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独立不羈の凱歌を〜号哭の戦鬼達へ〜  作者: kinoe
First Act〜歌を忘れた落烏と歌謡いの少女〜
16/27

Be Called Fabricater's〜嘘つき達〜

単機で所属不明機に突撃する藤堂秀和。

圧倒的な戦闘力を有する所属不明機への勝機はあるのか。


「ヘェ〜こいつらヤルじゃんッ!」

”轟々”と咆哮をあげ、新しい酸素を求めて、その灼熱の身体を勢いよく膨らませる赤黒い爆炎に包まれながら、シャオミンは感嘆の声をあげる。


私が…被弾した?


それは、彼女にとって期待以上の出来事であった。

迫り来る対戦車ミサイルを迎撃しようとした際に、乗機ダーフェンの腕部に別動機による違方向からの射撃が命中し、射線がずらされたのだ。

その結果、ダーフェンが放った砲弾は空を切り裂き、迎撃を逃れたミサイルが、機体に降り注いだのである。

だがーー

ダーフェンに大した損害はなかった。

ミサイルが直撃する直前、ダーフェンの電磁装甲が作動し、信管の作動距離が狂わされたミサイルは、まるで、童貞の男が目的地へ達する前に熱い迸りを放出するかの如く、ダーフェンの装甲に達する前にメタルジェットを噴出していた。

本来であれば、モンロー/ノイマン効果により、音速を超えるメタルジェットが表面装甲を溶融させ、ダーフェンの装甲を大きく損傷させたであろうが、その効果は得られず、空気中に拡散したそれは表面装甲を温めただけで、途端に勢いをなくしていく。


「いいねぇ~!いいよ!いいよ!最高だよッあんた達!!!」

シャオミンは、ヘルメットの中で愉快そうに顔を歪ませる。

「モードシフトォッ:エクスターミネイトッ」

シャオミンの呼びかけとともにダーフェンの形態が変化する。

両腰から延びる高速移動用の地面効果翼が折りたたまれ、空気抵抗を抑えるため一時的にメインフレームへ格納されていた頭部が再露出するとともに、各関節部を覆う装甲が展開された。

中近距離戦闘に適した戦闘形態へ移行したのだ。


「さぁどこまで耐えられるかな?」

そう言うと、シャオミンはコックピットの中で右腕を伸ばした。

マスタースレーブ機能を有したダーフェンは彼女と動きを同調させ、ガトリング砲を構え、そして、砲弾を放った。

多数の劣化ウラン砲弾が音速を超えて飛翔し、その風圧が、もはや勢いをなくした爆炎を飲み込み、シャオミンの視界が急激に晴れる。

彼女の視線の先には、先ほどダーフェンの腕部を狙撃した日本統合軍の戦機があった。

ダーフェンが放った徹甲弾は、その戦機の数メートル手前の地面へ着弾した後、土埃を立てながら舐めるようにそれに近づき、脚部から胴体部めがけて襲いかかる。


並のパイロットなら、先のミサイル着弾を確認し撃破したと判断して、警戒態勢を解いているはず。

こいつはどうだ?

二流か?

並か?

それとも…。


シャオミンが舌なめずりしながら思考を巡らせる。

土埃がたち消え、日本統合軍の戦機があらわになった。

その機体は防御姿勢を維持したままで、ダーフェンの放った徹甲弾は脚部装甲と弾除デフレクターと呼ばれる追加装甲により阻まれており、大きな損傷は認められない。


「さすがに前線に送られるだけのことはあるねぇ。」

シャオミンが敵機の行動に関心する。

「よく連携も取れている…指揮官が優秀なのかしら?じゃあ…これはどうよッ!!」

今度は、両腕のガトリング砲を打ち続け、責め立てる。

再度、地を這うように砲弾が土埃を立てながら、戦機へ迫った。

相手は、左右に揺れながら回避機動を行い、それをすんでのところでかわし続け、その合間にも、ダーフェンを狙い応戦してくる。

徐々に後退していく機体。


味方と合流する気か?

