解禁していない魔法を使える。

なので地球への帰還は禁止されていたのだ。


雪姫は言葉を失う。頭の中を洋々なことが駆け巡り、考えが纏まらない。

対して飛鳥は冷静だった。今聞く事、聞かなくてはいけないことが分かっていた。

「いつまででありますか?」

頭を抱え呆然とする雪姫をよそに、飛鳥が質問した。

「最短だと現地時間で10日ほどです。時間凍結は時間停止とは違い、多くの女神たちによる術式の展開が要求されます。失敗すれば最初からなので、予備日として20日間を見ています」

ティナが淡々と答える。

「うちの科学班の計算では、地球が食われるまで60日だそうだ。地球が食われなければ、ブラックホールの成長はない。他の星、銀河、宇宙に影響は出ないと聞いたな」

ケインの言葉に呆然としていた雪姫がピクッと反応した。

「時間凍結魔法は200億年ぶりだそうだぞ。女神はドジだから1発では成功しないぞ。だから猶予は60日あるぞ」

アリスの言葉を雪姫は、抱えていた頭をそのままで聞いていた。

「はい。こんなことになり、とても残念です。本来ハイパーブラックホールは、自然での形成は不可能と言われていました。何者かが手を出さない限り、こんなことはあり得ません。とても残念です」

雪姫は頭を抱えたまま、口でケインとティナの発した単語を繰り返し、目が左右に動く。


「柊さん」

そしてケインの呼びかけに前を見据えた。


『君たちが阻止しようというのなら、俺たちは君たちと戦う覚悟がある』


ケインの勇者としての言葉だった。

が、雪姫はこの言葉を・・・・


「これがラムタ世界と地球を結ぶアイテム『便利なカギ』です。これを使えばいつでも地球へ行けます」

ティナが雪姫に鍵を渡した。

「言い忘れていたぞ。今の地球は特殊空間だぞ。案内が居るぞ。柊さんの通っていた高校の校庭で、科学班がデーター取りをしているぞ。トーレフとマリーに案内を頼むといいぞ」

アリスが口早に伝えると、ティナが両手を上げ宣言する。

「これにて時間凍結の承諾会議は終了します。意義は認めません。では解散します!」

雪姫は何かを言いかけたが、飛鳥と光に包まれ姿を消す。



「ふぅーーーだぞ」

アリスが肩で大きく息をした。

「大丈夫だ。柊さんなら今のでわかってくれるはずだ」

ケインがアリスの肩に手を置き、優しく言う。

「はい。柊さんたちは間違いなく地球へ行きます。後はトーレフさんたちにお任せしましょう」

ティナが眼下にある地球を見ながら言う。

時間停止魔法が施された地球は回転することもなく、ただ宇宙空間に浮かんでいるだけだった。



これは、まだまだ先のお話です。




1日1回!を目標にUP。何とか1部の終わりまでは・・・

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