1/28
プロローグ 1
1
覚悟はしていた。
けど、いざそうなると自分でも驚くぐらい落ち込んだ。
勝手な思い込みなのはわかってるけど、あの人はわたしの希望の星だった。それを失うっていうのは……なんて言えばいいんだろう? 口下手なわたしでは、うまく説明できない。でも、食べ物を口にしてもすぐに戻してしまい、夜はあんまり眠れなくなった。なにもかもに気力が湧かなくなって、もう高校なんて行かなくていいかな、とすら思った。
そんなわたしに、救いの手は思わぬところから伸ばされた。
一番近くにいるはずなのに、一番遠くに感じるあの人から。
その人の目は真剣だった。冷静に考えたら冗談かと思うことを、心の底から真面目に提案してきた。
――その案、乗ってやろうじゃないか。
どうせ一度は賭けに失敗した身だ。わたしは、目の前に差し伸べられた手を取った。
これからの三年間が、茨の道になることを知って――。