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自己紹介の時間ですね!

「私はマリンカ。一応魔法使いなんだ!」

 一応じゃなくて普通に魔女なのではないか、と心の中でツッコミをいれた。   

あ、どうもルカです。此処は学校の屋上、今は自己紹介中です(昼休みだぞ)。一人一人の自己紹介を終えて、今はマリカに質問タイム。


「そのマリカさんは何魔法を使ってるの?」

「マリカでいいよ!魔法?黒魔法だよ。呪いとかがメインの魔法ね。」


 マリカが試しに光を出してみた。手の上にポンっと光の球が現れた。ほぇー、スゴーイ、始めてみた、と皆がうなずく。そりゃそうだ、始めてみたに決まっている。その時、運悪く優人と西之宮君と杉谷君が屋上に来た。


「あ、一川野だ・・・って波白さん!んななな何すかその光!」


  やべ。優人達がマリカの魔法を見てしまった。優人は顎が外れるほど口を開け、西之宮君は・・あれ、喜んでる?杉谷君も・・・あれれ、喜んでる。何でだろう。


「すっげぇ、すっげえよ波白!お前魔法でも使えんのか?」

「うん、私魔法使いだもん」

  そこあっさり答えちゃダメなやつ!


「んまっ、まじでか?じゃあこの間空飛んでたのもお前の魔法で?」


  優人が喋ったその瞬間、ピシリと静かになった。何故かマリカの顔が般若になり(ルカの妄想)、その顔を見たみんなの顔も強張る。これは空気読んで静かにした方が良いパターンかな。そう思い星弥を見ると合図をして来た。{なんかあったらどうにかしろ?}いや無理だわ!


「あんた、私の姿、見たの?」


  漫画だったらゴゴゴゴゴ・・・と効果音がつきそうな迫力。マリカの周りには紫のオーラ的なモノが見える。え、優人呪われちゃうんじゃね?優人がそうだけど、と若干震えてる声で答えると、スッとマリカのオーラが消えた。そして清々しい笑顔で


「まじかよ、魔法失敗してたわ!」


と笑い飛ばした。かなりポジティブだな。一般人に魔法を見られてたのに怒らないなんて。レカも思ったらしく、小声で「めっちゃポジティブシンキング・・・」と呟いていた。


「ねえ、戸方さんは何魔法使ってんの?」


戸方は星弥のことだ。昨晩、星弥が見せたあの力。私は正直言って嬉しかった。能力が使える子が友達で、しかも長年隠してましたパターンの漫画ってありがちじゃん、私はそれを体験できたのだ!しかもあの時の星弥、かっこよかったし。キラキラと光る武器を振りかざして、敵・・・志保を倒した時。長年の夢(非日常的な事が起こること)が叶った瞬間だった。


「あー、戸方・・いや、星弥は多分魔法じゃないよ。」


マリカが言った。確かに、マリカと星弥の武器から放たれる光は色が違う。マリカは紅、星弥は翠だった。それと関係するのか。


「うん、まあ関係するっちゃするけど、それよりも『力の素の違い』かな。私は黒魔法。星弥は白魔法。白魔法はどちらかというと・・・天使が使いそうな力だな。傷を癒したり、人を助けるタイプ。」


マリカがりんごジュースをズズーっと勢いよく飲んだ。あ、それ浮かばせてほしいな。


「良いよ。それっ」


ふわりとりんごジュースの容器が浮かんだ。みんながキラキラと目を輝かせてそれを見ている。しかし、その瞬間。


「ぐぼぁ」


マリカが唸った。するとりんごジュースの容器が揺れたかと思うと、いきなり破裂した。ジュースが飛び散り、甘美の顔にかかった。


「ひゃぁー!ごめん!今拭くから!」

マリカはハンカチを取り出すが、焦っているのかつるりと手が滑り、ハンカチはひらひらと落ちていった。今思った。こんな時に魔法使えば良いんじゃないのか、と。


「いいよ!私、自分で拭くから。」


と甘美が言う。とその瞬間、甘美の顔にあったジュースの水滴が全て弾け、綺麗に汚れが落ちた。魔法を使ったのだ。マリカは目を見開き、西之宮君と杉谷君も目を見開いた。今思った。普通に手で拭く方が早いんじゃないか、と。


「あ、あんさんも魔法使えたんかー!てっきりルカの妹ちゃんしか使えないのかと・・・。てか、名前、レカと甘美だっけ。」


うふー、合ってるよー、と笑った。男子二人はすげぇすげぇと大騒ぎ。実にうるさい昼休みだ。


「あ!一川野姉(いちかわのあね)、お前いたのか!」

「え、ほ、本当だ!いたんだ!」


おい男子二人組。お前ら今まで私の事見えてなかったのかよ。影が薄くてすみませんね。

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