まぁ何機に増えようと蹴散らすーー


!?


シャオミンの視界に予想だにできない映像が飛び込む。

あろうことか、せっかく後退し味方と合流できそうであったリーダー機と思しき機体は、一転、一機のみでダーフェンに迫る。


「馬鹿な…単機突撃?」

思わず声に出る。


かなわないと悟って玉砕覚悟で突っ込むつもり?それとも味方を逃がすための自己犠牲か?」

いまいち理解できない行動に疑問符がいくつも浮かんだ。

その思考の合間を縫うように、複数の火線がダーフェンを襲った。

だがーー

「アハハッ!!無駄無駄ァ!」

その応戦も虚しく、放たれた砲弾は電磁装甲により一瞬のうちに膨大なジュール熱を叩き込まれ蒸発し、ダーフェンに届くことなく逸らされていく。


「はぁ~残念。せっかく楽しませてくれると思ったのに…もういいや”死ね”」

考えるだけ無駄。

そう判断したシャオミンは、これまでの試すような戦闘行動を辞め、ただ対峙した戦力を駆逐するためだけの機械的な行動に移る。


両腕のガトリング砲を交互に間隙なく打ち続ける。

そして、メインフレーム内に格納された支援火器類や小型ミサイルも併用し、相手を追い詰めていく。

円を作るように時計回りに弧を描きながら徐々に接近していく二機。

相手の側面を取ろうとそれぞれが機動する。

一方は、致命傷となる攻撃だけをかろうじて避けつつ、辛くも応戦しており、その装甲は既に複数箇所が劣化ウラン弾により削られ、小型ミサイルにより溶解させられていた。

対するシャオミンが駆るダーフェンは、電磁装甲とアクティブ防護センサーにより徹甲弾を無力化あるいは弾き返し、あらゆる飛翔体の機動を捻じ曲げていた。

まれにこれらをくぐり抜けた徹甲弾がダーフェンの装甲を掠めたが、近距離からの直撃でなければ戦車砲にも耐えうる装甲を持つダーフェンにとっては、大した問題ではなかった。

ふと、シャオミンが敵機との距離を確認する。


相対距離約1500メートル

近づきすぎたか…。


ヘッドマウントディスプレイに表示された敵機との相対距離を確認して、一瞬、不安に駆られる。

戦機同士の戦闘では、一瞬の油断が命取りになる距離。

予想以上にしぶとく耐える相手を攻めあぐね近距離戦闘の領域に踏み込んでいたのだ。


一旦距離をとってーー


と考えた瞬間、相手のライフルからの射撃が明らかに減少する。


「…球切れか?」

確かに一機のみで補給なく打ち続ければ、ダーフェンのように大容量のドラムマガジンでも搭載していない限り、とっくに球切れしていてもおかしくはない。


なら、わざわざ距離を取る必要もない。

いや、むしろ距離を詰めて、一気に畳み掛ける!


そう判断したシャオミンは、スロットルを最大にして、ダーフェンを一気に前進させる。

だが、ガトリング砲の照準を敵機に合わせ、射撃しようとした刹那、対峙する戦機の後方上空に白い噴射跡が見えた。


ミサイル?


