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紅白歌合戦

出演の時間が近づいて来た。

控え室で星夜と美縁は衣装に着替えていた。

特に会話はない。淡々と準備を進めて出番を待つ。今日、アルマクが歌うのは、2人で話し合った結果、【Let’s live on】に決めていた。

1番最初に世に知れ渡った思い入れもある曲だ。何より明るく前向きな曲だし、紅白の初出場にはピッタリだろう。アルマクが歌うステージに上がり、司会者から呼ばれるのを待つ。美縁は少しそわそわしている様子だった。間が持たない美縁に、突然星夜が話しかけた。

「おーい、美縁。今日までずっと隣にいてくれてありがとう。美縁がいなかったらここまで続けてこられなかった。キミは最高だ!今から2人でキャリア最高のパフォーマンスを見せようぜ!」

顔の表情が凝り固まってしまった美縁は、

「なんだよこんなギリギリに!急に!わかったよ。やってやろうぜ!…あっ!俺からもありがとう。星夜は俺にとって唯一無二だから。」

凄く照れてるクセに、精一杯の笑顔を見せた美縁。それを見た星夜も優しく微笑んだ。


この年の総合司会者は、【柚木天海】(ゆのきあまみ)さん。元宝塚のスターで、今は誰もが知る超有名な女優さん。女性の総合司会はかなり久しぶりだ。

「アルマクのお2人、初めまして〜!柚木です。」

遂にこの呼びかけにより、出演の時が来た。「初めまして〜アルゼンチンのマクドナルドから来ましたアルマクでーす。」

と星夜がボケてみせた。

「えっ、それでアルマクなんですか??」

と柚木さんは笑っていた。会場も盛り上がっているようだった。これには美縁が、

「NHKなんだから急にボケるなよ!大晦日だぞ!」

とツッコミを入れたが、顔が隠れているのに、声のトーンが冷静だった為、美縁のツッコミにも笑いが起こっているようだった。続けて、「初登場ですがお2人に緊張とかは無さそうですね?」

と柚木さんが質問してくれた。すると星夜は、「いえ、緊張し過ぎて実は今、何も着てません。」

と答えると、美縁がすかさず、

「なになに、そう言う設定なの??ちゃんと着ろよ!」

と返すが、

「帽子は被ってるよ。」

と再びボケる星夜。

「いや、まずパンツ履けよ。」

と食い気味にツッコむ美縁。

次々に予想外の展開を見せたアルマクに笑いが絶えないところで時間の関係もあり演奏がスタートした。

【Let’s live on】は直訳すると、

『生き続けよう』、『生きていこう』

と言う言葉だ。この日のアルマクは、2人共が冴え渡っている。先程迄のおちゃらけた雰囲気は既に無く、星夜も美縁も落ち着いていながらも声が良く通っている。歌詞に込めた想いも、2人の表現力で後半へ加速していき、ラストのサビでは星夜のエッジの効いた歌声と美縁のリズミカルで力強い英語の歌声がシンクロして、真剣で尚且つ、場を楽しんでいる星夜と美縁は、圧巻のパフォーマンスを見せた。目の前で見ていたスタッフ達も、鳴り止まない拍手を届けてくれた。中継だったとは言え、NHKホールも出演者達も大いに沸いていた。

柚木さんが、

「アルマクのお2人ありがとうございました!何よ凄くカッコいいじゃない!!最高だったわ!」

と興奮気味に声をかけてくれた。

「面白くなってきたじゃな〜い?!ありがとうございました〜!」

と星夜が答え、2人で手を振ったところで出演が無事終了した。


紅白歌合戦は全出演者が歌い終え、結果発表にてこの年は白組が優勝し、幕を閉じた。

番組放送後、アルマクには大きな反響があった。『アルマク最高!』・『アルマク超クールだった!』・『アルゼンチンのマクドナルド』・『アルマク優勝』・『アルマクM-1でも見たい』・『Let’s live onよき』・『アルマク服来てた?』・『柚木さんとの最後の絡みわかる人にはわかる』・『ツッコミの方の人、気になる』・『最高にロックだった!』等…。

SNSへのコメントはポジティブな内容が多く、アルマクにとって紅白歌合戦への出場は、結果的に大成功に終わった。ユキちゃんもとても良かったよと喜んでくれていた。それを見た美縁もホッとした様子。星夜は携帯を見ると、優歌からLINEが入っていた。

「柚木さんとの絡み笑ったわ〜。紅白出て正解だったじゃな〜い?」

これを見て、星夜もホッとした。

どこか夢見心地な夜。

眠りに着くまでの深い夜に、ホテルのベランダで星夜は、これまでの軌跡をゆっくりと思い返していた。


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