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再び繋がった縁

アルマクが所属する会社組織『assemble』(アッセンブル)が、東京にも進出する案が固まりつつあった。これまで名古屋が拠点だったが、ここは残しつつ、第2本社の様な扱いで東京進出を以前から検討していた。様々なジャンルのアーティスト達だけではなく、クリエイターやボイストレーナー等の人材もスタッフ達も少しづつ増えて来た事もあり、年齢問わず、

『明日を夢見る才能ある人達のサポートがもっと広く出来るように』

と言う理念から、このプロジェクトが進行。

アッセンブルの代表は、星夜の兄・【大輝】(だいき)が務めているが、大輝をCEOとしつつも、名古屋と東京の代表を誰かに任せる事に決まった。と言っても人選はまだこれからだったが、名古屋の代表はユキちゃんに任せる事になった。というのも星夜と美縁は、兄の大輝から、「名古屋と東京の人選をお前達に任せたい。」

と言われていた。無理難題とも思ったが大輝は、

「ここは元々お前達が発信源になった組織だ。自分の今までの人生の中で、この人ならと言う人に任せれば皆が後悔が残らないはずだ。1週間やるからそう言う事で宜しく。」

と言う経緯があった。

美緑からは、

「どうしよう。俺はそんな思い当たる人がいないんだけど。」

と相談された星夜は、

「ユキちゃんがいるじゃん。あの子は人の上にたてる子だし決まりじゃね?」

とサラッと言い放った。美緑は呆気に取られていたが、何か腑に落ちる部分もあった。

「でもそんな組織のトップに立つ経験なんてないはずだけど大丈夫なのかな…。」

美緑がボソボソ呟いている。そんな美緑を見てイタズラな笑顔を見せた星夜は、

「良いじゃん、サボり気味な時にケツ叩かれるのがユキちゃんなら。」

そう告げた。結局、最初は動揺していたユキちゃんも、その大役を了承し、晴れて名古屋本社の代表はユキちゃんに決まった。

因みに、このタイミングでボイストレーナー兼アーティストとして、トモちゃんとも遂に同じ組織で共に協力し合う仲間となった。相変わらず星夜のボイストレーナーでもあるのが笑える。トモちゃんはピアノ演奏も出来るため、

今後はアルマクのLIVEにも帯同してもらい、

自らの夢の続きも存分に味わってもらう事で利害が一致したのだ。これらの事も何だか面白い巡り合わせだと星夜は思ったが、兄に決められた納期はすぐに迫っている。東京支部には代表になる人と事務員やアーティスト達のサポート、そして広報活動をしてくれる人材が必要だ。時間があまりないが、実はこの話を聞いた時に既に星夜には任せたい人達の顔が浮かんでいた。ここで営業時代の縁が再び繋がる事となるのであった。


星夜はある2人の女性に連絡をしてみた。

1人目は、世田谷営業所時代にお世話になった川崎支店のスーパー事務、【三谷さん】だ。

「成田です。ご無沙汰してます!お元気ですか??」

相手も懐かしそうな反応で答えてくれた。

「ちょっと久しぶりだね!私は元気よ!成田さんは生きてた??」

相変わらずの声に安心した星夜は、単刀直入にお願いする事にした。当然、三谷さんは驚いていた。驚いていたのは東京支部の事務員をお願いした事ではなく、星夜がアルマクだと知った事の方だった。三谷さんが、少し状況が冷静に把握できた頃合いに星夜は熱意を伝えた。

三谷さんは紛れもなく優秀な事務員さんだ。

この上ない即戦力な上に、面倒見も良いので、分身を育てて欲しい思いもあった。3日程考える時間が欲しいと言われたので、連絡を待つ事にしたが、翌日にOKの返事を貰った。

そして、東京支部の代表と広報には、世田谷へ異動して来た際に東京で心の拠り所となった2人を口説く事に。

代表は【青薙さん】へお願いした。

広報には【秋田さん】。実は星夜はこの時、

東京まで来ていたのだ。1人を除き、皆東京にいる事は知っていた。なので、直接会いたいと考えていた。

青薙さんと三谷さんは元々同僚だった事もあり、息ぴったりだ。青薙さんは既に中部建設を退職し、知り合いから不動産屋を任されていた。秋田さんは丁度転職を考えていたところだった為、タイミングが良かった。

予定を合わせて貰って青薙さん、秋田さん、三谷さんの4人で飲みにいく事にした。

本当に久々の再会。

思い出話に花が咲き、皆が笑顔だった。

1人1人の表情を見ながら、この人達の事が大好きだった事を改めて思い返した。皆、良い意味で全然変わっていない。人の事を思い合える人達の為、安心出来るし、こうしてまたご縁が復活した事を星夜自身もとても喜んでいた。

この3名からは正式に承諾を貰い、また共に汗を流す仲間になったのだ。酒も進み、青薙さんと三谷さんが星夜に質問攻めをして来た。主には会社を辞めた後、どうやって生きてきて今があるのかと言う事だったが、質問するだけしてきて、たいしてこちらの話を聞いていないところも何だか懐かしい。その様子を見ながら優しく微笑んでいる秋田さんの姿も懐かしかった。

こうして宴は夜中まで続いた。


翌日、宿泊しているホテルで目を覚ました星夜は、事前に連絡していたもう1人の女性からの返信をみた。早速午後にカフェで約束して会う事になった。久々に見るその姿は、少し大人な女性になって以前よりもさらに落ち着いた雰囲気になっていた。

「お久しぶりですね。何だか凄く懐かしいです。」

そう言って先に席に着いていてくれた、

【町田さん】が声をかけてくれた。

世田谷営業所で派遣さんとして多大なるサポートをしてくれた町田さんは、当時は独身で生涯1人で良いと話していたが、今は結婚してパートナーと穏やかに暮らしているそうだ。男性以上に女性は、その時の生き方で見た目も佇まいも変化するのだろう。少し昔話で会話が弾んだ頃に、要件を伝える事にした。三谷さんと同じ様に、依頼する仕事の内容以上にアルマクになっている星夜に驚いていた。逆に言えば、アルマクもそれだけ認知して貰えていると言う事だ。ここからは同じ様に質問攻めが始まったが、

仕事の件に関しては、

「こちらこそ是非お願いします。またご一緒に仕事が出来るのを嬉しく思います。」

そう言ってくれた。町田さんには、アーティストらのサポート兼、アルマクのマネージャーをお願いした。事前に旦那さんには、どんな仕事の依頼でもOKするつもりで了承を貰っていたそうだ。旦那さんとの惚気話も存分に聞かせてもらったし、町田さんがとても幸せそうで星夜も嬉しかった。

きっと素敵な旦那さんだと思う。


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