「今更支援射撃なんかしても遅いつーの!」

シャオミンがその飛翔体を確認すると同時に、対峙する戦機も残りの武装と思われる小型ミサイル様の飛翔体を肩部ハッチから複数射出する。

山なりの機動を描くそれらがダーフェンに迫る。

時間差を設けたミサイルによる攻撃。


「ハッ、悪足掻きを…舐めないでよね。」

滑走しながら、先行して支援射撃された中距離ミサイルにシャオミンが照準を合わせる。


イー!」

シャオミンの掛け声とともに右腕のガトリング砲が上空に向けられ、火線が延びる。

ダーフェンと日本統合軍の戦機の丁度中間地点に位置する上空で赤黒い爆発が起こった。


アー!」

続けて左腕のガトリング砲を横に払うようにして射撃。

扇状に広がり襲いかかろうとしていた小型の飛翔体がダーフェンの進路上で灰色の小爆発とともに消え失せる。


「これでラストォッ!サン!!」

機体を加速させ、目前の煙の先にいる戦機めがけて両腕のガトリング砲を構えながら、灰色の煙に突っ込む。


まぁなかなか楽しめたかな…。


再見ザイチェン…つってももう会わないだろうけど。」

両腕に装着されたガトリング砲が、銃身部分を高速で回転させながら次弾の射出を今か今かと待ち受ける

そして、ダーフェンが灰色の煙の中を突き抜け、敵機を捉えようかというときーー


パリッ


青白い雷光がシャオミンの眼前を走った。


何…電磁装甲?


BiiーBiiー

Cation

Cation


シャオミンがその雷光の要因を特定する間も無く、コックピット内にけたたましい警告音が響き渡った。


「くっ…これはッ!?」

雷光が連続的に走る。

ダーフェンの全身が、自身の電磁装甲により発せられる青白い雷光に覆われていた。

シャオミンの前で雷光が次々と弾ける。


《電磁装甲への電力供給系統に異常を感知》

《電磁装甲への電力供給系統に異常を感知》

《電力供給ライン変更を検討》

《応答無し》

《余剰電力確認できません》

《電磁装甲の展開維持を断念》

《電磁装甲の展開維持を断念》

《システムの一部を停止します》


次々とコックピット内に機械音声が流れる。

それは、電磁装甲の要である大容量コンデンサに異常が発生したことを伝えていた。

電力供給ラインが断たれ、電磁装甲はその力を失い、先程まで眩く発していた雷光が途端に消え失せる。


「チィッ!電磁装甲が消失した!?」

何が起こってるの?


想定外の事態にシャオミンが苛立つ。

思わず舌打ちし、現状を把握しようと視線を巡らせる。

ふと、ヒラヒラと舞う物体が視界に入った。

よくみると、それは、ダーフェンの機体の周囲に無数に漂っている。


「これは、金属片…さっきの飛翔体はチャフディスペンサーッ!?」

電磁装甲の弱点は、その仕様の特性から連続した放電が出来ないという部分にある。

電磁装甲を展開したまま、無数の金属片に突っ込んだ結果、システムは導電性のあるそれらを”攻撃”と判断して通電させた。

その結果、一瞬にして多量の電力を消費することとなり、電力供給回路がショートし、表面装甲の高温化を捉えたダーフェンは、自動的に電磁装甲の展開を中止したのである。


「くぅ〜生意気ぃ〜っ!」

悔しそうな言葉を発しながらも、シャオミンは肩を震わせ悦んでいた。

予想を上回る抵抗、いやもはや抵抗ではない。

油断はこちらの死を呼び込む。


量産機でここまで渡り合うかッ!

これほどまでの好敵手に巡り合えるとは思ってもいなかった。

さぁ次はどう出る?


シャオミンの操作を受けて、ダーフェンがチャフディスペンサーによる煙を突き抜ける。

だが、彼女の視界に映ったのはさらに濃い煙だった。

周囲を取り囲むように広がるそれは、視覚による情報を奪い、徐々にその範囲を広げていく。


「今度はスモークディスチャージャーか…」


シャオミンが試しにカメラ映像をIRSTに切り替えるが、周囲の濃い煙は赤外線を遮断し、何の情報も与えてくれない。


静寂


時が止まったかのように、そこにある全てが動きを止める。


何処からくる?

次は何を見せてくれる?


シャオミンが全周に気を巡らせる。


煙壁の一部が盛り上がり、時計の針が動き出す。

方向はダーフェンの正面

反射的にガトリング砲を向け、短く射撃する。


MuBooーー


金属がぶつかり合う衝撃音

仕留めたか?


いやーーこれはブラフッ!


シャオミンの読み通り、コンマ数秒遅れて背後の煙壁が勢いよく盛り上がる。

ライフルの射撃音が響き渡り、煙壁から火線がダーフェンの背後を襲う。


弾切れもハッタリかッ!?


