Demon in a Field ~戦鬼~
凶鳥が堕ちるとき、華北平原上ではトライアドの機甲大隊が国連軍を迎え撃とうと迎撃ラインを敷いていた。
その機甲大隊に一人の女性兵士がいた。
その名は…方小敏
”轟音”
空が慟哭し、咆哮を挙げる。
それは、雷鳴が轟くが如く空を仰ぐ大地に響き渡った。
木々や草花は震え、当然、その場にいる者たちも何事かと空を見上げる。
すると、空を覆い隠していた雲の隙間から、漆黒の戦闘機が姿を顕にした。
だが、その戦闘機は既に翼が折れ飛行能力を失っており、紅い火花を散らしては、黒煙を吐きながら、まるで飛び方を忘れた烏のように大地めがけて墜落する。
そう、ここは…戦場だった。
「ヘェ~。凶鳥、堕ちるか…こりゃあさすがに八咫の連中も想定外なんじゃないの?」
華北平原上に中腰状態で駐機していた戦機のコックピットから、頭部メインカメラを通じて、その様子を捉えたパイロットが、予想外の出来事だったのか驚きの声とともに独り言を呟いた。
航空機用の対Gスーツを改良した戦機用の対ショック性スーツに包まれていても、依然スラリとした印象を受ける長い足をコックピット前方にあるモニターへ伸ばし、両腕は頭の後ろで組んで、体重を背もたれに預けている。
そして、阿弥陀かぶりにしたヘルメットからそのパイロットの素顔が覗いていた。
未だ幼さの残る少女のようでいて、妖艶な色香をも持ち合わせた麗人。
彼女が乗るその機体の肩部には、三角形を複数組み合わせたエンブレムが認められ、独立組織「トライアド」の所属機体であることが分かった。
『何を訳の分からんことを…私語は慎めッ!方小敏特別少校。』
突如、部隊指揮官から無線で注意を受ける。
方小敏「ファン・シャオミン」と呼ばれたパイロットは、これまた予想だにしなかったのか、何事かと無線のプレストークボタンを確認する。
どうやら、自身の足で意図せずそのボタンを押下してしまっていたようだ。
「チッ、凶鳥の意味も知らないのか。」
『…我了解。』
シャオミンは、短く了解の意を伝えると無線装置に向かってベーッと舌を出し悪態をついた。
ついでに、伸ばした足でタッチパネルに触れ、戦機の頭を操作し、周囲の状況を観察する。
「おーおー、ゴリラどもが揃ってお預けとは壮観だねぇ。」
シャオミンの機体の周囲には、多数の戦機、戦車、装甲車等の支援車両が駐機していた。
旧中華人民共和国が開発・製造した戦機
AF-CHL10「黄龍」
トライアドの戦機部隊では、大抵が鹵獲、あるいは寝返った部隊が有していた同機を運用していた。
同機は、旧中華人民共和国の性格をまさに体現したような性能を有している。
豊富な戦力を生かすためのローコスト大量生産、未熟な練度でもある程度の戦闘を行えるオートパイロット機能、西側諸国に比べ大型化、高火力化した機体。
外見は、電子機器を収める頭頂部がソフトモヒカンのように出っ張っており、メインカメラは単眼で、胴体部を構成するメインフレームは装甲厚のため丸みを帯びている。
これを支える脚部と、武装を携える腕部は重厚長大となっており、中腰の姿勢で駐機状態となると、まるでゴリラのように見えるのである。
その為、シャオミンが言うように内外問わず「ゴリラ」と揶揄されていた。
「こんなむさい奴らと一緒でごめんねーシュンマオ。」
シャオミンが機体に呼びかける。
トライアドが開発・製造した試作戦機
YAFーTD4「大鵬」
熊猫とは、彼女がつけた愛称である。
彼女が搭乗している戦機は、他の戦機と比べ、見た目からも武装からも一線を画しており、異様ささえ放っていた。
黄龍と比べ、より人型に近い外見。
塗装は白と黒のツートンカラー。
空気抵抗に配慮し、支援火器等の武装は肩部やメインフレーム内に収納され、必然的に各パーツも流線型となっており、どちらかと言えば、西側諸国の機体に酷似している。
