9 つぼみ、ポロリ
いらっしゃい。やっぱり来ると思ったよ(笑)
このタイトルかい?
そこの、アサガオのつぼみが、誰か足を当てたんだと思うんだ。気がついたら、下へポロリと落ちていてね。
どうしたんだい? 地団駄踏んで。顔真っ赤じゃないか。
そんなに君がアサガオが好きだったなんて、意外だったよ。
こんなつもりじゃなかった?
⋯⋯どんなつもりだったんだい?
詳細に聞かせてほしい。
さ、そんなとこに立ってないで、掛けてくれよ。嬉しいよ。
まずは一杯飲んで、落ち着いてほしい。
そうなんだ、今夜はカクテルを飲んで欲しくてね。
上にチェリーを乗せたオリジナルなんだ。
名前は、そうだな。
『恥ずかしがりやの、つぼみのしずく』って、名前はどうだろう?
おっと、急にむせて、大丈夫かい?
今日の君は変だな。
何かやましいことがあるのかい?
俺達の英雄は、威風堂々としていてほしい。
カッコつかないだろ?
夜空を見上げたかい?
今夜はとても月がキレイでね。
君と語り合いたいと思ってね。
夜明けのコーヒーを、一緒に飲むのも悪くないなと思ってさ。
急に「ガタッ」って音を立てて、どうしたんだい?
鮮明に教えてほしい。
良いコーヒーの豆が手に入ったから、どうかなって思っただけだよ。
そんなオドオドした君が、魔王を倒した。
まるで、小説みたいな話じゃないか。
一人で、倒したわけじゃない?
一人の戦士は、戦闘中にトイレに行ったまま、帰って来なかった?
ガチムチオイリーアニキには、敵が気持ち悪がって、近付かなかったと。
結局、全部一人で相手したって?
まだまだ、面白い話が聞けそうじゃないか!
こんな長い夜は、こうやってグラスを傾けるのも悪くないだろ♪