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魔法集団戦授業終了~魔力欠乏してからが本当の勝負!?~


「おー、よくやったな。分身は全滅か」


 分身は仮初(かりそめ)の命が消えると、消滅してしまう。

 残ったのは、オリジナルの俺だけとなった。


「残るは、本物のセンセーひとり! みんな、最後の力を振りしぼろー!」

「あと一息ですわ! 魔力が尽きる前に一気に叩いてしまいましょう!」


 サキとミナミの魔力量はまだ残っているが、ほかの連中は欠乏寸前だ。

 戦いにおいては、魔力量の残りも考えておかないといけない。


「よし、残りの魔力全部俺にぶつけてこい! これは戦場じゃなくて練習だからな。最後まで使い切ることで、魔力量の最大値も魔力の威力も上がっていく」


 現に、俺はそうやって最大値を伸ばしてきた。

 授業だからといって中途半端なところで止めていたら、成長しない。


「よぉし! みんな全部使いきっちゃお! いっけぇえーーーーー!」

「出し惜しみせず、全力でいきますわよ!」


 サキとナナミが全力で魔法をぶっ放し――続いて、ほかの生徒たちも残りの力を振り絞って魔法を撃ってきた。


「おおおっ」


 最後ということで集中できたのか――全員、不発や暴発がでることなく魔法行使に成功。

 しかも、狙いはバッチリ俺に定められている。


「やるなぁ、おまえら!」


 三十人分の攻撃魔法を、全身に魔力を漲らせてバリアを張って受ける。

 まずは、サキの雷撃魔法。続いて、ナナミの氷雪魔法。すさまじい衝撃だ。


 続いて、二十八人分の火炎系を主とした様々な魔法が直撃していった。

 なぜ火炎系が多いかというと、一番最初に教わる魔法がだいたい火炎系統だからだ。


「や、やった……!? はぁ、はあっ……」

「い、いえっ……先生は、健在のようですわっ……」


 魔力を使いきったサキとナナミは肩で息をしながら、爆煙で包まれた俺を注視する。

 なお、俺からは全員の状況は魔法で把握できている。

 どうにか立っているのはふたりだけで、残りの生徒たちは魔力欠乏症で崩れ落ちていった。


「まあ、及第点だな。最初は仕方ないが、魔力を使いきっても倒れないようにしないとダメだぞ? 魔法使いといっても、いざとなったら肉弾戦で戦わないといけないんだからな」


 そうしないと、戦場では死ぬことになる。

 俺も世界を救い慣れてない昔は、何度か魔力切れ状態でモンスターと戦ったことがある。

 そんなときに剣術や武術は役に立つのだ。というか、それがなかったら死んでた。


「じゃ、じゃあっ……あたし、最後は拳で先生と闘うっ」

「こ、こうなったら、わたしも、一撃叩きこんでやりますわっ」


 ふたりはふらつきながらも、俺に向けて攻撃を仕掛けてくる。

 いい闘争心だ。


「よし、来い! 俺を殴ってみろ!」


 俺はあえてバリアを解いて、サキとナナミの攻撃を受けることにした。

 まずは、サキが――。


「やああああっ!」


 ここでまさかの、ジャンピング回し蹴り。

 俺の頬にクリーンヒット。


「うん、いい蹴りだったぞ」

「えへへっ……先生、強すぎぃっ……っ……」


 大技を繰り出して体力まで使いきったサキは、着地することができずに仰向けに倒れ込んだ。


「はああああっ!」


 そして、ナナミはオーソドックスな右ストレート。

 俺の腹部に、これまたクリーンヒット。


 しかし、筋トレを欠かさない俺は肉体が鋼のような硬さなのだ。


「本当に、あなた、強すぎですわよっ……なんなんですの、この体の硬さっ……」


 ミナミは自らの拳にダメージを受けて崩れ落ち、うつ伏せに倒れ込んでいった。


「……ま、ダテに百回世界を救ってるわけじゃないからな。俺は転生しても過去の経験値を繰り越せるチート魔法を使っているからな」


 それこそ血の滲むような努力と戦闘を繰り返してきたからこそ、俺は最強の力を手に入れることができたのだ。


「お前たちも、まだまだこれからだからな。よく食べてよく闘ってよく寝て強くなっていけばいい。時間はあるからな」


 滅亡の危機が一年後に迫っているといっても『俺が来なかった場合』だ。

 俺がいる状態では、いくらでも魔物なんて食い止めることができる。


「今回の転生は、育成を楽しむことにしたからな。おまえたちが世界を救えるようになるまで、いくらでもつきあうぞ!」


「……あはは……それは、楽しみー……」

「……は、果てしなし……遠い道のりになりそうな気がします……」


 ピクピクと痙攣しながら、サキとミナミは俺の言葉に応える。

 魔力と体力を使いきっても意識を失っていない時点で合格点だ。


 そんなこんなで、初めての実戦的な鍛錬が終わったのだ、が――。


「……おっと、魔物が襲来してきやがったか」


 俺の張った警戒網に、魔物たちの動きが引っかかった。

 具体的には、ここから十キロロ地点に警戒用の薄い結界を張っているのだ。


「ちょっと魔物を駆除してくるわ。おまえらはそのまま休んでおけ。今日の授業はこれで終わりだ」


「せ、センセー、あたしも行く……」

「わ、わたくしも……」


 こんな状況でも、ふたりは立ち上がろうとする。

 なかなかの根性だ。


「アホ。そんな状態じゃ無理だろ。おまえたちは学生なんだから休むのも授業のうちだ。それに魔物の五千体ぐらい、俺ひとりで余裕だからな。んじゃ、またな」


 俺は転移魔法を使って、魔物たちの押し寄せてきてる場所に向かった。



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