主兵装と思われるモノが両肩の後ろに装着されているが、収納状態であるようで、脚部の中程まで達する巨大な黒色ボックスに収められており、全容は窺えない。
そもそも、戦機は従来の工業用ロボットとは異なり、各関節部の連結を軸や軸受けからなるリンク機構やシリンダー、モーター等で可動しているのではなく、電気信号による温度変化で収縮する人工筋肉から構成されており、より人間に近い構造となっている。
そのため、どちらかと言えば人型ロボットというよりも装甲化したパワードスーツという概念が強いため、丁寧に構築されれば間違っても黄龍のような外見にはならないのだが、質よりも量を優先したが故に、鈍重な体躯となっていた。
そんな対照的な戦機を含めた機甲大隊が、揃って駐機状態となっているのは、南京へ攻め入る国連部隊を迎撃するためである。
そして、本来であれば、航空部隊から制空権を確保した旨の連絡が入る予定であったのだが、航空部隊との連絡途絶、EMP兵器による通信障害等、予定外の事象発生により作戦進行に支障が生じていた。
シャオミンに注意した部隊指揮官、林中校がイラついた声色だったのは、そのせいもある。
加えて、シャオミンに対する牽制の意も含まれていたであろう。
まだ年若いシャオミンが特別少校という佐官級の階級を与えられているのは、試作機のテストパイロットとして、ダーフェンの運用試験を兼ねた実戦投入に際し、シャオミンが戦場における独自判断・行動を他部隊に妨げられないように権限を与える目的があった。
そう、表向きには…。
だから、事情を知らない林中校が気に食わないのも無理はない。
まして、先の凶鳥…トライアドからすれば未確認機の墜落を目の当たりにして、前線では何が起こったのかと、各部隊が混乱しているようだった。
その証拠に伝令要員が自動二輪車で部隊指揮車と各部隊間を何度も往復していた。
「まったく…指揮能力のない指揮官ほど部隊に不要なものはないわ。」
その様子を見ていたシャオミンが嘆く。
すると、
Pi、Pi…
短い電子音がコックピット内に響く。
「…秘匿通信?」
モニターに表示されたSECRETの文字を見てシャオミンが訝しむ。
仕方なくヘルメット脇に付けられた通信ボタンを押す。
すると、聞きなれたハスキーな女性の声が流れた。
『暇そうだな…シャオミン。』
『誰かと思えば、零か。ってか、ちょっとどうなってんのよ。私とシュンマオの晴れ舞台は!』
『…シュンマオ?あぁ、ダーフェンのことか。』
『止めてよ。ダーフェンなんて全然可愛くないわ。』
『…私としてはシュンマオもどうかと思うがな。』
『まぁ、貴方達に説明してもシュンマオの可愛さは伝わらないでしょうから仕方ないとして…凶鳥が堕ちるなんて話聞いてないわよ?』
『あぁ、その件だが、これを聞いてみろ。』
零がそう言うと、コックピット内に音楽が流れ始める。
零に負けず劣らずのハスキーボイスが気持ち良さそうに詩を紡いでいた。
『何これ?』
『さぁな、私にも皆目見当がつかない。八咫烏が言うには凶鳥が落ちた理由らしい。』
『ふーん…で、結局どうなるのよ?』
『喜べ、舞台の幕開けだ。我々の計画に変更はない。たった今、セフィロトの判断が下された。』
『あー私、あの人達苦手だわ。なんか政治屋みたいで。』
『…言う割には、嬉しそうだな。』
言われてシャオミンは、自身の顔がゆるんでいるのに気付いた。
そうか。私は嬉しいのか。
『気を付けろとは言わない…楽しんでこい。シャオミン。』
『我了解ッ!』
シャオミンはそう答えると、脱ぎっぱなしだったブーツを履き直し、阿弥陀かぶりだったヘルメットを右手で深くかぶり直した。
すると、戦機の外部カメラとヘルメットがリンクされ、シャオミンの眼前には戦機がメインカメラで見据える世界が広がり、戦機はシャオミンの動きに寸分の狂いなく従属する。
さらに、グローブを両手にはめ直し、手をグーパー開閉させると、戦機の腕部も同様の動きを行った。