「そこぉッ!」

野性的ともいえる直感を頼りに、サイドブースターを作動させ、機体を反転させる。

後方から迫る徹甲弾を紙一重で躱し、煙壁にガトリング砲2門による砲弾を叩き込んだ。


MuBOoooーー


金属のぶつかり合う音

鋼鉄がひしゃげる鈍い音がその場に響き渡る。


やった!


シャオミンは、確かな手応えに敵機の撃破を確信する。

だが、彼女の視界に映ったのはーー


ッ!?


「ライフルとーーデフレクターッ!?」

近距離から劣化ウラン弾を叩き込まれ原型を推察できないほどに変形したデフレクターとライフルが宙を舞う。

その末端には、それぞれ一本ずつワイヤーアンカーが決着されており、ワイヤーはダーフェンの後方に伸びていた。


「馬鹿なッ!こっちがブラフ!?」

シャオミンは予想外の展開に驚愕する。

その間に先程正面の位置で盛り上がった煙壁を突き破り、日本統合軍の戦機が現れる。


左肩部から腕部にかけてを、劣化ウラン弾の直撃によりえぐられ、人工筋肉が剥き出しになったダークグレーの中型機

スモークと同色のその機体の右手には高周波ブレードが握られていた。

隠密性を高めるため、ホバー機能を停止したそれは、二本の足で大地を蹴り、低く、潜るようにダーフェンに迫る。


しまったッ!?


「くぅああぁぁーーッ!」

シャオミンが咆哮し、ガトリング砲を放ちながら、再度機体を反転させる。

我武者羅に放たれた劣化ウラン弾が土煙を巻き上げながら半弧を描き、迫る戦機を捉えようと蛇のように地を這っていた。


※※※※※


「うおおぁぁーーッ」

気迫の咆哮。

左腕部をえぐられたサンマル○式機甲戦闘車「夜桜」の中で、藤堂秀和が吼える。

右脚部に格納された高周波ブレードを右手に把持すると、スラスターの出力を最大にしてつんのめるように前方に突っ込む。


視界に捉えるのはトライアドの機甲大隊を殲滅した所属不明機アンノウンの背部

ただ、そのアンノウンのパイロットも囮に気付いたのか、ガトリング砲を放ちながら急速に展開する。


間に合うかッ!?


