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『俺様、御家乗っ取り記』(仮)  作者: くろめがね


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39/41

第三十九話 ――静かな包囲

39話です。

第三十九話


――静かな包囲


朝。


倉庫の前に、

誰もいなかった。



初めてだ。



列どころか、

足音すらない。



市場は開いている。



だが――

この通りだけ、

音が薄い。



ユーハは、

入口に立っていた。



いつも通り。



だが、

守る相手がいない。



「……来ねぇな」



返事はない。



レイは、

帳面を開いたまま動かない。



数字は、

減っている。



減り方が、

綺麗すぎた。



昼。



パン屋の少年が、

遠くからこちらを見る。



目が合う。



すぐ逸らす。



近づかない。



理由は、

言わない。



ただ――

線が引かれた。



午後。



倉庫の横を、

見回りが三度通る。



止まらない。



注意もしない。



だが、

笑っている。



何かが、

成功している顔だった。



夕方。



女商人が、

小声で言う。



「……孤立ね」



「完全に」



ユーハが、

拳を壁に当てる。



音は、

小さい。



「殴る相手が

 見えねぇ」



レイは、

窓の外を見る。



「見える時は、

 もう遅い」



「は?」



「包囲ってのはな」



「音が消えた時、

 完成してる」



夜。



灯りは、

小さくなった。



食料も、

少ない。



誰も来ない倉庫は、

ただの空間に近い。



それでも――



扉は、

閉めない。



ユーハは、

入口に座る。



「……これ、

 終わりか?」



レイは、

答えない。



しばらくして、

小さく言う。



「終わりなら、

 静かすぎる」



風が、

扉を揺らす。



誰も来ない。



だが――



遠くで、

靴音が一つ。



止まる。



近づかない。



ただ、

見ている。

残すところ後11話です。

全ての風呂敷を畳めるのか不安です。

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