「悪くない。」
そう言うと、コックピットの両脇に設置された握り込むタイプの、ちょうど航空機のジョイスティックにハンドルカバーが装着されたようなハンドルを両手にそれぞれ握り込み、慣れた手つきで各スイッチを押下する。
「行くよシュンマオ。起きろボアズ、ヤヒン。」
シャオミンの呼びかけに応じるように、白と黒の戦機が膝立ち状態から立ち上がる。
そして、両肩後部に装着された主武装がその姿を露わにした。
右側が漆黒の、左側が純白に塗装されたそれぞれの銃身は、乗用車2台分はあろうかという長さ。
それが8本、円を描くように束になっており、その末端には巨大なドラムマガジンがはめられている。
一見して米空軍が開発した攻撃機Aー10AサンダーボルトⅡが運用するガトリング砲「GAUー8」に酷似していた。
それが、ダーフェンの両手甲部に装着される。
すると、その様子を目にした林中校からお咎めの無線が入った。
『方ッ!また勝手に動きおって!誰か、辞めさせろーー』
『ーー邪魔。』
シャオミンが右腕を水平に伸ばす。
すると、ダーフェンの右腕部に装着された漆黒のガトリング砲が、近づいていた黄龍に向けられた。
カラカラと小気味良い音を立てながら、銃身の束が回転を始める。
『あっ、あ…き、ーー』
MuBoo…。
僅か一秒、その間に黄龍のボディを舐めるように数百発の30ミリ劣化ウラン弾が叩き込まれた。
頭部は吹き飛び、連結部から内部に入り込んだ砲弾が蜂の巣のように穴を穿つ。
予想外の出来事に、林中校の無線が途絶した。
おそらく無線を握る手が硬直しているのだろう。
生じた間を利用して、シャオミンが外部スピーカーと部隊間の短距離無線を介して、トライアドの前線機甲部隊に語りかける。
『諸君、今までご苦労であった。我々の大義を成すためによく頑張ってくれたと思う。』
『…だが、どうだ?未だ争いは続き、終わりは見えない。一体誰が、こんな現状を作り出しているのだろうか?
足掻く国連か?
力有る強大な国家か?
力無き矮小な民か?』
そこまで続け、シャオミンは周りの反応を見る。
「誰もかかって来ないとは…情けない。○ンタマついてんのかしら?」
数の上で圧倒しているというのに、不穏分子を抑える判断すら出来ないのかとシャオミンは目の前の機甲部隊に失望する。
だから、その先の言葉を続けた。
『いや、違うなぁ。この不毛な争いの原因は…お前らだ。』
『下らない排外主義を掲げ、戦線を拡大させたのは、他でもないお前ら自身だよ。では、どうする?』
『何をふざけたことをッ!貴様とて同じ組織の人間だろうが!』
『…殲滅しよう。』
シャオミンは、林中校の無線を無視して舞台役者のように台詞を述べる。
『癌細胞は切除するのが一番。腐ったリンゴも排除するのが一番だ。お前らも殲滅するのが一番に違いない。そうだろう?林中校殿?』
『血迷ったかッ!?方!!』
『血迷ってなどいない。これはあらかじめ組まれた構成、演じられるべきシナリオなのだよ。だから…』
シャオミンは、目の前の機甲部隊に最後通告を告げる。
そして、
「ホバーオン、メインブースター点火、全兵装の使用許可を申請、CODE144928、マスター:方小敏」
両手に握るハンドルを操作し、音声入力を実行する。
『CODE確認。搭乗者:方小敏…承認しました。よろしくお願いしますマスター。』
機械音声が一部復唱し、シャオミンの求めに応じる。
と同時に、戦機ダーフェンの脚部が風切り音の様な音を唸らせる。
周囲の大気を吸引し、大地との接地面に圧縮空気が叩き込まれ、空気層を生み出した。
数十トンはあろうかというダーフェンの機体が1メートルほどふわりと空中に浮遊する。
『貴様ッ!本気か!?』
『だから…せめて最後に、醜く足掻いて私を愉しませてくれよ?諸君。』
挑発するように言い放ったシャオミンがダーフェンの肩部に取り付けられたトライアドのエンブレムを引き剥がす。
