倫理を考えなければ素晴らしい学習法
結界からの脱出には魔法が必要らしいが、魔法を使えないというのは神様にも予想外だったらしい。だが幸いにも魔法を教えてもらえるみたいだ。直に感覚、クオリアを教えるすべがあるらしい。ところでクオリアってなんだ?
翌朝、目を覚ます頃には既に神様は外で待っていた。服を着て外へ出ると朝食がてら神様の話を聞く。なお神様は必要ないのか食事を取っていない。
「昨日試した術の結果、君の体との相性は抜群だと言って良いだろうね。あれが使えるならとても効率よく学んで貰えそうだ。それこそ数日とかからないかも」
体には良さそうだがなんだか味気ない気のする朝食を食べ終えたら早速始まりだ。ちなみに昨日の夕食も似たような感じのするものだった。どちらも特に言うことはない。
池ではなく泉(だと神様が言っていた)の水際に立つと、神様は俺に取るべき姿勢を指示した後背後に立ち、前に伸ばした俺の手に手を添えた。
「この感覚をよく覚えておいてね。いくよ、三、二、一」
神様が三つ数えた直後、今まで意識もしなかった体の中の力を使わされているような感覚がした。
短期間で魔法を使えるようになる為に神様が使ったのは至極単純、『体を直接操り魔法を使わせることでその感覚をじかに覚えさせる』という、無暗に使うべきではない気もする方法だった。俺は昨夜、体を操る術が俺の体にどれほど馴染むか調べる為に身包みを剥がれ全身を舐めるように観察され色々触られた挙句、ついでにとその術で変な踊りを踊らされた。羞恥プレイもいいところだし正直どうかしていると思ったが、神様にそういった価値観は通じないのかもしれない。ちなみに裸で踊らされている間神様は爆笑していた。
とはいえ、この方法はとても効果的だった。ものを教える時の『こんな感じ』が直接分かると言えばいいだろうか。感覚的な、コツを掴む感じがどの動作にも感じられた。さらに使い慣れるには少し時間がかかるかもしれなかったが、その日のうちにかなりの魔法を自力で使えるようになったし、若干ではあるが傾向も掴むことが出来た。この方法なら自転車や逆上がりもすぐに出来るようになるに違いない。ただし…。
「すごく疲れますね、これ」
そう、感覚が掴めるからといって体力が追いつくかは別問題なのだ。こればかりは神様も、
「魔力に関しては植物状態みたいなものだったんだし仕方ないよ。むしろよくここまでできたもんだ」
と言っていた。ちなみに昼食や夕食を食べたとき、消費した力が一気に戻ってくる感じがした。まあ相変わらず味気ない気がするものだったが、凄い食事ではあるらしい。
早く外へ出てもらうために巻きです。