金属の塊がかち合う衝撃音

藤堂が駆る夜桜が一回り大きい所属不明機に激突する。


だがーー


『…アハハッ!』

女の声が響き渡った。


『惜しいッ!惜しかったねぇ?あと少しでこっちがやられるところだったわ。あんた最高だよ!ここまでドキドキしたのは初めてだわ!』

興奮した様子の女の声、所属不明機のパイロットがオープン回線で藤堂機に呼び掛けていた。


夜桜が握る高周波ブレードは、所属不明機の胴体部に先端だけが突き刺さっていた。

超音波による振動がブレードと装甲の狭間に摩擦熱を生み、所属不明機の装甲を貫いている。

しかし、所属不明機の左腕部がすんでのところで、夜桜との間に挟まり、ブレードの侵攻が阻害されていたのだ。


『でも、楽しいひと時もこれで終わり。』

逆に、所属不明機が右腕部のガトリング砲を夜桜に突きつける。


BiiーBiiー

Cation Locked

Cation Locked


夜桜のコックピット内に警告音が響き渡った。

だが、藤堂はその警告音を聴いて安堵した表情を浮かべる。


『さすが…完璧なタイミングだ。』

『あ?何をーー』

藤堂もオープン回線で音声を送る。

その意図を掴みかねた所属不明機のパイロットが声を上げた。


『王手だ。もう詰んでるぜ…お宅。』

そう告げると、藤堂は高周波ブレードを引き抜き、自機の右脚部に突き刺した。

自重を支えきれなくなった夜桜が地に沈む。


その刹那、夜桜が先程までいた空間を何かが高速で通り過ぎた。

と同時にーー


空間が轟く


夜桜と所属不明機の間で火花が散り、空気が破裂する。

一瞬遅れて、所属不明機が左膝を大地に突き落とし、擱坐する。

その腰部分には大きな穿孔が穿たれていた。


所属不明機と藤堂機の延長線上に狙撃ライフルを構える一機の戦機


ハウンド二番機ーー佐藤菫少佐


彼女が自身の隊長を狙い放った砲弾は、藤堂機が倒れ込んだことにより、その先にいた所属不明機に命中したのだ。


『いよ〜菫君、ナイスショット!ていうかマジで俺を殺す勢いだったなぁ』

『当然です。殺す気でしたから。』

藤堂のおちゃらけた無線に菫が素っ気なく返す。

心なしか明るい声で。


『さすがにFabricater”嘘八百”と呼ばれるだけありますね。長年一緒にいる私でも、今回の作戦は全く訳がわかりませんでしたよ。』

非難まじりに菫がつたえる。


『あれっ?そうなの…みんな分かってると思ってたなぁ。』

『分かるわけないでしょう!』

『いや…なに、今回の相手は機体も最新、パイロットも一流だ。まずは電磁装甲を殺さなきゃならん。一か八かだったがチャフディスペンサーが上手くいった。んで、どうやって必殺の一撃を叩き込むかだが…ただ射撃したところで躱されてしまう。FCSとかじゃねぇ殺気ですら奴には気取られる気がした。』

『だから、接近戦を?』

『そうだ、奴の意識を俺に集中させるために、接近戦に持ち込み、菫君のロックオンと殺気は俺に向けさせ、奴には隠し続けた。』

『んで、タイミング良く俺が躱せば、ドカーンってなわけよ。』

『タイミング良く躱すって…』

そんなことできるパイロットが果たして何人いるのだろうか?

菫が次元の違いに絶句する。


『まぁ何にせよ…俺たちの勝ちだ。』

藤堂の勝利宣言が各機に伝わる。

と、そこにーー

『た、隊長、本隊から連絡がひっきりなしです〜』

四番機高橋の声が重なった。


※※※※※


「グゥッ…クソ…私のシュンマオが起動不能だとッ!一体何がッ!?」

対戦機用の大口径狙撃ライフルの直撃を受け、ダーフェンが沈黙する。

幸い、コックピットへの直撃は避けられたため、シャオミンに大きな外傷は無かった。


PiーPiー


通信?


『また、派手にやられたな。シャオミン。まぁ今回は相手が悪い。』

ハスキーボイスが響いた。

リンか…相手が悪い?何なのあいつ…全部がブラフ、ハッタリだったわ。』

『藤堂秀和…ただの嘘つきだよ。』

『何それ?そのままじゃない。』

『まぁ気にするな。嘘つきはお互い様さ…この戦闘も、この戦争もな。』

『まぁ…そうかもね。』

『いずれにせよ、独立組織トライアドは今日を持って転換期を迎える。予定通り、お前は暴走を始めたファシストを止めるため行動した英雄として、国連側に迎え入れられる手筈になっている。日本統合軍側にも働きかけてある。御苦労だった…アルカナの英雄殿。』

リンと呼ばれた女はそう言って回線を切った。


シャオミンは、ふぅと息を吐き、ヘルメットを脱いだ。

纏められていた長い黒髪が自由になる。

後部ハッチの解放スイッチを押下すると、圧縮空気が抜ける音とともに、解放されたハッチから新鮮な空気がコックピットに流入する。

汗ばんだ肌に冷たい冬の風が当たり、シャオミンはぶるっと肩を震わせた。

ヘルメットを小脇に抱えながら、ハッチから上体を外部に露出させるといつの間にか曇り空は消え、澄んだ青空が上空に広がっていた。


『英雄か…』

シャオミンの言葉が寂しく華北平原に消えていった。



やばい…主人公が出てこない( ;´Д`)

せっかくイラストもらったのにヒロインも出てこねぇよ。


次回はきっと登場させるよ。

あとこの過去編と現代編のつながりも書けたらなと思います。


では( ´ ▽ ` )ノ

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