すると、新たに二つのエンブレムが露わになった。
一つは、女性のシルエットに「THE HIGH PRIESTESS」の文字、
もう一つは、二頭身にデフォルメされたパンダが眉間にしわを寄せ二つのガトリング砲を構えている図柄に「天仙娘娘」の文字が刻印されている。
『我らはアルカナの使者、この天仙娘娘が女教皇となりて、貴様らに神の試練と愛を捧げよう。』
『クソがッ!各機へ!奴はもはやトライアドの一員ではない。敵だ!破壊しろ!』
部隊指揮官が叫び、黄龍や戦車がようやく任務を与えられる。
”Cation Locked”
ヘッドマウントディスプレイに警告表示が点灯する。
ダーフェンがシャオミンにレーダー照射を受けていることを告げていた。
だが、シャオミンはそれを見て恐れるどころか、クスリと笑みを浮かべる。
『撃てぇッ!』
指揮官の怒号。
それとともに黄龍のミサイルポッドから射出された無数の対戦車ミサイルが白い噴射痕を残しながらダーフェンに襲いかかる。
避けられるわけがない。
林中校はそう確信した。
例え新型の試作機であろうがこれ程の戦力差で何ができるというのか?
小学生でも分かる問だろう。
ミサイル群がダーフェンに吸い込まれる直前、シャオミンが地面に向けてガトリング砲を叩き込む、すると巻き上がった土砂と砂塵で機体が 覆われる。
『無駄な足掻きをッ!』
粉塵に突っ込んだミサイルの信管が作動し、無数の爆炎がその空間に花を咲かせ、煌めいた。
沈黙
『ハハッ、他愛もないーー』
ダーフェンの破壊を確信した指揮官が笑いを漏らす…が、その爆炎を切り裂くように、
一閃
その場の誰もが、一瞬思考を止めた。
何が起こったのか?
各黄龍を襲う強烈な衝撃、そして、少し遅れて、
MuBOoooーー
ガトリング砲の発射音が華北平原に響き渡った。
黄龍を襲ったのは横殴りの砲弾の雨、その発射速度は音速を容易に超え、発射音が砲弾の着弾の後に聞こえてきたのだ。
ガトリング砲の風圧の影響で爆炎が晴れる。
ダーフェンの機体が露わになった。
『バカなッ!』
対峙していた部隊の誰かが驚きの声をあげる。
ダーフェンの機体は青白い電気を纏い、その真新しい機体には傷一つ付いていなかったのだ。
『怯むな…撃て、撃て撃て撃てぇー!』
トライアドの各機が砲撃を再開する。
指揮官の指揮によるものではなく、恐怖に駆られた各機が、各々迎撃行動に移る。
無数の火線が、爆音と光を生みながらダーフェンに襲いかかる。
『当たらないッ!?』
『もっと、よく狙え!!』
『脚部を狙え、動きを止めるんだ!』
『うわぁッ…こっちに、こっちに来る!』
だが、それらの砲撃はダーフェンには当たらなかった。
『この人達やる気あるのかしら?火器管制装置《FCS》に頼りすぎだわ。』
シャオミンがダーフェンを自分の手足のように駆る。
ホバーブーストにより大地との摩擦から解き放たれ、メインブースターと補助ブースターにより、ひらりひらりと挙動するその動きに黄龍のFCSは未来予測を狂わされ、射線がずらされていた。
そして、統制の取れなくなった部隊ほど脆いものはない。
前線は崩れ、シャオミンは踊るようにダーフェンを操り、一機、また一機と戦機を、戦車を破壊していく。
ある時は、戦車に飛び乗り砲身をずらして、黄龍へ砲弾を誤射させ、その戦車の天板をガトリング砲で容赦なく貫き、
またある時は、黄龍のパーツをもぎ取り、ガトリング砲を突き込んで砲弾を叩き込んだ。
そんな彼女は、いつの間にか鼻歌を口ずさんでいた。
「フンーフーフフンフー♫♪あれっ?この歌なんだっけ?」
群がる黄龍や戦車に無数の穴を穿ちながら、シャオミンは自身が口ずさむ歌の名前を思い出そうとする。
「あぁそうか、この歌は…」
そして、気づいた。
自身がこの歌の名前を知らないことに。
そうだ、これは…凶鳥が堕ちた歌だ。
何故、凶鳥は堕ちたのだろうか?
