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『芋ケンピ』を両親が貰ってきたので世界を救ってくる  作者: 鴉野 兄貴
後日談。友人がVRMMORPGに誘ってきたのでリアルMMOに挑戦してみる

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魔法少女になれそうにない 9 はたちになっても魔法少女

 魔法少女にじゅっさい。


「はたちなのに魔法少女。もうネタだな!」


 微妙にテンションが高い美沙斗。

 最近のTwitterは誕生日のユーザーページを閲覧すると風船が舞い飛ぶらしい。

 やる気なさげにポチポチとケータイをいじる氷人形は美沙斗と同じ容姿。氷の癖に体温もあるし違和感を覚えない程度にはぷにぷにしている。


「胸はぷにぷによりぷるんぷるんのほうが」

『黙れ一瞬の油断が命取り』


 あえて余計な発言をぶっ放すが早いか、ものすごい勢いで二人の美沙斗の繰り出した一撃を優雅に避ける猫の絵。このへんは通常運行だ。


「おめでとうツイに返信していたら学校に遅刻した?

 返信する暇があったら」

「変身しろとか言ったらマジしば……機嫌がいいからやめた。あと遠回しに祝福ありがとうございます」


「なんか成長している?! 法律上お酒も呑んで好いし煙草も吸って良くなるけれど絵面は凶悪だね」


 氷像たちの発言にうっとなる美沙斗。

 フリフリの魔法少女衣装の時点で精神ダメージ。



 この上飲酒喫煙を行おうものなら。


「あ、落ち込んでいる。やーい。はたちはたち」


「あん? ふざけんな。今日は私が主役だこら」

「普通にいつも主役だから」


 なお、氷像を呼び出すと記憶を共有するため後で同一化した際、心身ともに多大な疲労を巻き起こすので運用は極力避ける必要がある。にも関わらず氷像が本体を苛めるのに加担するのはどういうことか。


「誕生日プレゼントは彼氏」

「画面から出てこないよね」


 前日に氷像の放った小粋な冗談を本体が迎撃、喧嘩になったからだ。自分同士で何をしている。


「初めて会った時は中学生だったっけ。ぼくももう魔法の世界に帰らないとだめだな~~」


 地味に四年越しの付き合いである。

 作者のほうが驚いた。


「さっさと帰れ。この畜生」

「猫の絵だけに本当に畜生。ぐう畜生」


 容赦のない二人の美沙斗(※一体はコピー)。



 人間なら肩をすくめるであろう猫の絵。


「まぁ実際魔法なんて要らなかっただろうねえ」


 嫌な時は無視をしても良い。

 困っているときは駆けつける。

 勝手にやっているのだからと感謝を強要しない。

 嫌われたら悲しいけれども距離を取る。

 やろうと思っても難しい。


「避妊具と強精剤などはたぶん当面要らないだろうとプレゼントは考えたのだけれども」

『死ね畜生』


 本当に畜生なのだから真面目に困る。

 猫の絵は器用だが絵を描くのは苦手らしい。

 動く2D彼氏絵を作る過程で廃棄したと彼。

 街中出現。『彼氏像 by ねこのえ画伯』。


「何故誕生日にあんたがモンスターを生み出す」


 呆れる氷像。

 言い訳はしないがどうしようと困る猫の絵。


「すっごくちやほやしてくれたら好きになるかも」


 そういって暴れる(?)彼氏像氏は自衛隊の砲撃を受け乍ら三角座りでいじけており。



「基本的に無害だね」

「おーい。こっちこいよ。一緒になんか祝おうぜ」


 手を振る二人と妙な絵。

 どすどすどす。

 戦車を透過して人畜無害な彼氏像。

 ニンゲンなのか象なの

 かもわからぬ珍妙な生物。


 ぽんっと果実酒を開く氷像。

 筆を片手に果実やら何やらを描き、それを実体化する彼氏像。

 甲斐甲斐しくお茶を淹れる猫の絵。


 誕生日おめでとうと告げるスマートフォンのバイブレーションを尻目に宴は続く。


 お誕生日おめでとうございます。

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