混沌な恋愛3
「遅いぞ真斗」
「ごめんごめん。おはよう宇宙」
白濱宇宙うちのサッカー部の頼れるCBでキャプテンである。何度も俺と一緒に県選抜に選ばれたことがある。誰にでも優しい性格で男女問わず人気者だ。
「まぁどうせまた凪咲とイチャイチャしてたんだろ?」
「イチャイチャなんてしてねぇよ!てか、お前1人だけか?」
「あぁだって俺お前にみんなより少し早い時間教えたもん」
「はぁ!?なんでだよ!」
「そんなの決まってるだろ」
そう言って俺の方にボールを蹴ってくる。
「1対1するためだよ」
こうやって俺と宇宙は1対1を頻繁にしているのだ。今のところ20戦10勝9敗1分けで俺が勝ち越している。
「今日こそ俺が勝って五分に戻してやる!」
「言ってろ!今日も俺が勝って勝ち越しだ!」
そう言って俺は荷物を置いて宇宙の所に向かう。
「じゃあ俺からオフェンスな!」
ボールを持っている俺はそう言った。
「こい!」
宇宙にパスをして宇宙が折り返して始まる。
「いくぜ!」
俺はまず折り返したボールを足元におさめアウトサイドで右側にボールを置く。流石にこれには宇宙も反応して俺の左側のコースを限定して右側に追い込む。
「まぁこのくらいは反応するか」
そう言って俺は右側にあるボールを足裏で止めて後ろにさげてインサイドで右足の後ろを通しボールを左側に変える。
「やっぱりな!そう来ると思ったぜ!」
ここまで予想していた宇宙は俺がボールから少し足を離した瞬間ボールを取りに来た!しかし、そこまで予想通り俺はボールを宇宙が伸ばしてきた足の方に蹴り間を抜く。
「これはどうかな?」
流石に予想外だったようで宇宙は驚いた表情になる。
「これで終わりだ!」
俺はゴールに向かってシュートを撃つ。決まった!
「ひょい!」
そんな声が聞こえたと同時に俺のシュートはゴールに入る前にカットされる。
「「なにっ!?」」
俺と宇宙は同時に驚きの声を上げる。
「おはようございます!先輩方!」
「なんだ雛か」
斎藤雛サッカー部のマネージャーにしてU-14の元女子日本代表だ。高校では何故か女子サッカー部のないうちの高校に入学してきた。雛と俺はよく代表の強化合宿で顔を合わせることが多かったため昔からよく知っている。銀髪ロングで身長は143cmと少し低め。容姿は整っていて元気いっぱい。そして何よりの特徴が...
「なんだとはなんですか!僕が来たんですからもっと違う反応ないんですか?」
ボクっ娘ということだ。そう言って口を膨らませる。
真昼に聞いたところクラスの男子にモテるそうだ。まぁ真昼が言えたことではないのが...