まぁ…どうでもいいか。
私には関係ないや。
シャオミンはダーフェンとともに踊り、歌い続けた。
そして、シャオミンが鼻歌を歌い終える頃、華北平原上に残ったトライアドの勢力は、部隊指揮車一台となっていたのであった。
部隊指揮車の中で林中校は、夢でも見ていたのだろうかと自身に問いただした。
その様相は、もはや戦いと言えるものではなかった。
圧倒的な力による弱者の殲滅
そう、殺戮だ。
そして、自身が乗車する部隊指揮車に伝わる振動、自身の下着にじわりと染み込んだ脂汗が嫌な感触を伝えており、これが現実であることを林中校に教えていた。
こいつは鬼だ…そして、これが…これが…
「”戦鬼”」
『もう終わりなの?つまんない。まだ狩り足りないのに。』
シャオミンが部隊指揮車にガトリング砲を向ける。
ハンドルの人差し指に対応したスイッチに指をかける。
しかし、押下しようとしたその刹那、シャオミンは、左方に強大な気配を感じ取った。
何?
「ッ!?シックス、ブースト!」
寒気を感じたシャオミンは、瞬時に機体を後退させる。
巻き上がる砂塵と切り裂かれる空間。
その衝撃に、ダーフェンの電磁装甲が反応し、青白い電光を発生させる。
コンマ数秒というタイミングで、ダーフェンの目の前の空間を”何か”が過ぎ去たのだ。
それは、空気を切り裂き衝撃波をダーフェンに伝えた。
だが、シャオミンはダーフェンを通じて伝わるビリビリとした衝撃波に感動を覚えた。
「フフ…いいねぇ。」
目の前の空間を切り裂いたモノ、それは間違いなく砲弾の類であった。
ダーフェンのロックオン警告が表示されなかった。
それは、つまり…
そこまで考えて、シャオミンは射撃を受けた方向へ指向性レーダーを飛ばし、サーチする。
PiPiPi
強力なレーダーが、デコイやジャミングによる欺瞞を看破し、目標物を捉える。
相対距離…約10.2キロメートル
脅威目標…4
ダーフェンがレーダー上に赤い三角形で脅威目標を表示する。
シャオミンは、メインカメラをそちらに向け、それを捉えた。
「ダークグレーの塗装、中型の戦機、国章は日の丸…日本統合軍かッ!!」
FCSを使用せずに通常想定される射撃範囲を超える超長距離射撃…
平坦で障害物の少ない華北平原だからこそ可能な攻撃であった。
そして、多数の黄龍を相手取り、シャオミンの周囲への警戒心が薄くなっていたというのもある。
だが、それでも先程までの連中とは違い、手応えのありそうな敵の登場にシャオミンは舌なめずりをして、歓喜に打ち震えた。
ダーフェンのメインブースターであるターボラムジェットエンジンが甲高い唸りをあげ、一際大きな光量を発する。
そして、シャオミンは言い放った。
「さぁ、私を楽しませてちょうだい?」
久しぶりに戦機を表現しました~。
鋼鉄の巨人が戦うっていうのはたまらんねぇ(´・ω・`)
あれっ?
ていうか…主人公が空気と化している!!!
まぁいいか…次回は日本統合軍の戦機が登場だよ!!